ヘアケア

そのシャンプーのやり方、実は髪にダメージ!毛髪診断士が解説するヘアケア習慣

シャンプーやドライヤーを“なんとなく”やっていませんか? やり方を間違えると、髪が傷んでしまうこともあるんです。毎日のことだから、髪へのダメージを減らす、正しい方法を知っておくことが大切です。

横を向いたロングヘアーの女性
ヘアケアの間違いが髪ダメージの原因に?(Ph/Getty Images)
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そこで、「頭皮と肌の専門店~希翠(きっすい)~」の店舗責任者で毛髪診断士の田邊未奈美さんに、髪へのダメージを少なくする方法を聞いてみました。少し習慣を変えるだけで、きれいな髪を手に入れることができるかもしれません。

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正しいシャンプーの仕方&朝シャンプーがNGの理由

なんとなくやっている人が多いシャンプーですが、正しい方法を知れば髪の調子は段違いです。まずはその方法からお話しします。

正しい髪の洗い方

シャンプーの方法ひとつで、乾かしたときの髪の立ち方がかなり変わります。きちんと時間をかけて、髪ではなく頭皮を洗いましょう。摩擦をかけすぎないように洗うのがコツです。

洗うときには爪を使うのはNGです。指の腹で頭皮を細かく揉むように洗います。泡立ちをよくしてからシャンプーをスタートすれば、泡がクッションになって、洗うときに髪の毛に摩擦がかかりにくくなります。同じシャンプーでも、洗い方を変えるだけで髪がきしまなくなることがありますよ。

朝シャンプーは要注意!

シャンプーをするタイミングも、髪への影響が大きいんです。とくに朝、シャンプーをしてから出かけている人は要注意です。

窓に向かって伸びをする女性
朝シャンプーは要注意!(Ph/Photo AC)
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シャンプーして皮脂が流れると、その後一定の量に戻るまでに時間がかかります。皮脂が少ないということは頭皮がむき出しになっている状態。しかも、足りていない皮脂をカバーするために、頭皮は逆に皮脂を出しすぎてしまいます。水分と違って蒸発しない皮脂は頭皮に蓄積してしまい、それがフケやニオイにつながります。

なので、朝シャンプー派の人は夜にシャンプーをするようにすれば、頭皮の環境がよくなるはずです。

ヘアケアのNG習慣と対策

髪の長さによって習慣づいているNGケア法もあります。もしやってしまっているという場合は、改善すると髪が格段に変わりますよ。

髪の毛はこすり洗いしない

髪の長い人は、髪の先からシャンプーを泡立てて、髪の毛同士をこするように洗っている人も少なくないです。摩擦をかけて洗うと、髪が痛み、乾かした後に髪がぱさつきやすくなってしまいます。

シャンプーをしている女性
シャンプーは頭皮を洗うように(Ph/Illust AC)
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摩擦が少なければ少ないほど、髪へのストレスがなくなってきれいに髪を維持できます。頭皮を洗うようにシャンプーをしていれば、毛先まで泡が流れていくので、こすり洗いしなくても十分きれいに洗うことができます。

髪を痛めづらいタオルドライのコツ

特に髪の毛が濡れている状態はとてももろく、ダメージを受けやすいため、摩擦につながるタオルドライも髪に悪影響を与えやすいです。髪の毛が濡れている状態でゴシゴシとタオルドライをすると、摩擦でトリートメントなどが取れてしまうんです。

もし美容室に行ってせっかくトリートメントをしたのに、1日で効果がなくなってしまったというときは、シャンプーの仕方はもちろんのこと、タオルドライの仕方も見直していきましょう! 手でがしがしと動かすのではなく、タオルで押さえるようにして水分をタオルに移しましょう。

両手の指で頭に触れている女性
5本の指で軽く頭をつまむように(Ph/Illust AC)
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また、髪の毛の短いかたはタオルドライで髪の毛をはさみこむことが難しく、ゴシゴシとしやすい傾向があります。水分は頭皮側に溜まりやすいので、5本の指で軽く頭をつまむような動きを何度か繰り返し、毛先へ誘導しましょう。水分を毛先に移動させてから、髪の毛をぎゅっと絞ればタオルドライなしでも、水気をきることができます。

ドライヤーやヘアアイロンのダメージを軽減することはできる?

毎日のドライヤーや、ヘアアイロン、コテを使ってのスタイリングは、やはりダメージが蓄積する原因です。そこで、少しでもダメージを軽減する方法をお教えします。

ドライヤーの正しい使い方

ドライヤーは高温だと早く乾くのでラクですが、熱でたんぱく質変性が起こって髪が固くなってしまうので、なるべく低温にしましょう。“コールド”までせずとも、肌に風が当たっても熱くないと思う程度まで離して風を当てるのがベストです。

ドライヤーをかけている女性
ドライヤーは髪から離して(Ph/Photo AC)
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それと、ドライヤーを激しく振って乾かすと髪が絡まり、摩擦につながります。できるだけ髪を広げて、風を当てるようにするのが一番摩擦がかからない方法です。水気の多い根元からしっかり乾かせば、長さの程度はあれど耳から下のあたりはほぼ余風で乾き始めます。最後の仕上げとして、上からなでるように毛先に風を当てれば、だいたいきれいに乾きます。

髪が長い人も、この方法ならば乾かす時間を短縮できますよ。えりあしから乾かして、そのあと、頭頂部からドライヤーをかけていきます。

ヘアアイロン&コテをよく使う人のケア法

ヘアアイロンやコテは、あまり高温にしないのが髪にとってはベストです。140℃以上ではたんぱく質変性が起こって髪が固くなってしまうので、できるだけ低温にしましょう。

ドライヤーとヘアアイロン
ドライヤーは高温に注意!(Ph/Photo AC)
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どうしても高温でないと髪がまとまらないというかたは、毛髪に柔軟性を与えるトリートメントで、定期的に熱によって硬くなった髪に働きかけるといいですよ。一度硬くなった髪は戻らないので、取り返しがつかなくなる前にこまめにケアしておくことが必要です。

また、シャンプーの成分表に“加水分解”と書いてあるものがあります。これは、髪に入りやすいようにたんぱく質を細かく分解したものです。「加水分解コラーゲン」や「加水分解ケラチン」「加水分解シルク」といった成分が入ったシャンプーやトリートメントを使うことで、毎日のケアで髪の修復ができるので、髪のハリコシを保ちやすくなります。

◆教えてくれたのは:毛髪診断士・田邊未奈美さん

希翠のセラピスト・田邊未奈美さん
毛髪診断士・田邊未奈美さん
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美容師、介護福祉士、美容福祉士、毛髪診断士の資格を所持。美容福祉士の資格を取れる学校を卒業し、福祉施設や介護の仕事をした後、美容の世界へ。そこでシャンプーやマッサージで喜んでもらえることに一番の幸せを感じ、その技術を追求したいとエステやヘッドスパ専門店での経験を積む。その後、さらに専門性を求めて「希翠」( https://kissui.tokyo/)へ入店。現在は店舗責任者を務める。女性誌やWEBメディアで頭皮ケアの記事の監修などを数多く手がける。

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