不調改善

秋に要注意の「低気圧不調」って何? 頭痛やだるさを軽減する食べ物3つと漢方2つ

雨が降ったり、台風が近づいたりすると体調が悪くなるのは、低気圧の影響かもしれません。

ビニール傘を指す人の後ろ姿
秋に多い低気圧不調の原因と改善法をレクチャー!
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秋は台風の接近によって低気圧の日が増えるので要注意です。漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんによると、食事の内容を意識することで低気圧による不調の軽減が期待できるそうです。そこで、取り入れたい食材や低気圧不調に効果があるとされる漢方薬について教えてもらいました。

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低気圧不調の原因は自律神経の乱れや胃腸の不調

気圧の低下によって体の調子が悪くなる症状を「低気圧不調」と呼びます。頭痛やだるさを訴える人が多い印象ですが、めまいやむくみ、吐き気、食欲不振、下痢、肩こり、動悸、気分の落ち込みなど、症状は多様で全身に及びます。

低気圧で体の不調が起きる原因は大きく分けて2つ考えられます。

自律神経の乱れ

1つは自律神経のバランスの乱れによるものです。自律神経は意識しなくても働き、呼吸や血流、内臓やメンタルなど全身の機能の調整をしています。気圧の変化は目に見えませんが、気づかないうちに体が負担を感じ、自律神経が影響を受けることで頭痛やだるさといった不調が生じるといわれています。

疲れている、十分に眠れていない、日常的にストレスを感じているという人は、より大きく影響を受けることがあります。

ベッドの上で頭を抱える女性
低気圧による自律神経の乱れが低気圧不調の原因に?
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胃腸の不調

もう1つの原因は胃腸の不調です。漢方医学で胃腸は、水分調整において重要な臓器とされています。

低気圧によって胃腸の機能が弱まると、水分の調整がうまくいかず余分な水分が体に溜まります。すると、血管が拡張し、むくみや頭痛、めまいを引き起こすと考えられています。

低気圧不調に効果のある食べ物3つ

食べ物の中には自律神経のバランスを整えたり、胃腸を労わることで機能向上を助けたりする働きをするものがあります。

薬ではないので即効性は期待できませんが、下記の食べ物を普段から食事に取り入れることで、低血圧の影響に揺らぎづらい体作りを目指せます。

みかん

みかん
気の巡りをよくすると漢方で考えられているみかん
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漢方医学でみかんは、気の巡りをよくして消化吸収を助けるという理気健脾(りきけんぴ)の効能があるとされています。

ストレスや疲れが溜まるとと気が滞りやすくなりますが、みかんは気の巡りを助け、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。また、消化吸収を行う胃腸の働きを支える作用も期待できるので、低気圧不調にはピッタリの食材といえます。

にぎりめし
米は胃腸にやさしく、消化吸収機能を改善
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漢方医学において、米は「胃腸を丈夫にして力をつける」「消化機能を回復する」「ストレスや喉の渇きを解消する」と考えられていて、心身健やかに過ごすために重要な食材です。

糖質制限ダイエットが流行したことをきっかけに、ごはんを食べない、もしくは減らしている人もいるでしょう。しかし、適量をバランスよく食べれば、米を食べても太ることはありません。新米がおいしい季節に米を見直してみてください。

しいたけ(きのこ類)

木皿に乗ったしいたけ
しいたけなどのきのこ類も胃腸に◎
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しいたけの旬は春と秋。漢方医学でしいたけは、胃腸を養い元気をつける食材だと考えられています。また、しいたけのほかにも、しめじやえのきなどのきのこ類も、胃腸を助ける働きをするとされています。数種類のきのこを合わせて、ホイル焼きやソテーにしていただくのもいいでしょう。

低気圧不調の改善には漢方も有効

食事には気をつけているのに、天気が悪くなると体調がすぐれない、というときには、漢方薬をのむという方法もあります。

低気圧不調は、主に気圧や天気の変化によって体内の水分バランスが乱れることが原因で起こると考えられているので、内科では水(すい)の巡りをよくする漢方薬が使われます。

粉状の漢方薬
気象病に有効な漢方薬を紹介!
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低気圧による体調不良におすすめの漢方薬2つ

以下に、気圧や天気の変化による不調におすすめの漢方薬をご紹介します。

五苓散

五苓散(ごれいさん)は余分な水分を体の外に出す漢方薬です。体の機能を高める作用も期待でき、体力が落ちている人でも使用できます。頭痛やめまい、むくみのほかに二日酔いのときにも用いられます。

→五苓散について詳しく知る

当帰芍薬散

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は女性特有の悩みを得意とする漢方薬です。水分代謝を整える働きがあり、冷えを伴う月経障害や更年期障害、めまいや立ちくらみなどに用いられます。

→当帰芍薬散について詳しく知る

漢方薬を始めるときの注意点

漢方薬は、自然由来の生薬を組み合わせて作られているため、西洋薬に比べて副作用が少なく、体にやさしく働くといわれています。繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬なので、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人も効果を感じられることが多いです。

虹色の傘を持つ女性
低気圧不調を撃退して快適な毎日を
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ただし、体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。

服用の際は、自分に合う漢方薬を見つけるために漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

毎日の食卓から低気圧不調を予防

バランスのいい食事、十分な睡眠と休養が健康の土台を作ります。今回紹介した自律神経や胃腸に働きかける食べ物を食事にプラスすることで、低気圧に左右されづらい体質作りができます。
思うように食事や休養がとれないという場合などは、漢方薬の助けを借りるのも選択肢の1つ。自分にあった方法を取り入れ、毎日を気持ちよく過ごしましょう!

◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん

小原水月さんの写真
管理栄養士の小原水月さん
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おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。現在は今までの経験をいかし 、オンラインで漢方を購入できる「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで情報発信している。

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