趣味・カルチャー

【63歳オバ記者のリアル】コロナ禍の青森で見た現実、この先どうなってしまうのか…?

バツイチ独身のライター・オバ記者(63歳)が、趣味から仕事、食べ物、健康、美容のことまで”アラ還”で感じたリアルな日常を綴る人気連載。233回目となる今回は、オバ記者が緊急事態宣言下、向かった青森についてレポートします。

* * *

できる限りの感染対策をして出発

緊急事態宣言が出る中、仕事のため青森にでかけてきた。予定は新青森駅に昼過ぎに到着して、夕方4時過ぎの新幹線でとんぼ返り。往復8時間かけて、滞在時間、3時間半だ。

青森で用事を済ませる間も、誰とも会わない、話さない。マスクを外さず、できる限りの感染対策をして、体ひとつ、日帰りで帰ってくるというものだ。

新幹線

調べたら、JR東日本の『大人の休日倶楽部パス』が発売されている。ご存知の人も多いと思うけど、『大人の休日倶楽部パス』は、JR東日本内なら新幹線も含めて4日間乗り放題が1万5270円の、50歳以上限定のチケットだ。新青森まで新幹線で行けば、片道1万7670円。半額以下で帰ってこれる。経費面で大いに助かる、と思ったのだが、のちのち、とんでもないことになる。

新幹線が東京駅に入線してきた。ホームには、それぞれの車両の前に、数えられるほどの人だ。車内清掃が終わるのを待ちながら、車体に目が釘付けになった。いまさらだけど、日本の新幹線ってなんてきれいなのかしら。どこを見てもピカピカ、キラキラだ。

新幹線の車内

乗り鉄の私は20代の頃からいろんな国の鉄道に乗ったけど、程度の差こそあれ、どこの国も「何かあったの?」と聞きたくなるほど、車体が汚い。とてもじゃないけど、写真を撮る気になれないのよ。それが日本の新幹線は、コロナ禍でもこんなにきれいに車体を磨いている人がいる。そう思うと、胸が熱くなった。

あれ、チケットがないっ!

車内は、私のほか3人。車窓を眺めながらのんびり過ごすこと3時間半。乗り鉄の私にとってはあっという間に新幹線が新青森駅に滑りこんだ、と同時に記念に『大人の休日倶楽部パス』の写真を撮ろうと思いついてパシャリ。“とんでもないこと”は、この直後に起きた。

新幹線のチケット

新青森駅の改札口を出ようとして、さっき写真を写したチケットを探したけど、ない! バッグをひっくり返してみたけど、ナイ! 乗った新幹線の終点、新函館北斗駅に電話して車両を調べてもらう。ない!

てことは、降りるとき捨てたゴミといっしょに、チケットもポイ? こっちだと遺失物係とは別組織なので調べようがないんだって!

とりあえず新青森駅の改札は出してもらえたものの、チケットの再発行はできず、帰りのチケット代を払って帰京するしかない。

生来のおっちょこちょいに加えて、アラカンの限界か。だから、思いつきで何かをするもんじゃない。早め早めに次の行動の準備を始めないと、大失敗をするんだって、いくら自分を叱ってもどうにもならない。

駅の待合室の椅子で泣きそうになって座り込んでいたら、茨城の友人から電話があった。「まあ、いいべな。コロナ禍が終わったら、私がリベンジ旅に付き合ってやっから」。

持つべきものは友だちだ。この一言で立ち上がり、青森駅に移動して、本来の目的である仕事をこなした。終わったら、クタクタに疲れていた。朝から何も食べてなかったのよ。

ひとつボタンをかけ違えると、当初の予定がみんな崩れる。新幹線の時間を調べたら、終電一本前が今、出たばかり。このまま駅の待合室で1時間以上待って、最終電車に乗るか…。63歳の私にはその気力も体力も残っていなかった。

ホテル、居酒屋に人はほとんどいなかった

駅のベンチで、持参したポットのコーヒーを飲みながら、町の中心からちょっと外れたビジネスホテルをネットで予約した。1泊3960円。

アップルパレス青森

しかし、宿泊して良かったのかどうか。翌朝までとうとう私以外の客の姿を見なかったのよ。ホテルだけじゃない。夕飯のために入った、お兄さんひとりで切り盛りしていた広い居酒屋もそう。翌日、入った新青森駅の中のカフェもそう。たまたまその時間だけ客がいないのか。私は怖くて聞けなかった。

帰る間際、青森駅前の観光物産館「アスパム」の展望台に上がった。さすがにここには、ひと気があったけど、エレベーターに2人。展望台に2人ずつ、3組だ。

津軽海峡の景色

どピーカンの津軽海峡を見ていたら、チケットを無くしてくよくよしているのがバカバカしくなった、だけじゃない。東北は、この国はどうなっちゃうんだ?と、これまで思ったことのないような不安でいっぱいになった。

「ほんとにどうなっちゃうんでしょうかね」

勘定を払ったとき言った居酒屋のお兄さんの声が、耳から離れない。

大丈夫。あと1か月半で、春のお彼岸になれば、コロナ禍が収束して、人の行き来ができるようになる。大丈夫。

帰りの新幹線で夢うつつの中、そんな声を聞いた気がした。

オバ記者(野原広子)

1957年生まれ、茨城県出身。『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。一昨年、7か月で11kgの減量を達成。

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