ヘアケア

コロナ禍で髪に悩む人急増!薄毛を解決する最新植毛&幹細胞を使ったエイジングケア

生活環境が変わると、普段は気にならないことに気がつくことが多い。自宅に居る時間が増えるこの時期、急に大掃除をしたり、建て付けの悪い家具を直したり。外見もその1つで、薄毛を気にする女性が急増しているんだとか。早速、最新治療法の現場を覗いてみよう。

鏡を見ながら分け目を気にする中年女性の写真
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女性の薄毛の原因とは?

新型コロナウイルスの新規感染者数が増え続けている影響で、いまもリモートワークを継続している企業は多い。「出勤しなくていいのでラク」と思いきや、オンライン会議の機会が増えたことで、女性たちの間に意外な悩みが浮上しているという。

「急に薄毛が気になりだしたんです。オンライン会議ではパソコン画面に胸から上が大きく映し出されるでしょう?同僚の女性がうつむいた瞬間に頭頂部が見えて、『けっこう薄いんだ!』ってビックリしてしまって。私も以前から髪が減ってきたのが気になっていたので、同じように思われているのかも…って気が気じゃなくて」(52才・メーカー勤務)

◆コロナ禍で薄毛に悩む女性が急増

このような薄毛の悩みを持つ女性がいま、エイジングケアのために、クリニックに殺到しているという。

そもそも女性の薄毛の原因はいったい何なのだろうか。東京・表参道で毛髪治療を行う『アヴェニューセルクリニック』の医師・辻晋作先生は、原因には男女差があると語る。

「女性の場合、全体的に髪が細く薄くなり、頭頂部の頭皮が目立つことが特徴です。閉経後は女性ホルモンの分泌が減り、男性ホルモンが優位になる影響を受けるためだと考えられていますが、閉経前でも脱毛し始める人もいますし、ストレスが原因のこともあります。若いときの過度なダイエットや、髪にダメージを与え続けることも脱毛につながります」

間葉系幹細胞を使ったエイジングケアが注目

 アヴェニューセルクリニックで治療した60代女性のビフォーアフター(5か月後)
アヴェニューセルクリニックで治療した60代女性のビフォーアフター(5か月後)(クリニック提供)
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悩める女性の強い味方として注目されているのが、間葉系幹細胞を使ったエイジングケアだ。幹細胞とは、失われた細胞を再生し、組織を補充する能力を持った細胞のことをいう。

「幹細胞は大きく2つに分類されます。1つは、血液や筋肉、どんな臓器の細胞にでもなれる『多能性幹細胞』で、iPS細胞やES細胞と呼ばれるのがこれです。もう1つが『組織幹細胞』で、新しい筋肉や軟骨、骨、脂肪などに分化する能力を持った細胞です。私たちが使っている間葉系幹細胞はこちらの種類になります」(辻先生)

間葉系幹細胞は、現在、国内で唯一臨床応用されている幹細胞だという。

「かつては骨髄から採取していましたが、近年、研究が進み、脂肪にも多く存在することがわかりました。そのため、より採取が簡単で組織量も豊富な脂肪由来の間葉系幹細胞が治療細胞として注目されています」(辻先生)

◆幹細胞を用いて毛量が増えるメカニズム

幹細胞を用いて、毛量が増えるメカニズムとはいかなるものなのだろうか。

「髪の毛には、周期があります。成長期から退行期、休止期を経て脱毛、そしてまた生え始めます。薄毛の人は、この成長期が短くて、休止期が長いんです。そこで、幹細胞を注入することで、周期を正常に戻してあげます。すると、成長期が長くなるので、しっかり太い毛が大量に生える健康な状態に戻るわけです」(辻先生)

治療痕も目立たない。おへその中を5mmほど切開して、米粒1~2粒ほどの脂肪を採取し、3~4週間かけて約1億個の幹細胞を培養。薄毛が気になる部分に、培養した幹細胞を注射で投与する。

「投与から2か月ほどで変化を感じ、3~4か月すると満足のいく変化が得られる人が多いです。再生医療は、投与した場所を健康な状態に戻すため、薄毛対策だけでなく、髪の毛のハリやコシがなくなってきた人にも効果的です」(辻先生)

自毛移植治療「NC-MIRAI法」とは?

