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【63歳オバ記者のリアル】92歳母ちゃんの施設入所へ向け準備「コロナ禍で春まで会えない…」

バツイチ独身のライター・オバ記者(63歳)が、趣味から仕事、食べ物、健康、美容のことまで”アラ還”で感じたリアルな日常を綴る人気連載。224回目となる今回は前回に続いて、施設に入所することになった母ちゃん(92歳)のことについて。

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弟が22歳で建てた実家はとにかく寒い

92歳の母親の入退院騒ぎで、この2か月で何回、茨城の実家と東京のマンションを行き来したかしら。

茨城の風景
写真6枚

高校卒業と同時に上京してから、あっという間に45年。私は63歳、母親は92歳になっちゃった。

それはともかく、宮大工を目指していた弟が22歳で建てた実家は、断熱材を入れたのかどうか。冬の寒さといったら、夜中に飛び起きるほど。晩年の義父はどんなに笑われても寝るとき、必ず馬面に手拭いでほっかむりしていたもんね。

笑いごとではすまないのが、大動脈瘤が3つあり、意識障害を薬で抑えている92歳の母ちゃん。いくらなんでもこの環境での越冬は厳し過ぎる。

施設入所のために所持品に名前を

それで、12月4日から来年3月まで老健(介護老人保健施設)に入居することになったんだけど、指定された持参品の多さといったら海外旅行以上。

名前を書いた靴下
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入浴セット5つ、普段着3セット、靴下5足、パジャマ5枚…。そのすべてに所定の場所に名前を書き込まねばならない。

「これだけでひと仕事だなあ」とボヤいたら、あら、聞こえた? なんと母ちゃんが自分で名前入れをしだしたの。入居する気まんまん!(私の旧姓は山崎)

母ちゃんといっしょに老健を見学した末の弟の妻によると、「明るくて見晴らしが良くて、何より入居している老人がオシャレなのよ。新入りのお母さんもキレイなかっこうをしていないと、イジメにあっちゃうかもよ」と母ちゃんを笑わせ、ニットのカーディガンを選んでくれた。

オバ記者の母
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とはいえ、コロナ禍で入居したら完全な面会謝絶だ。決められた日にリモートで会話できるらしいけど、どうなることか。春までリハビリをしながら生き抜いて欲しいなあ。母ちゃんも、来春になったら家に帰って畑仕事をすると言っている。

田舎のよさは古い友人とのつながり

田舎のいいところは、小学校からの友だちがいること。「あら、ヒロコちゃん、帰ってきたんだ」と、「おかきカフェ」の店長をしているKちゃんは、いつでも子供の頃からの呼び方で迎えてくれる。

喫茶店で仕事をするオバ記者
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今回はそこにパソコンを持ち込んで仕事をさせてもらった。パソコン画面から目を離すと、雲がたなびき、山が見える。

喫茶店の前に立つオバ記者
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コロナ禍は私たちの日常を根こそぎ壊しつくそうとしているけど、子供のころから変わらない山と空がある。

小山駅のホームの立ちそば店で、きざみネギ60円をトッピングした天ぷらそば390円をすすりながら、そんなことを思っていた。

天ぷらそば
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オバ記者(野原広子)

1957年生まれ、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。一昨年、7か月で11kgの減量を達成。

●【224】92歳母ちゃんが施設に入所へ|コロナ禍の現実を思い知る

●【223】母親譲りの「捨てられない私」を返上してみる

●【222】体力の衰えを感じる日々「やるじゃん、私」は続かない…

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