不調改善

やせる人、太る人の食生活の違いとは?食事の回数が多い人ほどデブ菌が増える

緊急事態宣言の全面解除から2か月。いまだに「コロナ太り」を引きずっていないだろうか。世の中には、太ってもすぐに戻る人もいれば、そもそも太らない人もいる。しかし、それは「不公平」ではなく、些細な差だとわかった!

自粛生活で「やせた」人も

渡辺直美さんの全身写真
コロナ自粛中、横になってゲームばかりする生活で5kgもやせたという渡辺直美
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新型コロナウイルス感染者が再び増加している。菅義偉官房長官は、この状態が悪化すれば緊急事態宣言を出す恐れもあると示唆しており、再びの「ステイホーム」待ったなしの状況だ。

誰もが初めて経験した長期にわたる「外出自粛生活」では、「コロナ太り」が世界的な関心事となった。しかし、一方で、「自粛期間中にやせた」という声もある。

◆渡辺直美は「コロナやせ」

タレントの渡辺直美(32才)は、自粛期間中にリモート出演したバラエティー番組で、19時から翌朝9時まで寝転びながらオンラインゲームをし、その後、18時まで就寝して、起きたら食事というゲーム漬けの生活で5kgもの「コロナやせ」をしたと明かした。世間でも、ダイエットに一切配慮しない生活を送りながら「コロナやせした」という人は意外にも多い。

“運動できない”という条件は同じなのに、なぜ特別なことをやらなくても「やせる人」と「太る人」に分かれるのだろうか。そこには自粛生活でわかった、ある「境界線」があった。

日本人の3人に1人が太りやすい遺伝子を持つ

ごはんやみそ汁、焼き魚などの和食がテーブルに並んでいる
写真/アフロ
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身長や顔立ちなどと同様に、「体形」もある程度は生まれつきの体質として決まっている。結核予防会総合健診推進センター所長の宮崎滋さんが解説する。

「いまから25年ほど前、ネイティブアメリカンのピマ族には、変異した『β-3アドレナリン受容体』という遺伝子が多いことがわかりました。本来、その遺伝子は、脂肪燃焼に働きかける肥満を防ぐ遺伝子ですが、変異すると200kcalほど基礎代謝が低下することがわかっています。遺伝子に変異のない人と比べ、毎日200kcal余分に食べているのと同じ状態です」

200kcalは、ご飯茶碗1杯程度だ。ピマ族と同じく、モンゴロイド系である日本人も、約3人に1人がこの太りやすいタイプの遺伝子を持つという。

◆遺伝で太りやすくなる人も

母親の胎内にいる間に、太りやすくなる遺伝子のスイッチが入る場合もある。

「DNAが親から子供に受け継がれることを遺伝と呼びます。その遺伝子情報が実際に発動するか否かは、胎生期の条件でも変わってきます。たとえば、お母さんがガリガリにやせていて栄養状態が悪い場合、赤ちゃんはお腹の中で、『外の世界には食べ物がない』と誤解します。すると、低栄養状態でも耐えられるように遺伝子に組み込まれ、脂肪をたくわえやすい体質で生まれてくる。ところが、いざ生まれてきたら食べ物は余るほどあるので、太りやすく、糖尿病になりやすいといわれています」(宮崎さん)

現在、遺伝子から体質改善を目指す研究が世界中で行われている。残念ながら、まだ解明されていないことが多いが、悲観することはないと宮崎さんは続ける。

「3割くらいは遺伝による影響も受けますが、太るかどうかは体質がすべてではありません。食事や運動などの生活習慣の方が、よほど肥満に影響を与えます」

外食や加工食品を食べるより自炊の方がやせる

テイクアウトの食事がならんでいる
外食や加工食品の添加物を摂取しなくなるだけで、あっさりやせる人もいる(写真/ピクスタ)
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「コロナ自粛前は家で食事をする余裕もなくて、コンビニや外食で簡単に済ませていた夫が、リモートワークになってから急にすっきりやせ始めたんです」

都内に住む藤澤晴美さん(仮名・40代)は不思議そうに話す。しかし、藤澤さんの夫のようなケースは、老若男女関係なく、よく見られるという。日本体育大学体育学部准教授の岡田隆さんが話す。

「外食や加工食品は、よほど注意して選ばない限り、高カロリーで塩分過多なものばかりです。バリバリ働いていたサラリーマンが、退職して自炊するようになったらやせたという話はよくあります」

