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3000円以下で満喫!この冬おすすめ3つの観光列車を旅行ジャーナリストが厳選

観光列車「花嫁のれん」
観光列車「花嫁のれん」は北陸(金沢~和倉温泉)で運行
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2021年は、近場を旅する“マイクロツーリズム”が旅の中心でした。2022年は「そろそろ移動を伴う旅を再開」というかたも増えそうです。今回はプチプライスで利用でき、これからの季節も楽しめる観光列車の魅力を、旅行ジャーナリストの村田和子さんに解説してもらいます。

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実は手軽!観光列車のすすめ

移動も旅の一部をして楽しむ、クルーズや観光列車がコロナ前は人気でした。実は私も観光列車は大好きで、機会あれば乗車をしています。観光列車というと、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」に代表されるような1泊2日で10万円を超える高級なものをイメージされるかたもいるかもしれませんが、実は数千円(中には数百円)のプチプライスで楽しめる観光列車も多くあります。

今回は、数ある観光列車の中から、冬場も楽しめる女性におすすめの観光列車をご紹介します。

瀬戸内の穏やかな海を見ながら心癒される列車旅【etSETOra(エトセトラ)】

「etSETOra(エトセトラ)」は、ラテン語で、「その他いろいろ。等々。…など。」という意味ですが、実は「et(えっと)」は広島弁で、「たくさんの」を表すそう。列車の名前通り、たくさんの瀬戸内海の絶景や沿線魅力を体感しながら、のんびりと列車旅が楽しめます。

etSETOra(エトセトラ)
約3時間、海辺を走る区間も多く景色を楽しみながら満喫したい
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etSETOra(エトセトラ)車内
列車からの景色も美しい。またカウンター席はじめパーティションで感染対策も
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運行区間は、尾道~広島間(呉線経由)で、すべての行程を乗車すると、なんと約3時間! 観光列車は運行区間が短いものが多く、「物足りない!」と感じることが私は多いのですが、3時間あれば、車内も車窓も、そして食も満喫できます。

etSETOra(エトセトラ)車内
まるでカフェやホテルロビーのような素敵な車内で過ごす時間はプライスレス
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etSETOraにはバーカウンターもあり、ジャパニーズクラフトジン「桜尾」とアヲハタのフルーツスプレッドを使用したetSETOraオリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」は乗車したらぜひ(ノンアルコールもあります)。

オリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」と、向かって右手はお土産にもおすすめのスイーツボックス「瀬戸の小箱~チ~」(要予約)
オリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」と、向かって右手はお土産にもおすすめのスイーツボックス「瀬戸の小箱~チ~」(要予約)
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バーでは、カフェメニューに加え、日本酒(飲み比べセットあり)やおつまみなども販売。海に沈む夕日を楽しみながらドラマティックなときを過ごせます。

バーカウンターは尾道から広島の復路でのみ営業
バーカウンターは尾道から広島の復路でのみ営業
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サンセット
終点近くになると、サンセットが楽しめる
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etSETOraは観光との組み合わせもしやすい

私も大好きな瀬戸内海は、一年中温暖。冬場の旅計画にもおすすめの場所です。首都圏や関西方面からなら、倉敷に立ち寄り、尾道からetSETOraで広島へ抜けるコースもいいですよ。

倉敷
訪日旅行者が多かった倉敷では、日本人向けに体験型の観光にも力を入れる
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尾道は、瀬戸内海の島々への玄関口。しまなみ海道を利用して、あるいは自転車をそのまま載せられる船もあるので、気軽に島観光が楽しめます。

尾道駅では、黄色がキュートな「SHIMANAMI LEMON BIKE」の貸し出しも(電動もあり)
尾道駅では、黄色がキュートな「SHIMANAMI LEMON BIKE」の貸し出しも(電動もあり)
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またetSETOraは、呉や竹原、そして忠海(うさぎの島としても人気の大久野島への玄関口)にも停車をするので、旅の移動手段としての利用も便利です。

大久野島は、忠海港(忠海駅下車徒歩7分)からフェリーで約15分
大久野島は、忠海港(忠海駅下車徒歩7分)からフェリーで約15分
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気になる料金は、乗車券に普通列車指定席グリーン券が必要。例えば、尾道駅~広島駅間をフルに乗車した場合でも、あわせて2520円(乗車券1520円+グリーン券1000円)とお手頃です。運行日は金・土・日・月と祝日。乗車日の1か月前10時より発売となります。

旅の記念写真
旅の記念写真のお手伝いをアテンダントのかたがサポート
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詳細はこちら(JR西日本ホームページ)へ
https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hiroshima/etsetora/

雪見と温泉を楽しむ北陸は、晴れの日を彩る豪華な列車で【花嫁のれん】

寒い冬には温泉が懐かしくなりますよね。能登半島にある和倉温泉駅と金沢駅を約1時間半で結ぶ観光列車が「花嫁のれん」です。(※写真は2017年乗車時のものです)

観光列車「花嫁のれん」
乗る前からテンションが上がる女性好みのデザイン。各駅には列車名の由来となった「花嫁のれん」も飾られる
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最大の特徴は、外観・内観ともに、紅色を基調とした美しく豪華な、そして女性好みのデザインであること。

