スキンケア

「ライン使い」がベスト? 50代が基礎化粧品を選ぶときのポイント、おすすめ成分

肌のお手入れをするとき、化粧水、乳液、クリームなどをすべて同じブランド・同じシリーズでそろえる“ライン使い”がいいとは聞くけれど、セットで買うと値段が高くなって、なかなか手が出にくい…と思っていませんか?

並んだ化粧品など
Ph/Getty Images
写真5枚

医学博士で、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生が、基礎化粧品のライン使いについて解説。また、ライン使いをしなくとも、上手に肌のケアをする方法も教えてくれました。

* * *

化粧品のライン使いは効果的なのか?

若いときは、化粧品と乳液、ジェル状の美容液くらいで、肌がしっかりと潤っていたかと思いますが、50代を過ぎ、閉経を迎えた途端に肌が乾きやすくなります。

加齢による肌の衰えを感じているならば、しっとり系の化粧品を選び、クリームを重ねていただくのがベストでしょう。このとき、ライン使いをするのもいいですが、決してしなければならない、というわけではありません。

ライン使いは絶対にするべき?

化粧品会社や製薬会社の香粧品研究者は、ライン使いすることで肌への浸透効率が高まり、組み合わせることでトータルで効果を発揮しやすい処方設定をしています。ですから、気に入っている化粧品のブランドやシリーズがあれば、ライン使いをするのが無難だと思います。

けれど、すべてラインでそろえなくても、目的に合う美容液やアイクリームだけ少し高価のものを使うのでもかまいません。別のブランドやシリーズのものが、混ざってもほとんどの場合は大丈夫です。時々、相性が悪く、塗り重ねたクリームがボロボロ粉っぽくよれる「ヌードル現象」が生じることがありますので、その場合は組み合わせないようにしてください。

スキンケア選びのときに気をつけるべきことは、その商品が肌を荒らさないこと、しっかり保湿ができること、日焼け止めに関しては紫外線をブロックする機能がきちんとあること、という3点が大切。要はご自身の肌に合うものがベストです。

美容液が先、という説は本当?

「スキンケアの一番最初に美容液を塗るといい」という情報もあるみたいですが、これは化粧品の使用方法に従ってください。シリーズでライン使いするもので「この順番で」と指定されていれば、pH値、基材の浸透性などを化粧品会社が考えて調整しているからです。

化粧水をコットンにつけている
Ph/Photo AC
写真5枚

ライン使いでないならば、サラサラ→トロトロ→しっとりという順番で塗るのが、肌に浸透しやすくなるので基本としてください。

気になるシワやシミに…美容液やクリームのおすすめ成分

市販のものを買うとき、成分表示のチェックポイントが気になりますよね。おすすめのものをお教えします。また、選択に迷ったときは、美容皮膚科で相談してみてもいいと思います。

成分表示はここをチェック

シミやくすみを改善したいなら、炎症を抑えるトラネキサム酸は頼りになる成分です。軽微な炎症によって悪化する肝斑で悩むかたには特におすすめです。また、ビタミンCや、4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)も、美白効果があり安全性の高い成分です。

目元を気にする女性
Ph/Getty Images
写真5枚

毛穴や小じわが気になるなら、レチノールは優秀な成分です。これは市販化粧品に配合できる成分の中ではトップクラスにおすすめです。ターンオーバーを高めて、メラニンの排出を促します。ピーリング効果もあるので、毛穴づまりにもいいですし、長期に根気よくケアを続けると、真皮のコラーゲンが増えるので、少しだけ肌がふっくらします。ちりめんジワの予防にも効果的です。

抗シワ化粧品の使い方

レチノールを含んだ抗シワ化粧品は目回りや口周り専用のイメージがありますが、顔全体に塗ってもOKです。

美容液を握っている
Ph/Getty Images
写真5枚

保湿が目的だったら、セラミド、ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン、グリセリン、多糖類、アミノ酸などが入っているといいでしょう。

ドクターズコスメも視野に入れて

種類が多すぎ迷ってしまう、というときは、ドクターズコスメ(医療機関専用の化粧品)もコスパがよく、おすすめです。値段はデパコス(デパートコスメ)ほど高くなく、市販品には配合できない成分が入っていたり、成分の濃度が段違いに高かったりして高機能なので、一度相談してみるのもいいですよ。

医療機関の美白剤の鉄板は、メラニン合成をブロックしてくれる「ハイドロキノンクリーム」、「ルミキシルクリーム」です。それと少し高価ですが、新しくて高機能のものなら「シスペラ」をおすすめします。

教えてくれたのは:皮膚科医・慶田朋子さん

慶田朋子さん
写真5枚

銀座ケイスキンクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。メスを使わないエイジングケアをモットーに医療機器や注射によるナチュラルな若返りに定評あり。食と美容、健康など幅広い知識を持ち、現在は雑誌やテレビでも活躍。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)、『365日のスキンケア』(池田書店)などがある。銀座ケイスキンクリニック

構成/イワイユウ

●肌悩みが増える50代が選ぶべき化粧水|高価だからいいとは限らない…注意点とは?

●【スキンケアアプリ】肌診断や化粧品の成分解析も!美肌でいるための無料アプリ5選