更年期

更年期は人生を見直すチャンス、まずは「不調のメカニズム」を知る

顔がほてる、太りやすくなった、抜け毛が気になる、気持ちが落ち込んだりイライラすることが増えた…。気がつけば、心と体の不調に悩んでいませんか?

ベッドで頭を抱える女性
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その原因は、もしかしたら女性ホルモンの急激な減少のせいかもしれません。それによって起こる40代から50代に起こる更年期の症状は、自分とじっくり向き合い、これまでの生活習慣を見直すチャンスです。そのために、まずは正しい知識を持つことが大切といえるでしょう。

婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子さんに、更年期について教えてもらいました。

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更年期は思春期と同じく誰もが通るゆらぎの時期

閉経の前後各5年、合計約10年間を更年期といいます。女性の平均閉経年齢は約50歳。個人差があり、早い人は40代前半に、遅い人は55歳を過ぎて閉経するケースもあります。

初潮の前後に思春期があったように、閉経前後に更年期になる。どちらも女性ホルモンの急激な変化で心と体がゆらぐ時期なのです。最初は更年期だということをなかなか受け入れられない人もいらっしゃいます。でも、更年期は誰しも訪れるもので、変化を受け入れることが大事になってきます。

◆そもそも女性ホルモンってどんなもの?

ここからは具体的な更年期の仕組みについてお話ししていきましょう。

そもそもホルモンとは、体内で分泌される物質で、私たちの体がきちんと機能するように働いてくれているものです。100種類以上あると言われており、そのうち主に卵巣から分泌されるのが女性ホルモンです。

お腹の前でピンクのハートを持っている
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女性ホルモンには2種類あり、ひとつはプロゲステロンという体温を上げたり、食欲を増進、さらには妊娠を維持するホルモン。もうひとつが、更年期の女性に特に影響する、「美のホルモン」とも呼ばれるエストロゲンです。

エストロゲンの働きは実にさまざま。肌のハリを保つ、筋肉量や骨量をキープする、血管をしなやかに維持する、粘膜をみずみずしくする、心のバランスを整えるなどなど。女性の若々しさ、美しさを守るバリアのような働きをしているのが、エストロゲンなのです。

◆たったスプーン1杯の女性ホルモンが女性の体を大きく揺り動かす

女性の体を整えるために大活躍の女性ホルモンですが、生涯の分泌量はティースプーン1杯ほどと言われています。このごくわずかなホルモンによって、女性の美と健康は大きく揺さぶられることになるわけです。

更年期障害は脳の混乱が引き起こす自律神経の不調

女性ホルモンの分泌量のイメージグラフ
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女性ホルモンは脳からの指令を受け、卵巣で分泌されます。女性ホルモンの分泌量のピークは20代後半で、30代後半から徐々に低下していき、更年期に激減し閉経に至ります。加齢によって卵巣機能が低下してくると、脳が「女性ホルモンを出して!」とミッションを送っても、うまく分泌されなくなります。「働け!」「もうムリ!」そんなせめぎ合いの中で脳が混乱して、自律神経にも影響が及びます。

頭がもやもやしているイメージイラスト
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なぜなら、自律神経とホルモンの司令塔は同じ場所にあるから。女性ホルモンの分泌を司っているのは脳の視床下部というところで、ここは自律神経をコントロールする働きもしているのです。

そして、自律神経のバランスを崩し、ホットフラッシュ(顔のほてり、のぼせ、発汗)や動悸、さらには不安感を感じたり、イライラ、息切れ、不眠といった症状を引き起こしてしまうのです。これらの症状は人によってまちまちですが、日常生活に差し障りが出るほどになると「更年期障害」と呼ばれ、治療が必要となってきます。

更年期には今まで通りにできないことも増えてきますが、自分をいたわり、これまでの生活習慣を見直すいいチャンスととらえましょう。趣味などなにか取り組めることを見つけるのもいいと思います。症状が出てつらいこともあると思いますが、後ろ向きにならないで、どう残りの人生を生きていくかを考えるきっかけにしてほしいと思います。

教えてくれたのは:成城松村クリニック院長・松村圭子さん

松村圭子さん
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まつむら・けいこ。1969年生まれ。日本産科婦人科学会専門医。成城松村クリニック院長。広島大学医学部卒業。広島大学附属病院などの勤務を経て、現職。若い女性の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を心がけ、アンチエイジングにも精通している。生理日管理を中心としたアプリ「ルナルナ」の顧問医。西洋医学のほか、漢方薬やサプリメント、各種点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。著書に『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『これってホルモンのしわざだったのね』(池田書店)など多数。https://www.seijo-keikoclub.com/

構成/森冬生

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