不調改善

【残暑の温活】体調不良招く“冷えを撃退!食事と衣類のコツをプロが伝授

異常に猛暑日の多かった今夏は、冷房や冷たいもので涼んだ人も多いでしょう。でも、9月に入った今も同じように体を冷やしていたら、将来思いがけない体調不良を招いてしまうことに…。

体が冷えている人と温活している人のイラスト
内臓の冷えは体調不良の原因に!(イラスト/ナガサキ アキラ)
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冬は冷えに敏感な人でも、夏の間はつい油断をして冷えに対して無防備になりがち。

「冷房生活が当たり前になった現代の日本では、実は冬より夏のほうが冷えている場合があります」というのは、著書に『冷え症・貧血・低血圧』(主婦の友社)がある目黒西口クリニックの南雲久美子さん。

屋外などで大量に汗をかいたあとは、とくに注意が必要だという。冷房が効いた部屋は、一瞬は涼しく気持ちいいが、すぐに汗を拭きとらないと、冷えた汗が急激に体を冷やしてしまうことになる。

「女性は一般的に男性よりも熱を作り出す筋肉量が少なく脂肪が多いのですが、脂肪は熱を作り出すことができません。また生理周期でも体温が下がるため、女性には冷え症の人が多いのです。体が冷えると自律神経が乱れ、血流や水分代謝も悪化。加えて、暑い夏は冷たいものを多く摂りがち。そうなると、排出されない水分が体内に溜まって中からも体を冷やし、胃腸の働きを低下させます。冷えを放置すると、将来さまざまな疾患が起きやすくなります」

アイスコーヒー
冷たい飲み物が好きな人も要注意!
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今夏はとくに暑かったので、熱中症対策として適度な冷房や水分補給は必要。だが、残暑の時期でも「冷房の効いた部屋にいることが多い」「お風呂はシャワーでサッと済ませている」「アイスコーヒーなど冷たい飲み物が好き」「熱いからと体を動かさない」「サンダル・素足で過ごすことが多い」「アイスクリームやケーキなど乳製品を食べることが多い」といった生活が日常的になっている人は、気づかないうちに冷えが体に蓄積しているかも…?

冷えが蓄積すると…
・トイレに行く回数が多くなる
・便秘がちになる
・やる気が起きない
・緊張しやすくなる
・めまいや頭痛が起こる

毎日のちょっとした心がけで、冷えを撃退!

夏や残暑の冷えの予防は、【1】内側から冷やさない。【2】外側から冷やさない。【3】冷えたら温める。【4】冷えない体づくりがポイント、と南雲さん。

「とくに体温が低い朝には冷たいものを摂らない、外出時は上着やストールを持ち歩き、エアコンの効いた部屋ではサッと羽織るといった、心がけが大切です。長時間いるオフィスなどで下半身が冷える場合は、つま先立ちやスクワットなどの適度な運動をすると、冷え解消に効果的です」

つま先立ちをしている女性の足
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蓄積した冷えがさまざまな症状に

日常生活の中で体に溜め込んだ冷えは、年齢とともに症状が積み重なり、さまざまな不調となって表れる。とくに甘く見ると怖い残暑の冷え。将来の自分の体を守るためにも、冷やしすぎない生活を! 冷えによる症状は、加齢とともに積み重なっていく…。

【20代】
肌荒れ、髪のパサつき、爪の不調、生理不順

【30代】
頭痛・めまい、むくみ、便秘・下痢

【40代】
動悸、不眠、イライラ

【50代】
閉経を境に子宮や膀胱のトラブル

【60~70代】
頻尿

「食」で温める!

今こそ意識して体を温める料理、食材を取り入れて。温かいものを口にすると芯が冷えていることに気付くはず!

体を冷やすといわれる夏野菜だが、実は水分代謝を促してくれる食材。熱や塩を加えれば夏野菜も冷えの改善につながる。著書に『毎日使える薬膳&漢方の食材事典』(ナツメ社)などがある日本中医学院講師で薬膳料理家の阪口珠未さんは、こう話す。

「お腹が冷えていたり、むくみがあるなら、とろみがあって体の芯から温まるオクラのスープがおすすめです」

体が1日の熱を作り出せるように、朝食を抜かずにしっかりと食べることも大切だ。

「穀類や豆類、鶏肉などのたんぱく質、また発酵食品やスパイス類も体を温めてくれますよ」(阪口さん)

そこで、阪口さんに、利尿効果と滋養強壮効果で冷えを撃退するメニューを教えてもらった。

オクラのガンボ、豆乳チャイ、鶏ささ身がゆ
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【鶏のささ身がゆ】
【1】鶏ささ身200gに塩少量をすり込み2時間ほどおき、酒大さじ3を振りかけて、電子レンジ(500W)で2分加熱(サラダチキンでも可)。
【2】冷ました【1】を一口大にさき、温かいおかゆに盛り付ける。好みであさつきや生姜のみじん切り、白ごまなどをのせる。

