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脂肪は敵じゃない!『美尻トレ』著者・岡部友さんに聞く理想のお尻と筋トレ方法

筋トレ流行りの最近だけれど、中でもお尻は自分で鍛えるのが難しいパーツ。

美尻トレ 究極のヒップメイク

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美尻人気を裏付けるように、”美尻の魔術師”と名高いトレーナーの岡部友さん(33歳)の著書『美尻トレ 究極のヒップメイク』(文藝春秋)もすでに3刷りと売り上げ好調だ。

岡部さんは女性専用のフリーウェイトジム「Spice up Fitness(スパイスアップフィットネス)」を経営し、TVや雑誌でも引っ張りだこ。栗原ジャスティーンさんをはじめ、美尻を誇る芸能人たちも彼女のクライアントだ。

「この本は美尻を目指す人だけではなく、すべての女性に向けて書きました。筋トレは正しくやると、目に見えて成果を得ることができる。その成功体験を人生のチャレンジにも活用してほしい、という思いを込めました」と、岡部さんは話す。

同書にはトレーニング方法だけではなく、ボディメイクの基礎的な考え方から食事のコツまで、読むだけで為になる情報がいっぱい詰まっている。

そこで、岡部さんに、本当に効く「美尻トレ」を教えてもらった。

美尻には脂肪も大事!体脂肪率は目安にしない

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岡部さんによると、立体的で女性らしいカーヴィーな美尻を形作るには、ダイエットでは敵視しがちな脂肪が重要なのだとか。

「”脂肪はとにかく燃焼すべき”とか、”大きな筋肉を動かして代謝アップ”と盲信して、がんばるのは危険。脂肪がないと、お尻に女性らしい丸みが生まれません。クライアントのボディメイクでは、体脂肪率よりも”服を着て美しく見えるか”を基準にしています」(岡部さん。以下「」同)

そもそも、脂肪が落ちる場所はコントロールができない。単純に減量をすると、残しておきたい部分の脂肪が落ちて、貧相な体になってしまう可能性がある。

「食べるとどこから脂肪がつき、食べないとどこの脂肪が落ちるのか。自分の体の特性を把握した上で、引き締めたい部分や脂肪を落としたくない部分に効く筋トレをするのが、ボディメイクの基本です」

理想のお尻って?トレーニングのカギは骨盤の向き

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お尻の形には、骨盤の向きも影響する。岡部さんは同書で骨盤の向きで取り組むべきトレーニングやその順序が異なることを説明している。

「お尻の下側ラインは脂肪が形作るものですが、これには骨盤の向きが関係しています。骨盤が後傾ぎみで猫背の場合は、どんなに筋トレに励んでもお尻の下側のラインはきれいに出ないんです」

一方、お腹の力が抜けていて、骨盤が前傾気味の場合、お尻を鍛えていなくても、お尻下のラインがくっきりきれいな人も。ただし、腰に負担がかかる姿勢をしているということでもあるので、努力なしでいいとは言い切れない。

「まずは骨盤の向きのチェックしましょう。壁に頭、お尻、かかとを付け、壁と腰の間に手を入れて。ニュートラルな状態なら、手の指の第二関節を曲げたくらいのスペースができます。前傾しすぎていると拳が入り、後傾していると手のひらを入れるのが難しいはずです」

”美尻の魔術師”とも呼ばれる岡部友さんに、トレーニングのコツをうかがった。

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岡部さんが著書『美尻トレ 究極のヒップメイク』で紹介するトレーニング法は、お尻の筋肉を「ほぐして、伸ばす」「刺激を与えて、目覚めさせる」「鍛える」の3ステップ。

「ほとんどの人がお尻の筋肉を使うべきときに、代わりに周辺の筋肉を使ってしまっているもの。トレーニングを効果的に行うためにはまず、普段から酷使している筋肉をほぐしたり、伸ばしたりすることで、刺激が入りやすくする必要があります」(岡部友さん。以下、「」同)

周辺の筋肉とは、背骨と脚の付け根、骨盤と脚の付け根を結ぶ「腸腰筋(ちょうようきん)」や、太もも裏の「ハムストリングス」、お尻側面の筋肉「中臀筋(ちゅうでんきん)」など。

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骨盤が前傾している場合は腸腰筋、後傾している場合はハムストリングスが必要以上に収縮している可能性があり、トレーニング前にここを伸ばす必要があるという。

