ココロのケア

考え事で胸が苦しい、動悸…不眠がちなときに「桂枝加竜骨牡蛎湯」【漢方でカラダケア】

「最近、自粛ばかりで思うようにリフレッシュできていない」「人間関係に悩みが多く、お金や将来のことを考えると心配なことばかり」…こうした悩みについて考えていると動悸がして、夜もぐっすり眠れないということはありませんか?

頭をおさえる女性
Ph/Getty Images
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不安や心配が多く、動悸があり、不眠をともなう人には、漢方薬の「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」がおすすめと、薬剤師の西林聡裕さん。

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 45包

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 45包(画像は公式HPより)

そこで、桂枝加竜骨牡蛎湯はどんな体質の人に合う漢方薬なのか、どんな効果があるのか詳しく解説してもらいました。

* * *

桂枝加竜骨牡蛎湯ってどんな漢方薬?

◆桂枝加竜骨牡蛎湯はこんな漢方薬

桂枝加竜骨牡蛎湯は以下のような人におすすめの漢方薬です。

□疲れやすい
□元気がない
□不安感が強い
□イライラしやすい
□緊張しやすい
□動悸がする
□ストレスをよく感じる
□よく夢を見て熟睡できない

桂枝加竜骨牡蛎湯は、胃腸虚弱で疲れやすい、風邪を引きやすいなど、虚弱体質の人がストレスなどの疲れにより、精神的に不安定になっているときにぴったりの漢方薬です。

漢方医学では、不安や心配からくる動悸や不眠の症状は、「心」に栄養を送る「血」が少なくなった状態と考えます。漢方医学で言うところの「心」は「神志と血(脈)をつかさどる」といい、精神や意識を調節し、食べ物から作り出した「血」を循環させる、いわゆる心臓と同じ役割があります。

桂枝加竜骨牡蛎湯は、「気」を補い、めぐらせてくれるので、「心」は正常な活動ができるようになります。すると、動悸が解消し、「血」の流れが改善することで疲れや倦怠感を解消してくれます。さらに、虚弱や疲れからくるイライラや不眠などの精神状態を解消します。

◆桂枝加竜骨牡蛎湯に効果を感じた人の事例

48歳の女性に桂枝加竜骨牡蛎湯を提案した事例を紹介します。

役所勤めの彼女は、見た目は色白で痩せ形、性格は物静かで声には張りがなく、仕事ではいつも誰かのフォローを黙って行う、やさしさをもつタイプです。新しい部署に異動になり、地域住民からのクレームや新しい職場の人間関係に疲れているといいます。

机に突っ伏して寝る人
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3か月前より胸のみぞおちのあたりがしめつけれられるような違和感と痛みを感じ、1か月前より、食事の約2時間後にだんだんと胸が苦しくなる動悸の症状が出始めた、とのことでした。

はじめは胃に問題があるのかと思い、かかりつけのクリニックで血液検査や胃カメラの検査をしてもらったそうですが異常は見つからず、胃薬を処方してもらったそうです。しかし、病院から処方された胃薬を服用しても、あまり改善が見られなかったとのことで、ご相談を受けました。

不安が強いタイプで夜もあまり眠れないとのことだったので、桂枝加竜骨牡蛎湯をご提案しました。服用後は、2週間後にみぞおちの痛みが少し改善し、1か月後には痛みや違和感、食後の動悸がほぼなくなったとのことでした。

さらに、気分もなんとなく落ち着くことが増え、夜も眠れるようになってきたそうです。その後、クリニックからもらっていた胃薬は中止したそうですが、経過は良好。漢方薬を続けて半年後には症状がすっかり解消したそうです。

胸の苦しさや動悸に加え、不安感や不眠といった症状に、桂枝加竜骨牡蛎湯の効果がしっかりと出た事例です。

◆桂枝加竜骨牡蛎湯に含まれる生薬

桂枝加竜骨牡蛎湯には7つの生薬が含まれています。

ザルに盛った大棗
Ph/Photo AC
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まず、精神を安定させる「竜骨(りゅうこつ)」「牡蛎(ぼれい)」と、冷えのある体を温め、のぼせなどの気が頭に滞った状態(気逆)を改善する「桂皮(ケイヒ)」、気を補い胃などのの調子を整える「生姜(ショウキョウ)」「大棗(タイソウ)」「甘草(カンゾウ)」が主な生薬です。

また、虚弱体質や精神的ストレスが強いかたは腹直筋の過度な緊張がみられることが多く、「芍薬(シャクヤク)」「甘草(カンゾウ)」の働きにより、緊張の緩和を期待できます。

漢方薬とはそもそもどんなものなの?

漢方薬は、古くから不調改善のために使われている薬です。主に単一成分の合成薬とは違い、さまざまな効能を持つ複数の生薬の組み合わせで作られています。

5種の生薬や花とお茶
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その特徴の1つは、体にやさしく働く点です。自然の成分で構成された漢方薬は副作用が少ないことが知られていますが、さらに、一人ひとりの症状や体質に合わせて、組み合わせを考えて使用するため、より体にやさしく働くのです。

さらに、たくさんの自然成分によって体全体をよい状態に導くことを目的としているので、いくつもの症状に対して1つの漢方薬で対応できる場合がある点も特徴といえるでしょう。

また、漢方薬は長い歴史の経験のなかで、心身の不調や苦痛の原因の多くが体質に起因することを見出しました。そして、その体質を改善することが根本的な解決につながると、多くの症例で証明しているのです。

言い換えれば、漢方薬というのは、誰もが本来もっている「自然治癒力」を上手に引き出し、不調をまねかない体質に変える働きをする、ということです。

さらにうれしいのが、「簡単に生活に取り入れられる」という点でしょう。栄養バランスのよい食事を毎日作ったり、頑張って運動をしたりするのは苦手というかたでも、漢方薬なら、症状や体質に合ったものを毎日のむだけでいいので、手間をかけずに続けられます。

漢方薬を始めるときの注意点

漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用するときは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

漢方茶のイメージ
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クリニックや漢方薬局は敷居が高いというかたには、オンライン個別相談がおすすめです。AI(人工知能)と漢方のプロフェッショナルが効く漢方薬を見極めて、ご自宅まで届けてくれる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談・AI漢方(http://kamposupport.com/anshin1.0/lp/)なら、スマホで気軽に頼めます。

桂枝加竜骨牡蛎湯で不安や不眠にサヨナラ!

不安や不眠、動悸などに効果のある「桂枝加竜骨牡蛎湯」は、以下のような人におすすめです。

・疲れやすく不安や悩みが多い
・緊張しやすく動悸がある
・ストレスから来る、イライラなどのメンタルの不調がある
・夜ぐっすり眠れない

社会で頑張る女性は、大きさを問わずとも、少なからず悩みを抱えているものです。心配や悩みごとが多いのは単なる性格や性分ではなく、「心」が弱っている状態かもしれません。桂枝加竜骨牡蛎湯で健やかな毎日を過ごしましょう。

教えてくれたのは:薬剤師・西林 聡裕さん

西林 聡裕さん
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にしばやし・としひろ。1981年千葉県生まれ。薬学部卒業後、調剤薬局にて薬剤師として従事し、店長、管理薬剤師などを経験。その後、人々に合う真の健康を模索するため医療業界を多面的に活動。所有資格は、研修認定薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師、公認スポーツファーマシスト、日本抗加齢医学会指導士、NR・サプリメントアドバイザーなど多数。現在、既存の医薬品だけでなく、日本古来の漢方薬から最新のサプリメントまで幅広い知識で各々に合う体調改善を提案している。
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