【オクラのガンボ】(4人分
【1】玉ねぎ1個、セロリ1本、にんにく3片はみじん切り、トマト2個はさいの目、オクラ3袋は小口切りにする。鶏もも肉300gは1.5㎝角に切り、ケイジャンスパイスミックス小さじ2と塩少量を振って揉んでおく。
【2】鍋に油を熱し鶏肉を炒め、火が通ったらにんにく、玉ねぎ、セロリを加え炒め、チキンストック1000㏄を加えてくたっとするまで強火で煮る。
【3】トマト、オクラを加え、ふたをして弱火で30分ほど煮る。ケイジャンスパイスミックス、塩適量で味を調える。

【豆乳チャイ】
紅茶のティーバッグを豆乳で煮出し、好みでシナモン、クローブなどを振り入れる。甘みは体を冷やさないはちみつやメープルシロップ、黒糖で。

体を冷やすから乳製品や砂糖はNG!

乳製品や白砂糖たっぷりのケーキやソフトクリームなどは、体を冷やす食品。甘いものが食べたくなったら和菓子か、体を温めて夏バテ予防にもなるドライフルーツを積極的に。

【ドライフルーツビネガー】

ドライフルーツビネガー
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【1】なつめ、くこ、レーズン各30g用意(なつめは種を取り1㎝角に切る)。ざるに入れて熱湯を回しかける。
【2】保存瓶に【1】を入れ、水150㏄とレモン汁45㏄を注ぐ。レモンの皮を適量削り混ぜ入れる。1日で食べ頃に。

薬味を積極的に摂って体を温める

ビールに冷奴、刺身など体を冷やす食べ物、飲み物には、しょうがやにんにく、みょうが、ねぎなどの薬味を添えて。殺菌作用のほか、体を温めて血流をよくする効果があり、この時期欠かせない食材!

【にらのしょうゆ漬け】

にらのしょうゆ漬け
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【1】にら50gは小口切りにし、しょうゆ小さじ2と酢小さじ1半を加える。
【2】フライパンに豆板醤小さじ1とごま油大さじ1を入れて弱火で熱し、香りがしたら火を止め、【1】に加えて混ぜ合わせる。

「衣」で温める!

レッグウォーマーを履く女性
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冷やさないように着込むと、かえって汗で冷えたり、あせもなどのトラブルも。涼やかかつ、上手に温める方法をご紹介。

「体の冷えを効率よく予防できる場所は、首のうしろ、お腹まわり、足首の3か所。服を着込まなくても、ここを意識して温めれば冷え知らず。冷えに悩んでいる人はこの部位が出ていることが多いんです」(南雲さん)

ただ、暑い屋外では、ストールを巻いたり、レッグウォーマーを着用する必要はない。家の中やオフィスなど、冷気のあたる場所で気をつければ、体を冷えから守ることができる。

「冷房や食生活の乱れなどで体が冷えると、体温維持が難しくなりがちです。風通しもよく、手軽に身につけられる温活衣料で、体を温める習慣をつけるとよいですね。女性は365日、温活習慣を!」(千趣会・広報の浅川亜由美さん)

●お腹まわりの冷えに

素肌にやさしいシルク100%腹巻付きショーツ
ハイウエストパンツでお腹の冷え知らず
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ムレずにお尻とお腹をすっぽり包み込む。腹巻き部分はリブ編みでゆったりフィット。素肌にやさしいシルク100%腹巻付きショーツ5886円/ベルメゾン

キレイラボ ラン型インナー
長丈インナーで腰を冷やさない
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完全無縫製(R)で、チクチクしにくく、快適にフィットする。キレイラボ ラン型インナー1512円/グンゼ

ウンナナクール ハラマキ
薄手の腹巻きでお腹を冷やさない
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伸びがよくお腹まわりをすっぽりと包み込む安心のデザイン。ウンナナクール ハラマキ1080円/ワコール

●首のうしろの冷えに

空気層をつくる麻混くしゅくしゅガーゼストール
軽くて薄い大判サイズで冷気から首をガード
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通気性・吸汗性がよく、サラサラとしてべたつかない。空気層をつくる麻混くしゅくしゅガーゼストール3002円/ベルメゾン

●足元の冷えに

シルクレッグウォーマー ショート
パンツルックでも足首の冷えを予防
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ショート丈なら、どんなファッションにもぴったり。シルクレッグウォーマー ショート1512円/タビオ

つま先5本指ハーフ、指切り5本指ハーフくつ下
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足指を開いて血液の巡りをよくし、冷えの原因となる指股の汗を吸着。ストッキング着用時に中に履けばムレ知らず。(左から)5本指切り引っ掛けカバー1404円、指切り5本指ハーフ756円、カテキン絹紡糸つま先5本指ハーフ756円/すべてタビオ

写真/菅井淳子

※女性セブン2018年9月20日号

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