毛先をつまんでいる
写真/Getty Images
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ただ、幹細胞を使った治療は毛を生やすわけではないため、生まれつき毛が生えていない場所に投与しても効果はない。そこで、美容のための植毛としていま、注目を浴びている別の治療法がある。それが植毛専門クリニック『親和クリニック』が行う『NC-MIRAI法』(ナチュラルカバーリングミライ法)だ。

親和クリニックは、東京、名古屋、大阪、福岡にクリニックを展開し、日々、美容目的で訪れる女性への植毛治療を行う。東京・新宿院だけでも月50名の患者が訪れているそうだ。

NC-MIRAI法は、自分の健康な髪を細胞ごと移植する自毛移植治療。メスを使わず、施術痕が目立たない上に短時間で行えるため、究極の施術方法といわれている。

「後頭部の健康な髪を細胞ごと植毛するため、半永久的に生え続けます。しかも、生え際のヘアラインの修正もできるため、小顔効果を狙えるのです」(親和クリニック新宿院の医師・水村奈央先生)

水村先生によれば、ヘアラインの悩みを抱えた女性は少なくないのだという。

「前髪のヘアラインは、男性は四角く、女性は丸みを帯びているのが一般的。顔の印象を左右する大切なパーツなだけに、『角張っていて女性らしく見えない』とか、『おでこが広い』『生え際がガタガタ』など、多様な悩みが寄せられています」(水村先生)

◆「NC-MIRAI法」の具体的な治療方法

親和クリニックで治療した20代女性のビフォーアフター(1年後)
親和クリニックで治療した20代女性のビフォーアフター(1年後)
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NC-MIRAI法の特徴の1つが、すべて医師による手作業で行われること。移植毛が健康な状態であるかどうかを見極め、毛の生え方や流れを考えて自然な仕上がりを実現できるのは、手作業ならではの職人技だ。

移植では、超極細のマイクロパンチブレードという機器を用いて、植え付ける場所に0.63~0.65mmの移植ホールを開ける。このホールを可能な限り小さくすることで痛みが少なく、術後の傷が目立たないという。加えて、自毛を採取する部分へのケアも行き届いている。

「通常、メスを入れない自毛移植では、移植する髪はまずバリカンで刈り上げてから間引くように採取します。一方、NC-MIRAI法は髪を刈り上げず、はさみで少しずつ裁断しながら医師が移植する髪を見極めて採取します。そのため、施術翌日には、日常生活に復帰できるほど自然な仕上がりで、女性にも大人気です」(水村先生)

◆生え際を1cm下げるのも日帰り施術が可能

ヘアライン修正の場合、生え際を1㎝下げるなら1000株程度の移植が必要だ。その場合の所要時間は、採取に約1時間、移植ホールを作るのに1時間、植毛に1時間ほど。日帰りで施術できる。

「施術後、移植した髪が1か月ほどで抜けますが、4か月後には次の髪が生え始め、1年後には満足のいく仕上がりになっています」(水村先生)

移植した髪の細胞が頭皮に定着し、正常に発毛する確率を生着率という。NC-MIRAI法では、ダメージの少ない細胞を短時間に移植するため、移植後の生着率は90%以上を誇るという。

「植毛のいちばんの効果は、自分に自信が持てるようになること。これまでにも多くの患者さんから『仕事でも堂々とプレゼンができるようになった』とか『積極性が出て、異性との出会いが増えた』など、うれしい報告を受けています」(水村先生)

人と会う機会が少ないいまは、職場や友人に気づかれにくく施術にはうってつけと考える人が少なくないという。コロナ禍のうちに、自分をアップデートしておくのもいいかもしれない。

※女性セブン2020年7月23日号

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