前述した渡辺直美も、「自粛前は100%外食だったが、自炊するようになった」と話していることから、食生活の改善が「コロナやせ」につながったと考えられる。

◆食生活が乱れている人ほどやせやすい

つまり、食生活が悪い人ほど、やせる“伸びしろ”があるということだ。医学博士の山下あきこさんが言う。

「外食や加工食品には添加物を使っていることがほとんどです。なかでも、『果糖ぶどう糖液糖』という人工の糖は、野菜や果物の糖分とは違ってダイレクトに体に吸収され、内臓脂肪や皮下脂肪になりやすい。外食していた人ほど、自炊によって添加物から離れることができます」

スーパーの総菜やテイクアウトもたまにはいいが、ダイエットには手料理が最強だ。

食事回数が減るほど「デブ菌」が増える

自粛期間中、動いていないのに食べることに罪悪感を覚え、食事回数を減らした人もいるだろう。だが、それは逆効果だ。宮崎さんが指摘する。

「空腹の状態から食事をすると、血糖値が一気に上昇して、それを下げるためにインスリンが必要以上に分泌されます。インスリンは血糖値を下げる過程で血中の糖分を脂肪に変え、体に脂肪を蓄積してしまいます。しかも、食事回数を減らしたからと安心して、“ドカ食い”する人が多い。食事は3回以上に分割した方がやせやすいと科学的に証明されています」

“ドカ食い”さえしなければ、食事の回数を減らした方がカロリーの摂取量が少なくなってやせそうな気がするが、そうではない。岡田さんが言う。

「食事を抜くと、少ないカロリーでも活動できるように、体が“省エネモード”になって基礎代謝が下がります。結果、カロリーを消費しきれずに太ってしまう」

◆「やせ菌」を増やすには1日24gの食物繊維

体が省エネモードになる理由は、エネルギー代謝にかかわる栄養素の「タイムリミット」も関係している。

「筋肉をつくるたんぱく質や、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群は、3~4時間ほどで体内からなくなってしまいます。小分けにして食事をしなければ維持できません」(山下さん)

さらに、まとめ食いは腸内環境を狂わせ、「デブ菌」を増やす。山下さんが続ける。

「腸内には、『デブ菌』と呼ばれる『ファーミキューテス門』、『やせ菌』と呼ばれる『バクテロイデス門』があります。やせ菌は食物繊維をえさにして増え、食物繊維が不足するとデブ菌が増えます。『やせ菌』を増やすには1日約24gの食物繊維が必要ですが、それはキャベツ100gで約2g、納豆1パックで8g程度しか摂れません。1食で摂取するのは、なかなか難しい」

食事の回数は多い方がいいからと、だらだら食べすぎればもちろん太るので要注意。

美容&健康のため「1日2Lの水」は適切か?

きゅうりの漬物が器にならんでいる
きゅうりは9割が水分(写真/アフロ)
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美容や健康のため、「1日2L」が理想とされる水だが、運動量が減る自粛期間には必ずしも適切とはいえない。

「水を飲むと血流や細胞が活発になって代謝が上がります。普段なら、水をたくさん飲んでも汗や尿で抜けていくのですが、運動量が極端に減っているときに2Lも飲むと、一時的ではありますが、むくみの原因になりかねません」(岡田さん)

◆水は食べ物からの摂取も可能

水を飲む適正量は一概には決められない。水は食べ物から摂取することもできる。山下さんは、野菜を食べることで一石二鳥だと話す。

「きゅうりなど緑の野菜には『クロロフィル』という成分があり、水を細胞内にためる役割をします。野菜にはビタミンや食物繊維も豊富で、水だけ飲むよりも効率的です」

夕食が「メイン」の人は太る!?

朝食を家族で楽しそうにとっている
コロナ禍の家族だんらんは「夕食」から「朝食」にチェンジ(写真/アフロ)
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夕食を「家族だんらん」の時間にするのはいいが、ごちそうを並べるのは危険。

「『BMAL1』というたんぱく質の一種は、増加するほど脂肪を体にためやすくします。BMAL1は体内時計と連携していて、22時から夜中2時に最も増加する。寝る前に食べると太るのはそのためです」(宮崎さん)

リモートワークによって通勤時間が不要になると、朝の時間にゆとりができる。夕食ではなく「朝食」を家族だんらんの時間にした人は、やせることができたはずだ。

「胃腸を動かし、体にエンジンをかけるのは『朝食』です。よく噛んで、ゆっくり食べればインスリンの分泌も減ります」(宮崎さん)

※女性セブン2020年7月23日号

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