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「太りたくなければ値段の安いアイスを」管理栄養士が語るその理由とは?

値段の安いアイスがおすすめだというが、その理由とは?(Ph/photoAC)
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コロナ禍で家にいる時間が増え、ついついおやつに手が伸びてしまうという人も多いのでは? 手軽に食べられるおやつだからこそ、ダイエットを考えると食べすぎには注意したいところ。管理栄養士の菊池真由子さんに太りにくいおやつの選び方や食べ方を教えてもらいました。

スナック菓子は小袋や個包装タイプを選ぶべし

「おやつの適量カロリーをご存知でしょうか? 答えは1日に200kcal。つまり、200kcalをキープすれば毎日食べても通常、太ることはありません。

封を開けてしまうと全部食べきってしまいたくなるスナック菓子。その気持ちはよくわかりますが、200kcalを前提とするならおやつの量としてはカロリーオーバーです。そこで、スナック菓子を選ぶなら、食べる量をコントロールできる大袋タイプがおすすめ。たとえば、ポッキーは小袋が9袋程度はいったファミリーパック、歌舞伎揚やハッピーターンなどのせんべいやクッキー類も1枚ずつ個包装されているものを選びましょう」(菊池さん・以下同)

ポテトチップスの写真
ついつい食べすぎてしまう大袋のお菓子も、小袋にして食べる量をコントロール(Ph/photoAC)
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1袋食べた満足感が満腹感につながる

なぜ、大袋を選ぶのがよいのでしょうか?

「大袋にはいった小袋や個包装のものは、少量であるものの1袋を食べきったという満足感が得られます。実は、この満足感が満腹感につながるため食べすぎ防止になるのです。また、量が少ないため1袋食べ切ってもカロリーオーバーにはなりません。小袋や1枚ごとにカロリー表示されているものも多いので、200kcalを目安にして食べるといいですね。意外と少量でも満足できることに気づくはずです」

チョコレートはダイエット食品!?

チョコレートは正しく食べればダイエットにつながる食品だと菊池さん。

「満足感が持続するチョコレートは、低糖質タイプを選べばダイエット食品としてもおすすめ。板チョコなら1日10片(約1/3枚)、個包装のチョコなら1日7個程度でしたら食べてもOKです。

ミルクやビター、フルーツ入りなどいろんな種類がありますが、イチオシはやせる栄養素のビタミンB2や食物繊維豊富に含むアーモンドチョコ。中でも、アーモンドが丸ごと1粒はいったタイプは噛みごたえもあるので、何度も噛むことで満腹中枢が刺激されてお腹も満たされます」

アーモンドにチョコレートがかかっている写真
おすすめはアーモンドチョコ(Ph/AFLO)
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カカオ72%までがベター

太りたくない人はカカオの分量にも注目しましょう。

正しく食べればチョコレートもダイエット食品になる(Ph/AFLO)
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「一般的なチョコレートは、カカオマス(ペースト状のカカオ豆)とカカオバター(カカオマスから圧縮した脂)に砂糖を加えて作られています。高カカオのチョコレートには、老化防止や血圧低下として期待されるカカオポリフェノールや食物繊維など健康に役立つ栄養素を多く含む一方、カカオバターの量も増えるため食べすぎれば太ってしまいます。

太らないためには、カカオ72%までのチョコレートがベター。また、カカオバターに砂糖やミルクを加えて作られるホワイトチョコも要注意。カカオマスがはいっていないため、苦み成分もなく甘くまろやかなチョコレートですが、通常の褐色のチョコレートに比べると脂肪分が高めですから食べすぎ禁物です」

チョコレートには幸福感とリラックスをもたらす効果もあります。疲れやストレスを感じているときにはおすすめです。

高級アイスに含まれる乳脂肪こそ“太る素”

そして、夏はもちろん冬にも食べたくなるアイスにも選ぶポイントがあります。

カップアイスは乳脂肪分が多いものが多い(Ph/AFLO)
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「実は、カップアイスは価格が高いものほど太りやすい傾向にあります。高級アイスの濃厚さこそ、“太る素”となる乳脂肪です。乳脂肪の量は値段の高さに比例して、多くなるのが一般的です。一方、安いカップアイスには乳脂肪が少ないものが多く、棒アイスに至っては乳脂肪が含まれていないものもありますから、体重増をあまり気にせず食べられます」

安いカップアイスや、棒アイスは太る素である乳脂肪が少ないものが多い(Ph/photoAC)
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選ぶ3つのポイント

では、具体的にどんな点に注意して選べばいいのでしょうか?

「選ぶ基準は、【1】価格は100円前後、【2】カロリーは200kcal程度、【3】容量は150ml。この3か条を守れば、食べても太りにくいアイスである可能性が高い。乳脂肪が多い“贅沢アイス”を食べたら、翌日のおやつを抜く、翌日から2~3日はおやつのカロリーを減らすなど、数日で調整すれば問題ありません」

心の栄養には大事なおやつ。太るからと我慢する必要はありません。食べ方に気をつけて、毎日のおやつタイムを楽しみましょう!

◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん

管理栄養士・菊池真由子さん
管理栄養士・菊池真由子さん
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管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。新刊『食べて、やせる! おうちdeダイエット』(三笠書房・以下同)が2.5万部超えのヒット。10万部超えの『食べても食べても太らない法』などダイエットや美容に役立つ食事について解説した本がベストセラーに。https://www.diet-class.com/

取材・文/佐々木めぐみ

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