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電気料金「市場連動型」の人は要注意!今年の冬は料金が高騰する可能性

毎月、固定費として支払わなくていはいけないもののひとつが電気料金。こまめに節電はしていても、大幅に電気料金を減らすことはできないと思っていませんか?

両手と電球のイラスト
電気料金の節約のカギは?(Ph/AC Photo)
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しかし“新電力”を使えば電気料金を抑えることができるんです! まだ耳なじみのない、新電力とはどんなものなのか、またお得になる電力会社の選び方について、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんにお聞きしました。

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“新電力”についての疑問。デメリットは?

これまで日本では、東京電力、関西電力、中部電力などの各地域を管轄する電力会社だけでしか電気の販売が行えませんでした。しかし2016年4月1日に電力の小売り全面自由化がスタートし、さまざまな企業が電気の小売り事業に参入。現在は、自分たちで好きな電力会社を選べるようになっています。

光熱費の計算のイメージ画像
そもそも新電力とは?(Ph/AC Photo)
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新電力って何?

そこで「楽天でんき」や「ソフトバンクでんき」、「auでんき」、「ENEOSでんき」といった小売り電気事業者が増えました。キャンペーンなどで、これらの名前を聞く機会も増えたのではないでしょうか。この制度によって登場した、小売り電気事業者のことを新電力と呼びます。

供給網は大手電力会社も新電力も一緒

新電力という名前から、電力会社を切り替えることに不安を覚える人もいると思います。しかし、電気の供給網は送配電を専門とする企業が提供しており、大手電力会社も新電力も同じものを使用しています。

例えば自分の家が停電したとしたら、それは新電力のせいではなく、その地域一帯が停電しているため。また、もし契約している新電力が倒産してしまったり、電力事業から手を引いてしまったりした場合は、エリアの主幹事(東京なら東京電力)が必ずフォローしてくれるので、新電力に切り替えたとしても、電気の供給には全く問題がありません。

お得になる電力会社の選び方。料金の動向にも注意

電力が供給されることには違いはないので、まず価格比較サイトなどで価格を確認してみましょう。

お得なキャンペーンや一本化のメリットを調べる

例えばauやソフトバンクなどは、携帯電話と電気、インターネット回線などと、業者を同一にすることでお得になるキャンペーンなどがあります。

また、ガス会社が電気を扱ったり、電力会社がガスを扱ったりと、電気・ガスの一本化ができる会社もあります。その場合、引っ越しの際の手続きが簡単になるというメリットもあります。

机に向かい、ペンを持っている女性
新電力のメリットは?(Ph/AC Photo)
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そのほかにはマンション単位で契約していれば割引があったり、「ENEOSでんき」にするとガソリン代が安くなったり、鉄道会社の新電力なら使用する沿線に応じた電車の定期代の割引があるなど、住んでいる地域や環境によって受けられるサービスはさまざま。ご自身のライフプランに合った会社を見つけましょう。

ただし、1年目はキャンペーンなどで安くなっていたとしても、それ以降の割引などがないとお得感も半減してしまいますので、1年目だけではなく、3年、5年の料金の比較をすることをおすすめします。

市場連動型かどうかをチェック

選ぶ際に要注意なのが、その料金プランが「市場連動型」かどうか。市場連動型プランは、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して、電気料金の単価が決まるという仕組み。電力には実は為替のような相場があり、その相場に沿って契約者の電気料金が上下するのが市場連動型プランです。

冬がものすごく寒ければ暖房の需要が増え、電気料金の相場も上がります。一方で、暖房をあまり使わない季節は安く使えているので、通年で見るとあまり大きな金額の開きはないんです。ただし、高騰した月の請求料金がものすごく高くなる可能性があるので、驚くこともあるかもしれません。市場連動型プランを契約した場合は、そういったことがあるということを把握しておくことが大切です。

火力発電所の煙突
次の冬は電力が不足するという(Ph/AC Photo)
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また、2021~22年にかけての冬季は、確実に電力が不足することが発表されています。これは、電力小売り自由化で、競争が激しくなり各電力会社がコストのかかる老朽化した火力発電所を休廃止していることなどが原因です。市場連動型に契約をしているかたは、電気料金の動向に注意するか、今のうちに契約変更をおすすめします。

契約時には必ず約款を読んで

そのほかにも、解約時に手数料がかかったり、2年契約・3年契約などの縛りがあったり、解約金がかかることが約款に記載されていることもあります。

また、紙の請求書や領収書を発行する場合に発行手数料がかかることも。電気会社に限ったことではありませんが、必ず約款を読んで、内容を理解、納得してから契約するようにしましょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。丸山さんのオフィシャルサイト「らくらく節約生活」

構成/吉田可奈

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