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鶏胸肉もふわふわに!「塩糖水」でおうちごはん格上げレシピ[料理研究家・上田淳子さん]

塩と砂糖と水に漬けるだけで、パサつきやすい肉や魚がふんわりジューシーになると話題の「塩糖水漬け」。下味がしっかり入るので調味の手間が省け、おいしくなって鮮度も長持ちとイイこと尽くし! 発案者で愛用歴25年、書籍も話題の上田淳子さんに、塩糖水漬けの基本と鶏肉を使ったレシピを教えてもらいました。

お手頃価格だけどパサつきやすい鶏胸肉や鶏ささ身もふわふわの食感に。グンとおいしくなるので、低脂肪&高たんぱくでヘルシーな食事の味気なさも軽減できます。簡単なのに劇的においしい、しっとりふわふわの食感に驚きますよ。

電子レンジは600Wを使用しています。

塩糖水の作り方と効果とは?

欧米では「ブライン液」や「ソミュール液」と呼ばれる液体に塊肉を漬ける調理法を、日本の家庭料理に合うよう調整したのが“塩糖水漬け”。

「加熱すると硬くなりやすい肉や魚に水分をたっぷり含ませることで、驚くほどやわらかく仕上がります。下味がしっかり付いているので味が決まりやすく、噛むほどに旨みがあふれてとにかくおいしい!

肉なら4~5日、魚なら2~3日保存できるうえ、気になるくさみも取れて、新鮮さをキープできます。和洋中、何にでもアレンジできるので、まずはとりあえず漬けてみて!」(上田さん)

【塩糖水漬けのキホン】

◆材料は3つだけ
塩…小さじ2/3
砂糖…大さじ1/2
水…100ml

※漬ける肉や魚の量は200~300gが基本。

◆塩糖水の作り方

【1】塩糖水を作る
ポリ袋に塩、砂糖、水を入れ、空気を入れて上部を持ち、袋を振って溶かす。

袋を振って溶かしている
写真7枚

【2】塩糖水に漬ける
肉や魚を入れ、全体が液に浸るよう空気を抜いて結び、冷蔵室で3時間以上置く。味が染みすぎないよう、肉は3日、魚は2日漬けたら塩糖水を捨てる。

塩糖水に肉を漬けている
写真7枚

【保存期間】 肉は4~5日、魚は2~3日、冷蔵で保存可能。
【調理のポイント】 焼く、炒める、揚げる場合は、ペーパータオルなどで水気をしっかり拭くのがポイント。ゆでる、煮る場合は水気を切るだけでOK。

◆塩糖水の仕組み
肉や魚に塩が浸透すると筋繊維の間が広がって水分が入り、保水性の高い砂糖が水分をしっかりキープする。

「鶏胸肉のハムチーズ焼き」レシピ

味付けはこしょうだけ! 忙しい日のごちそうに最適。パンに挟んでもGood!

鶏胸肉のハムチーズ焼き
写真7枚

《材料》(2人分)

胸肉の塩糖水漬け…1枚(250g)
オリーブオイル…大さじ1
トマト…1個
ハム・スライスチーズ(溶けないタイプ)…各2枚
こしょう…適量

《作り方》

【1】鶏胸肉は皮を取り除き、水気をしっかり拭く。半分の厚さになるよう2枚に切り、厚い所は麺棒などで叩いて平らにする。
【2】フライパンにオリーブオイル小さじ1を中火で熱し、横半分に切ったトマトの切り口を下にして入れ、軽く焼いて取り出し、器に盛り付ける。
【3】フライパンをさっと拭き、残りのオリーブオイルを弱めの中火で熱し、【1】を入れ、片面1分半を目安に両面を焼く。
【4】火を止め、【3】の表面にハム、チーズを順にのせ、ふたをして再度中火にかける。チーズがやわらかくなったらトマトをのせた器に盛り、こしょうを振る。

「鶏ささ身のカレーピカタ」レシピ

ナゲットみたいにふんわりお弁当にもぴったり。天ぷら衣で揚げれば鶏天に!

鶏ささ身のカレーピカタ
写真7枚

《材料》(2人分)

鶏ささ身の塩糖水漬け…250g
カレー粉…小さじ1/2~1
小麦粉…適量
卵…1個
粉チーズ…大さじ11/2
オリーブオイル…大さじ1
サラダ菜…適量

《作り方》

【1】鶏ささ身は水分を拭いて筋を取り、厚さ1.5cmほどの斜め切りにする。鶏ささ身にカレー粉をまぶし、小麦粉を付けて余分な粉を落とす。ボウルに卵を溶き、粉チーズを混ぜる。
【2】フライパンにオリーブオイルを弱めの中火で熱し、鶏ささ身を卵液にくぐらせて並べ、片面2分ずつ焼く。焼きが足りなければ、さらに1分ほど焦がさないように火を通す。
【3】器にサラダ菜を敷き、【2】を盛り付ける。

「鶏胸肉のクリームソース」レシピ

蒸し汁もスープに活用しっとりしたやさしい味。蒸したままならお手軽サラダチキンに!

鶏胸肉のクリームソース
写真7枚

《材料》(2人分)

鶏胸肉の塩糖水漬け…1枚(250g)
酒…大さじ2
水…大さじ4
マッシュルーム…1パック(100g)
ブロッコリー…4房(70g)
生クリーム…1カップ
塩・こしょう…各適量

《作り方》

【1】鶏胸肉は15分ほど室温に置く。
【2】フライパンに酒、水、【1】を入れ、ふたをして中火で蒸す。煮立ったら鶏胸肉を裏返し、再度ふたをして弱めの中火で7分加熱する。火を止め、そのまま10分置いてから鶏胸肉を取り出し、粗熱が取れるまで置く。
【3】蒸し汁が残った【2】のフライパンに(残っていない場合は分量外の水大さじ2を加える)薄切りにしたマッシュルーム、粗く刻んだブロッコリー、生クリームを入れて中火にかける。煮立ったら弱火にし、野菜に火が通ったら塩、こしょうで味を調える。
【4】【2】を食べやすく切って器に盛り、【3】をかける。

【ナムプラー糖水】でエスニック風味にアレンジ!

塩糖水をアレンジした『ナムプラー糖水』もおすすめ。作り方は、塩糖水の分量で塩の代わりに「ナムプラー大さじ1」を入れるだけ!

◆「鶏ささ身のエスニック揚げ」レシピ

ビールのお供にヤミツキ必至。鶏胸肉を使えば唐揚げ感覚に!

鶏ささ身のエスニック揚げ
写真7枚

《材料》(2人分)

鶏ささ身のナムプラー糖水漬け…250g
小麦粉・揚げ油・パクチー・レモン…各適量

《作り方》

【1】鶏ささ身は水気をしっかり拭き、1.5cm幅の斜めそぎ切りにする。
【2】揚げ油を高めの中温(180度ほど)に熱し、【1】に小麦粉をまぶし、2分ほど揚げる。
【3】油を切って器に盛り、ざく切りにしたパクチーとくし形切りにしたレモンを添える。

教えてくれたのは:料理研究家・上田淳子さん

料理研究家の上田淳子さん
料理研究家・上田淳子さん
写真7枚

ヨーロッパでの修業経験を生かした普段使いできる家庭料理が人気。昨年出版した『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』(世界文化社)が大好評。

撮影/鈴木泰介 スタイリング/片野坂圭子

※女性セブン2021年2月11日号
https://josei7.com/

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