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豆乳の美容&健康効果|飲みすぎに注意!1日に飲む量の目安とは?

ここ10年、右肩上がりで生産量が増加中。気がつけば、スーパーの売り場も拡大している豆乳。いっこうに衰えぬ盛況ぶりに、「第3次ブーム」などという一過性を超え、新時代に突入した感がある。でも、「体にはよさそうだけど、おいしくなさそう…」な~んて飲まず嫌いのみなさん、いまこそ重い扉を開くときかもしれませんよ~。

大豆とグラスに入った豆乳の画像
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豆乳の種類と特徴は?

パック豆乳が誕生したのは1979年。健康志向も相まって、豆乳は「新しい飲み物」と一躍ブームに。だが…。

「大豆独特の青臭さが抜けきれず、残念ながら豆乳は『罰ゲームになるほどまずいもの』と、一気に人気が落ちてしまった」と振り返るのは、日本豆乳協会事務局長の川村良弘さん。2000年前後に再びブームが起こるまでの十数年間、各メーカーは味の改善に努めてきた。

「まずは、すべての豆乳飲料のベースである無調整豆乳をおいしくすることが最優先課題となりました」(川村さん・以下同)

◆豆乳は3種類ある

【豆乳(無調整豆乳)】
大豆固形分8%(大豆たんぱく質換算 3.8%以上)
調味料を用いず、大豆と水のみで作られる成分無調整のもの。大豆本来の味わいが特徴で、料理にも使いやすい。

【調製豆乳】
大豆固形分6%以上(大豆たんぱく質換算3.0%以上)
無調整豆乳に植物油脂や砂糖、食塩などを加えて飲みやすくしたもの。お菓子作りなどにも向いている。

【豆乳飲料】
【1】果汁入り:大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)
【2】その他:大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上)
調製豆乳に果物(上記【1】)や野菜、乳製品など(上記【2】)のフレーバーを加えたもの。凍らせて食べる方法も話題に。

上記は日本農林規格(JAS規格)により区分されたもので、大豆固形分(大豆から水分を除いた成分)がどのくらい含まれるかで分けられる。各商品のパッケージに明記されている。上記の通り、豆乳には3種の規格がある。最もシンプルな無調整豆乳がおいしくなければ、どんなに味を工夫しても意味がないというわけだ。

豆乳の国内生産量推移データ
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その後、努力は実り、大豆のえぐみや青臭さがなくなるなど味が格段に向上。再々ブームが到来し、いっとき“豆乳は体に悪い”という噂も流れたものの、すぐに誤解は払拭され、以来、順調に売り上げを伸ばしている。

「特に無調整豆乳をそのまま飲むだけでなく、スープにしたり、牛乳のかわりに料理などに使われる機会が増えたことで、10年で5倍の売り上げ増となりました」

豆乳の効果・効能は?大豆イソフラボンが活躍

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効能の面を見ると、豆乳に含まれる大豆イソフラボンには抗酸化作用(アンチエイジング)が、サポニンにはコレステロールを下げる作用がある。特に大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た成分のため美肌にもいいと人気だ。

医師の友利新さんはその効果をこう語る。

「イソフラボンの効果はその通りです。ただ、豆乳を飲んでも、イソフラボンをしっかりと分解し吸収できるのは、日本人の50%程度といわれており、すべての人に効果が出るわけではありません。ですが、豆乳にはイソフラボン以外にも、肌の構成部分であるたんぱく質が多く含まれています。積極的に摂取した方がいいのは間違いありません」

→豆乳の効果について詳しくはコチラ

ただし調製豆乳や豆乳飲料には砂糖が入っているため、飲みすぎは体重増加のもと。

「無調整豆乳を中心に、1日コップ1杯程度が適量でしょう」(友利さん)

豆乳のよさは「固形で摂るより効率よく栄養素を摂取できる点です」と言うのは、管理栄養士の松田真紀さん。だが、以前は松田さん自身、甘い豆乳が苦手だったという。

「あるとき、無調整豆乳を飲んだらおいしい!と感動。そこから好きになりました。豆乳を飲み始めてからは内臓への負担が少なくなったせいか胃腸が軽くなり、肌の調子もいいですね」(松田さん・以下同)

特に更年期の女性には、健康のためにもおすすめだとも。

「この時期から女性はコレステロールと中性脂肪が急増し、それが疾病につながります。動物性脂肪を減らして、豆乳の大豆たんぱくなど植物性脂肪に置き換える必要があります」

大切なのは飲み続けること。

「夜はホットで飲めばリラックス効果があります。豆乳の健康効果を上げるため、さまざまな栄養素を持つ食材と合わせてみたのですが、意外とどんなものとも合うんです」

1日1杯。状況に応じて使い分けるといいようだ。

教えてくれたのは…

●友利新さん…内科・皮膚科医。現在、都内2か所のクリニックに勤務する傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・テレビなどで展開中。

●松田真紀さん…管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。企業やスポーツ団体、一般向けに栄養指導やセミナーを行う。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)が好評。

※女性セブン2020年3月26日・4月2日号

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