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市販のルーで作るカレーを美味しくするコツとレシピ[料理家・江口恵子さん]

家庭料理の定番・カレーライス。もはやおなじみすぎて、自己流や昔聞いた裏ワザで作っていませんか? でも、「市販のルーはすでに完成された味なので、箱のレシピ通りに作るのがいちばんおいしい」(カレー総合研究所代表・井上岳久さん)という。

とはいえ、もっとうまくく作る方法はないのだろうか。人気の料理家・江口恵子さんがカレー作りの基本をおさらいしつつ、絶対においしくなるコツを伝授。意外な料理ポイントはまさに目からウロコ。市販のルーを使っているのに、おいしさ倍増。おうちカレーが劇的に変化しますよ!

テーブルにカレーライスが置いてある
写真19枚

おうちカレーの基本の作り方

《材料》(6皿分)

カレールー…115g
肉…250g
玉ねぎ…中2個
じゃがいも…中1 1/2個
にんじん…中1/2本
サラダ油…大さじ1
水…850ml

◆この市販ルーで作りました!

ハウス食品『バーモントカレー』
ハウス食品『バーモントカレー』230g
写真19枚

→バーモントカレーについて詳しくはコチラ

《基本の作り方》

【1】具材を切る
肉、野菜はひと口大に切る。

ひと口大に切った具材
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【2】炒める
厚手の鍋にサラダ油を熱し、【1】の具材を炒める。

カレーの具材を鍋で炒めている
中火で炒める
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【3】水を入れ、煮込む
あくを取り、具材が柔らかくなるまで、沸騰後約15分煮込む。

炒めたカレーの具材が入った鍋に水を入れている
弱~中火で煮込む
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【4】ルーを入れる
一度火を止め、ルーを割り入れて溶かす。

鍋にルーを入れている
一旦、火は止めて
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【5】煮込む
時々かき混ぜながら、とろみがつくまで約10分煮込む。

カレーを煮込んでいる
弱火で煮込む
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下ごしらえのコツ

◆肉は炒める前に塩・こしょうを振る

「肉は炒める前に少量の塩・こしょうを振り、全体になじませておきます。炒めたときに表面が早く固まり、肉の旨味を閉じ込められます」(江口さん)

肉に下味をつけている
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◆じゃがいもは皮つきで調理すると煮崩れない

じゃがいもが煮崩れると、カレーの味がぼやけるという声も。「皮をよく洗い、皮つきのまま調理すると崩れにくくなります」(江口さん)。

皮付きのじゃがいも
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炒めるコツ

◆玉ねぎはしんなりすればOK

「市販のルーにはすでにコクが凝縮されているので、玉ねぎをあめ色まで炒める必要はなし。しんなりする程度でOKです」(江口さん)

玉ねぎをほかの具材と一緒に炒めている
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具材を煮込むコツ

◆あくは2~3回きちんと取る

「あくは具材の雑味。2~3回取るのがおすすめ。強火だといくらでもあくが出てくるので、煮込むときは弱火から中火に」(江口さん)

あくをとっている
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◆はちみつを入れたら20分以上煮込む

「隠し味にはちみつを加える場合、入れて20分以上煮込みます。酵素がルーのでんぷんを分解するので、加熱が短かいと、とろみがつきません」(『レストラン中台』オーナーシェフ・中台義浩さん)

はちみつを鍋に入れている
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ルーを入れるときのコツ

◆火を止めて鍋を濡れ布巾に置いて1分待つ

「高温のままルーを入れるとルーの小麦粉が膜を作り、溶けにくくなるので、必ず火を止めてから。鍋を濡れ布巾の上に置くと、1分程で適温まで下がり、時短に」(井上さん)

カレーの具材を煮込んだ鍋を布巾の上にのせている
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隠し味のコツ

◆ジャムで味が激変!とろけるチーズでマイルドに

「隠し味として仕上げに、カレー6皿分ならフルーツジャムを大さじ1~2加えると、甘味と酸味が加わり味に奥行きが出ます。味がまろやかになるとろけるチーズもおすすめ」(江口さん)

イチゴジャムとチーズ
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実は間違っていたカレーの常識Q&A

Q.ルーはミックスした方がおいしくなる?

A.混ぜない方がおいしい

「ルーはそれぞれが完成された味なので、混ぜない方がおいしいですよ。混ぜると各ルーならではの個性が薄まってしまいます」(井上さん)

 

いくつものルーを入れているイラスト
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Q.カレーは次の日がおいしくなる?

A.作りたてがいちばんおいしい

「時間が経つとスパイスの荒々しさが抜けてまろやかになるのは確かですが、風味が弱くなるのでまろやかが好みの人は『熟カレー』や『こくまろ』など、煮込まれた味わいのルーを選ぶのがおすすめ」(井上さん)

次の日のカレーにバツ印がついているイラスト
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Q.冬は鍋のまま放置して翌日に食べてもOK?

A.余ったカレーは冷蔵か冷凍保存を

「カレーは食中毒の原因となるウエルシュ菌が増殖しやすい料理。常温で置かず、あら熱が取れたらすぐに容器に小分けにして、冷蔵か冷凍で保存を」(江口さん)

カレーが入っている鍋をコンロにそののままにしているイラスト
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ちょっとだけ余ったルーはキーマカレーに

◆手早く簡単なのにウマイ

使い切れなかった固形ルーを活用するなら、キーマカレーにするのがおすすめ。

「みじん切りの野菜とひき肉を使うので煮込む必要がなく、忙しいときにもすぐ作れます。合いびき肉でコクも満点。そのほか、ルーを細かく刻んでチャーハンや焼きそばなどに混ぜると、簡単にカレー風味が楽しめますよ。開封したルーは冷蔵庫で保存を」(江口さん)

キーマカレー
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《作り方》(2人分)

【1】玉ねぎ中1個、にんじん・セロリ各5cmは、みじん切りにする。
【2】フライパンに油大さじ1を熱し、【1】をしんなりするまで中火で5~6分炒める。合いびき肉130gを加え、塩少量を加えて炒める。ひき肉の色が変わったら火を止め、カレールー1~2片(種類によって差があるので好みで)を加えて溶かし、全体に絡める。
【3】再び火にかけ、好みのジャム大さじ1を加えて更に1分ほど炒める。
【4】器にご飯適量を盛り、【3】を盛り付け、あればミニトマト、パセリのみじん切り、スライスアーモンドなど各適量をのせる。

教えてくれたのは:江口恵子さん

料理家・フードスタイリスト江口恵子さん
料理家・フードスタイリスト 江口恵子さん
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料理家・フードスタイリスト。料理教室『ナチュラルフードクッキング』とカフェ『ORIDO』を主催。素材の特徴を引き出し、シンプルな調理法で、おいしい家庭料理を提案。https://natural-foodcooking.jp/

撮影/豊田朋子 イラスト/川上真理子

※女性セブン2021年1月21日号
https://josei7.com/

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