不調改善

人によって適切な時間は異なる!自分に合った睡眠時間を探すコツ

いかによく眠るか──これはいま、多くの人に共通する大きな課題になっている。その証拠に睡眠に特化したユニークな専門店が次々に現れ、コロナ禍でも賑わいを見せている。大塚家具は東京・銀座に世界中の寝具を集めた8階建ての“眠りの殿堂”『IDC OTSUKA BedroomGalleryGINZA』を9月にオープン。石川・金沢の寝具専門店『石田屋ガマダン』は「一晩眠って確かめられる」宿泊体験型ショップの併設が大きな話題を呼んでいる。

適切な睡眠時間は人それぞれ(写真/GettyImages)
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寝具だけではない。何時から、どのくらいの時間、何を着て眠るべきか…睡眠に関する疑問や悩みはつきない。実際、江崎グリコが男女1万人を対象に行った調査によると、過半数が「睡眠に悩みがある」と回答している。

そこで気になってくるのが、日中人並み外れたパフォーマンスを発揮している天才たちはどう眠っているのかということ。偉人らの眠りについて調べてみると、意外な事実が判明した。

女性がたっぷり眠るべき理由

“天才”と名の付く歴史上の人物の睡眠には、“時間”に特徴があることが多い。発明家のトーマス・エジソンは、1日に4時間しか眠らなかったという。革命家のナポレオンや科学者の野口英世もまた、3時間睡眠のショートスリーパーだったという記録が残っている。短時間睡眠が日常だった天才たちはみな男性だが、そもそも睡眠に性差はあるのだろうか。

銀座内科・神経内科クリニック院長の霜田里絵さんは、「女性の方が眠気を感じやすい」と話す。

「一般的に、女性の方が低血圧の人が多く、朝すっきりと起きにくく、午前中は眠気やだるさを感じる人が多いのです。加えて、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの影響で、生理前や生理中は眠くなりやすいのも女性特有の睡眠傾向といえます」(霜田さん)

1万人以上の睡眠の悩みを解決してきた快眠セラピストで睡眠環境プランナーの三橋美穂さんも、女性は睡眠時間が長くなる傾向にあると指摘する。

「女性は男性に比べて筋肉量が少ない分、代謝が悪くなりやすい。そのため体温が低くなりがちで、冷えが原因で熟睡できない人が多いのです。睡眠の質が低いと、不足分を時間で補おうとするため、結果として睡眠時間が長くなる傾向にあります」(三橋さん・以下同)

◆朝型か夜型かは遺伝子によって決まっている

エジソン
発明王・エジソンは4時間の睡眠(時事通信フォト)
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質の低さゆえに長い睡眠時間を必要とするならば、逆に質が高い睡眠を取れば数時間しか寝ない生活を送ることは可能なのだろうか。

「近年の研究で、生まれつき睡眠時間が短くても健康に影響のない人は、人口の約0.5%しかいないことがわかりました。残念ながらこれは遺伝子レベルで決まっているので、努力や習慣によって短時間睡眠に変えることは困難です」

ショートスリーパーは、まさにそれ自体が“天賦の才能”なのだ。また、活動の時間帯が「朝型」か「夜型」かも遺伝子で決まっているという。

「人間には生まれつき持っている時計遺伝子があり、例えば『夜中3時に寝て午前10時に起きると調子がいい』といった超夜型生活の人が、朝5時に起きる生活は続けられません。 自分に合った時間や就寝スタイルは人それぞれ。朝起きるのが遅かったとしても社会生活を問題なく送れているのであれば、無理をして早起きする必要はないのです。

長時間睡眠を心がける天才たち

ショートスリーパーが目立つ一方で、充分すぎるほどの睡眠時間を取って才能を発揮する著名人も少なくない。古くは相対性理論で知られるアインシュタインが10時間寝るロングスリーパーだったと伝えられている。

「経済評論家の勝間和代さん(51才)やニュースサイトのハフポスト創始者、アリアナ・ハフィントンさん(70才)など、活躍する女性には7~8時間眠ることを自分に課している人が珍しくありません」

アインシュタイン
ロングスリーパーだったアインシュタイン(時事通史フォト)
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◆勝間さん、台湾のIT大臣も「8時間睡眠」

勝間さんは仕事のパフォーマンスを維持するために、1日8時間の睡眠をまず確保し、“残りの16時間で何ができるのか”を考えるという。

35才という史上最年少で入閣し、台湾のIT担当大臣としてコロナ禍で辣腕を振るった唐鳳(オードリー・タン)さん(39才)も「問題を考えながら眠り、起きたときには答えが出ている」と語り、多忙な日々のなかでも、毎日8時間の睡眠を確保しているという。

“熟考”を常とする将棋や囲碁の世界でも、長時間睡眠の天才が目立つ。王位と棋聖の2タイトルを最年少で獲得した藤井聡太二冠(18才)の睡眠時間は10時間。過去のインタビューでは《割と朝が弱いので、9時くらいに起きています。寝るのは(午後)11時から11時半くらい》と夜型であることを明かしている。「11才の天才囲碁少女」こと仲邑菫初段も対局前は11時間睡眠だというから、現代は「天才ほどよく眠る時代」なのかもしれない。

自分に合った睡眠時間の見つけ方

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三橋さんは「そもそも日本人女性の睡眠時間は、世界的に見ても短い」と指摘する。

◆布団にいる時間を30分ずつ変える

「一般的に50代までの女性なら7~8時間、60代以降は6~7時間の睡眠がベスト。布団に入ってもなかなか寝つけない人や反対に日中眠気を感じてしまう人は、就寝時間を変え、自分に合った睡眠時間を探してみるのがいい。

コツは、布団にいる時間を30分ずつ変えること。不眠気味の人なら、睡眠時間を短くする。布団に入ると気絶するように眠ってしまい朝まで目覚めないという人は、睡眠負債がたまっている可能性があるため、長く眠ってみるといいでしょう。1週間続けて体調が改善すれば、それが自分に合った睡眠時間です」

※女性セブン2020年11月19日号

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