それもそのはず、「花嫁のれん」とは、花嫁の幸せを願い婚礼の日にのれんを贈る北陸の伝統文化から名付けられたものです。

1号車にはカウンター席もあり、ひとり旅にぴったり(現在は感染対策のパーティションが設置されています)
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コンセプトは「和と美のおもてなし」で、外観は北陸の伝統工芸である輪島塗や加賀友禅をイメージ。車内はひとり旅にぴったりなカウンター席のほか、半個室の座席では、心地よいプライベートな空間でくつろげます。

1号車にはカウンター席
2号車の通路は日本庭園の飛び石をイメージした絨毯。半個室の各部屋は友禅のオールドコレクションをあしらった華やかな空間
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観光列車「花嫁のれん」車内販売
車内販売も紅色が美しい(一部は要予約)
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観光列車「花嫁のれん」
能登の名旅館「加賀屋」監修の和装アテンダントがサービス。乗車記念の写真撮影もお手伝い
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車内の装飾には友禅のオールドコレクションがあしらわれ、金沢の金箔の装飾も目を引きます。人生の晴れの日を彩る「花嫁のれん」の名らしく、豪華で気分があがる列車です。

観光列車「花嫁のれん」
金沢金箔など、伝統工芸が息づく美術館のような列車
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七尾
金沢から和倉温泉に向かって一つ手前、七尾は古い町並みが残る
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明治から平成までの花嫁のれんが展示されている「花嫁のれん館」(七尾駅下車)
明治から平成までの花嫁のれんが展示されている「花嫁のれん館」(七尾駅下車)
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料金は、乗車券に加えて指定席特急券が必要。例えば金沢駅から和倉温泉駅までは、2800円(乗車券1410円+指定席特急券1390円)。毎週末(金・土・日)と祝日を中心に運行しています。指定特急券は、発売乗車日の1か月前10時より発売となります。

※詳細はこちら(JR西日本ホームページ)へ
https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hokuriku/hanayomenoren/

上質なくつろぎの空間で眺めるのは美しい富士山!【富士山ビュー特急】

大気が澄む冬場は、富士山がきれいに見えることも多く、富士見のベストシーズン。「富士山ビュー特急」は、天気がよければ迫力ある富士山を望める「富士山に一番近い鉄道」で、大月駅から河口湖駅まで、1日2往復しています。

上品な外観の「富士山ビュー特急」。大人の女性におすすめ
上品な外観の「富士山ビュー特急」。大人の女性におすすめ
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車内は自由席と26席からなる特別車両(全席指定)で編成され、デザインは「クルーズトレインななつ星」をデザインした水戸岡鋭治氏。木目の床に座席はお洒落なファブリックが用いられ自由席もすてきです。この列車が乗車券に特急券(400円)の追加で利用できるというから驚きます。

上品な外観の「富士山ビュー特急」車内
特急券(400円)の追加で乗車できる自由席もくつろぎの空間。時間をあわせて移動したい
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ただ空席があれば、ぜひワンランク上の特別車両への乗車をおすすめします。特別車両代として、さらに900円が必要ですが、実はこれにはドリンク料が込み。

上品な外観の「富士山ビュー特急」車内
コロナ前は訪日旅行者に人気でなかなか予約が取れなかった特別車両
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上品な外観の「富士山ビュー特急」ドリンク
特別車両代900円には、コーヒーなど飲み物が込み。コースターのデザインなども素敵!
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車内のインテリアも水戸岡氏の世界観が満載で楽しめ、アテンダントがいるため、写真撮影などもお願いできるなどいたせりつくせり。

上品な外観の「富士山ビュー特急」アテンダント
「天気がいい日は富士山が綺麗に望める」とアテンダントのかた
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少し残念なのが、「富士山ビュー特急」の運行区間は、大月駅と富士河口湖駅の間で、乗車時間が約45分と短いこと。車内の写真を撮影して、車窓から富士山を眺めて、お茶を飲んでと少々慌ただしく「もう少し乗っていたい」……そんな後ろ髪をひかれる思いで下車となります。

上品な外観の「富士山ビュー特急」車内
時間が短いので、往復利用するのもおすすめ
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特別車両の予約は富士急コールセンターで乗車1か月前から受付。料金は大月駅~河口湖駅間なら、特別車両はドリンク付きで2470円(乗車券1170円+特急券400円+特別車両代900円)、自由席は1570円(乗車券1170円+特急券400円)になります。

※詳細はこちら(富士急行ホームページ)
http://www.fujikyu-railway.jp/fujisan-view-express/

観光列車の予約の秘訣~座席表は自ら確認がおすすめ

人気のある観光列車は、発売日の朝に予約する人が多く、まずは予定が決まっていればチャレンジをしてみましょう。ただ私の経験から、いったん満席になっても、乗車直前になりキャンセルがでていることもあります。満席でもあきらめずにまめにチェックをしてみてください。また、週末のみ等、運転日が限られるものが多いので、旅行計画の際には確認をお忘れなく。

予約する場合には、列車の座席表(※ホームページに掲載)から、希望の座席をいくつかピックアップしておくのがおすすめです。

etSETOra(エトセトラ)の座席表
etSETOra(エトセトラ)の座席表(JR西日本HPより)。変則的な座席配置のため、希望の座席番号がわかっていると窓口での手配もスムーズ
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今回は「冬でも楽しめる」をテーマにご紹介しましたが、予約不要で乗車できるもの、本格的な食事がいただけるものなど、観光列車の特徴もさまざま。また機会をみてご紹介したいと思います。

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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