「伸ばすときは、反動をつけないように気をつけましょう。ほぐすときは、心地良い痛みを感じるように行うのがコツです」

美尻を目指す女子は、次の「STEP1」のエクササイズにトライを。呼吸6回で30秒を目安に、じっくり呼吸をしながら行って。

A:腸腰筋をほぐす(前傾・後傾)

【1】うつ伏せで上半身を起こした姿勢に
【2】脚の付け根からおへその横当たりまで、テニスボールを押し当てて、刺激しながら、30秒ほど移動させる。このとき、両ひざを90度に曲げると、刺激がわかりやすい
【3】反対側も同様に

B:腸腰筋をほぐす(前傾のみ)

【1】右ひざを立て、左ひざを付いた姿勢に。膝の角度は共に90度が目安
【2】左手を上げ、おへその左横から股関節の付け根までの筋肉を伸ばす。ゆっくり呼吸をしながら、30秒キープ
【3】反対側も同様に

C:ハムストリングスをほぐす(前傾・後傾)

【1】床に両脚を伸ばして座り、両手を体の後ろにつく
【2】右脚を折り曲げ、左ひざの上にのせる。右ひざの角度は90度が目安
【3】左の太ももの下にテニスボールを押し当て、脚の付け根から膝裏あたりまで、刺激をしながら30秒ほど移動させる
【4】反対側も同様に

D:ハムストリングスを伸ばす(後傾のみ)

【1】仰向けになって右ひざを曲げる
【2】左の足裏にタオルをかけ、胸に引き寄せるようにして、天井方向へ上げる。そのまま30秒キープ
【3】反対側も同様に

E:中臀筋をほぐす(前傾・後傾)

【1】ひざを立てて床に座り、両手を体の後ろに付く
【2】右脚を折り曲げ、左ひざの上にのせる。右ひざの角度は90度が目安
【3】左側のお尻の下に、テニスボールを置き、30秒キープ
【4】反対側も同様に

続いて、刺激を与えて目覚めさせる「STEP2」をご紹介。

STEP2 お尻に刺激を与え、目覚めさせる

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初心者でも簡単にできるのが、写真の「クラムシェル」。やり方は、床に横向きに寝て、ひざを軽く曲げて、両脚を重ね、上側のひざをゆっくりと持ち上げる。ひざが一番上にきたら、3秒キープしてから元の位置へ。

「あまりに凝っていて激痛を感じるところがあるので、そこを探して、心地いい痛みになるまで行うのがコツ。『息を吸えないレベルの痛みを感じる』を、『息はできる状態』にするのが目安ですね」

STEP2は週2〜4回、できるのなら毎日するのがオススメとか。

「クラムシェル」のやり方を詳しく【チェック!】

 

最後は、お尻を鍛える「STEP3」の”美尻トレ”をご紹介。

STEP3 お尻を鍛える

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お尻を鍛えるエクササイズは、今回、2種類をご紹介。ひとつ目は、お尻と太ももの境目に効く「片足ルーマニアンデッドリフト」

まずは、右ひざを曲げて、足を椅子の上に置き、左脚だけで立つ。このとき、股関節を曲げて、お尻を突き出す(写真)。この姿勢から上半身を起こしていく。ただし、直立するのは一瞬で、すぐに元の姿勢に戻って。

「片足ルーマニアンデッドリフト」のやり方を詳しく【チェック!】

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次は、お尻の上側の筋肉を養うのに役立つ「ヒップスラスト」

スタートの姿勢は、お尻を下げた状態で座り、固定された椅子やソファなどの角にもたれた状態。お尻は床から少し浮かせておく。その姿勢から上体を後ろに倒し、背中が平行になるまで、お尻を持ち上げ、3秒キープ(写真)。

「ヒップスラスト」のやり方を詳しく【チェック!】

「重力で垂れ下がるお尻は、重力以上の負荷をかけないと本当には育ちません。慣れてきたら、ダンベルや水を入れたペットボトルを持つなどして、どんどん負荷を加えていきましょう」

美尻を目指す人はさっそく習慣にして。

 

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監修:岡部友(おかべ・とも)

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おかべ・とも。1985年12月6日、横浜市生まれ。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。アメリカで運動生理学、解剖学を学び、大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーの資格を取得。

帰国後、女性専用パーソナルトレーナーを経て、2016年3月、女性専用のフリーウェイトジム「Spice up Fitness(スパイスアップフィットネス)」を東京・南青山にオープン。2017年9月、原宿に2店舗目をオープンした。著書に、『美尻トレ 究極のヒップメイク』(文藝春秋)