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【オバ記者連載13】お見合い結果は? 72才会長見せた衝撃写真

当サイトがおくる好評連載『アラ還・オバ記者の悪あがき美容道中』。現在59才、バツイチ独身、自らを「女の崖っぷちから、一歩落ちている」というオバ記者ことライターの野原広子が、美容、ダイエットに奮闘し、女を磨く日々を綴ります。オバ記者が目指すのは、還暦を迎えるその日までに人生の伴侶をゲットすること! 第13回は、婚活サイトで知り合ってお見合いした72才「会社会長」K氏の衝撃の“素顔”について――。

K氏の会社をネットで調べてビックリした表情を浮かべるオバ記者

K氏の会社についてネットで調べてビックリした表情を浮かべるオバ記者(※そのときの様子を再現したらこうなりました)

* * *

「すっかり待たせちゃったねぇ」

小一時間たって、穏やかな顔でK氏が現れた。手にはB4サイズの茶封筒。そこから取り出したパンフレットを私の前に置いて、表紙を開いて見せたの。「誰か、わかりますか?」と指さした背の低いトンボ眼鏡の男は、若き日のK氏? で、握手しながら横に並んで立っている背の高い紳士は、間違いない。

「パパ・ブッシュ!」

「そう!」と、K氏は得意げに胸を張る。「どうして?」と聞くと、「これまでの取り引きを感謝して、招待してくれたんですよ。ずいぶん若いころですけどね」だって。「後ろの建物はホワイトハウス?」と聞くと、「いやいや。これはプライベートな家ですよ。ぼくは、あはは。見てください。緊張しちゃって、ロクに話もできませんでした」と言うの。

K氏の持ってきたパンフレットには、「グローバル化する世界と共に」の後ろに地球儀の写真。次はページは組織図と、主な取り引き先と…。手に取ってゆっくり見ようとしたら、「あ、これは差し上げますから持っていってください」と渡された。

「それで結婚をどう考えているんですか? 将来のことを考えると不安じゃないですか?」と、大きなテーブルの向うに足を組んで座るK氏は続ける。

「ぼくも今、ちょっと困っていることがあるんですよ。ひとつは家の問題です。敷地70坪弱の小さな家でも、ひとり暮らしは寂しくてねぇ。メールに書いたように渋谷区のマンションも持っていて、そっちもときどきは行かなくちゃならないし」

毎月の家賃に追われる身には、ノドから手。「あと、もうひとつは…」。ちょっと恥ずかしそうにうつむいて、何言うかと思えば、「アメリカ大統領が決まったら、ぼくが行かなくちゃならないんですよ、就任祝いの晩さん会に。それまでに相手を見つけないと。イブニングドレス? もちろんですよ。もし、もしですよ、一緒に行ってくれるなら、渡航費はもちろんですけど、ドレスのお仕立てもこちらで」。

ズンチャッチャ、ズンチャッチャ。晩さん会の踊りはワルツかしら、ズンチャッチャ。ふわふわのドレスをひるがえして踊る私が見えたような気がする。…と、そのとき。

K氏が持ちかけてきた話に驚きが…

「あ、そうだ。さっきうちの財務担当から電話があってね。今月末が決算で、ひと枠だけ残っているんだって。月末までに株を買うと、一年分、15%の配当をお出しできるそう。1000万円の投資で15万円だから大したことはないけど」って、ほーら、おいでなすった! K氏のこのひと言で、ピタリとワルツの音が止まり、私のモードも変わっちゃった。

そういえば、さっき見せられた会社のパンフレットも、町場の印刷やで簡単に刷ったような気がするわ。「いいお話ですねえ」と言いつつ、「でもそろそろ…」と身じまいを始めたら、「夕飯、どうですか? 神田の行き付けの寿司屋にご招待しますよ」と何度も。ならばと、再び会う時間を決めて、会社に戻った私はK氏の会社をネットで調べたわよ。ない。「慶応」に詳しい友達に電話をすると、「慶応に幼稚園はなくて、あるのは、幼稚舎。小学校からよ。その人、怪しいから気をつけて」。

それでも好奇心が勝ってしまうのが私の性分ね。神田に行って、寿司屋さんのカウンターに座ると、再びK氏は「さっきの話ね」と、投資話を始めたの。「三口くらい、どうですか? 3000万円で再来月の頭には、45万円の配当ですよ」。だから、「その3000万円はKさんのポケットマネーから出して、私は名義だけ貸すというのはどうですか? 配当が出たらKさんと私で半分こ」。K氏は「そうねえ」と言ったきりダンマリだ。

ここで黙っていればいいんだけどねぇ。「Kさん」。私は箸をおいて背筋を伸ばしたの。「私はKさんととても気が合うと思っているんですよ。なぜ、幼稚園から慶応なんて言うんですか?」って、あ~あ、言っちゃった。「何のこと?」と目をシバシバさせているK氏に「だから、慶応に幼稚園はないですよね?」と私。

「おれ、そんなこと、言ってねえよ」

「ぼく」が「おれ」になったとたん、K氏の目が鈍く光ったの。「これ以上は攻めるな」と私の中の野生が止めるので、あとは当り障りのない話。「ごちそうさま。楽しかったでーす。また、話しましょう」と握手して別れたけど、K氏とはそれきり音信不通よ。

思えば還暦まであと5か月。こんなことしている場合じゃないって!

オバ記者(野原広子)

1957年、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。

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