不調改善

効く?効かない?予防医学の権威が「健康に痩せる」ダイエットを格付け

「お腹をひっこめたい」「健康的になりたい」……そんな願いをかなえると謳われる数々のダイエット法。

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話題のダイエットを格付けすると…(写真/アフロ)

ブームに火がつけばテレビはこぞって取り上げ、関連本はベストセラーになる。そのアプローチは様々だが、効くのか効かないのかはイマイチ不明。

そこで、予防医学の権威、新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが、そんなダイエットの“格付け”を行なった。岡田さんは2017年5月24日(水)に上梓した『話題のダイエットを格付けしたら…』(三五館刊)で、数々の話題のダイエット法を世界の医学論文や統計データに基づいて精査している。

話題のダイエットを格付け。その基準は?

「あらゆる学術文献を集計していく中で、肥満こそが健康寿命を短くする重大な要因であることがわかりました。生活習慣病のリスク因子である血圧、中性脂肪、血糖値、尿酸値の検査値は体重に比例してよくなったり悪くなったりするのです。そのため、私の外来診療に来る患者さんには必ず体重計に乗ってもらうようにしています。

しかし、日本ではいい加減と思えるようなダイエット法も浸透してしまっている。欧米ではどんなダイエット法でも時間をかけて追跡調査を行なわれ、エビデンスが示されています。私の『格付け』の判断基準は個人の思い込みではなく、世界中の膨大な学術情報に依拠しています」(岡田さん、以下「」同)

格付けは10点満点で採点。6点以上であれば〈試す価値あり〉、5点以下は〈やらないほうがマシ〉と判定している。岡田さんが判断基準としたのは「健康に悪影響はないか」、「長続きするか」、「本当に痩せられるか」の3点だという。

「中でも重要視したのは『健康への悪影響』です。『やらないほうがいいダイエット』の中には、効果がないばかりか、危険なものも含まれています。ダイエットの目的は人それぞれですが、健康を害してしまっては元も子もありません」

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写真/アフロ

【食べない系01】プチ断食ダイエット

〈食べない系〉に分類される代表的なダイエット法「プチ断食」の格付けも1点と低評価。プチ断食とは、1日だけ食事をまったく摂らない日を定期的に設けるやり方だ。

「断食系ダイエットの効果が説明される時に必ずセットで出てくるのが、体に溜まった毒素を排出するという意味の『デトックス』という言葉です。断食することで毒素が便や尿として体外に出るなどと謳っているのですが、そもそも人間の体内は絶え間なく動き続けており、毒素が溜まることはない。

むしろ断食によって24時間の生体リズムが崩れることから、病気にかかりやすくなります。人間の体は毎日一定のリズムで寝たり起きたり食べたりすることで、最も健康が保たれるようにできています。そもそもたった一日の断食で痩せる体質になどなりません」

次に続く「低炭水化物ダイエット」や「グルテンフリー」など、「食べない系」への評価は概ね辛口である。

【食べない系02】「低炭水化物ダイエット」は、逆に太る?

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米やパン、麺類などの炭水化物を摂取しないようにする「低炭水化物ダイエット」は、2000年代にアメリカでブームに。最近は日本でも、飲食店が“麺なしちゃんぽん”や、パンの代わりにレタスで具材を挟んだハンバーガーをメニューに取り入れるなど、幅広く実践できるようになった。

だが、岡田さんの格付けは3点。”要注意ダイエット”の代表例として挙げている。

「低炭水化物ダイエット」は、炭水化物を抜きさえすれば、肉や揚げ物などでお腹を満たしても太らないという気になっている人も多い。そんな考え方に対して、岡田さんは警鐘を鳴らしている。

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「低炭水化物ダイエットの効果と安全性については、世界中で多くの調査がされてきました。13年には、低炭水化物ダイエットを長期間続けた人は普通の食事をしてきた人に比べ、総死亡率が1.3倍も高かったという論文が発表されています」

そうしたリスクも承知した上で、岡田さんはこう言う。

「低炭水化物ダイエットは、短期的に痩せる効果が高いことは確かです。私も緊急に減量が必要な患者さんには、炭水化物を1日1食分抜いてもらうよう指導することがあります。

しかしそれも半年以上は続けません。たんぱく質と脂肪、炭水化物の三大栄養素は、バランスよく摂取することが大事。(炭水化物の代わりに増やす)脂肪は、摂りすぎれば当然太るので逆効果にもなり得ます」

【食べない系03】小麦を食べない「グルテンフリー」

ジョコビッチの生まれ変わる食事

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小麦が使われているものを口にしない「グルテンフリー」は、2011年にプロテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手が「肉体をこれで大改造した」と紹介して大ブームとなった。

小麦の成分の約75%は炭水化物であることから、グルテンフリーは低炭水化物ダイエットの一種に分類される。米は食べてもOKなので、前出の低炭水化物ダイエットに比べて、日本人でも実践しやすいといわれる。

しかし、岡田さんによる格付けは、「低炭水化物ダイエット」を下回る1点である。

「世界中で誤解されているのですが、グルテンフリーはダイエット法ではなく、小麦アレルギーの人に対する“食事療法”です。

戦時下のセルビアで育ったジョコビッチ選手は体が弱く、プロテニスプレイヤーになった後も喘息や関節痛に悩まされていたのですが、グルテンのせいで症状が悪化する体質だった。そのため、小麦を抜いた食事療法を実践することで、それが回復しただけなのです。

低炭水化物ダイエットに痩せる効果はありますが、グルテンフリーは小麦以外の炭水化物を摂ってしまう。ダイエットとしての意味すらなくなります」

岡田正彦さんの「採点表」

低炭水化物ダイエット 3点
グルテンフリー    1点
プチ断食       1点

※週刊ポスト2017年6月30日号

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