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多様化する空気清浄機|機能が多いモデルと空気清浄専用モデル、どちらを選ぶべき?

シャープ『プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-PX100』 が窓際にあり、ソファなどが置いてあるリビング
空気清浄機能に加えて除湿や加湿など“一台〇役”もの役目を果たすモデルも多い(写真はシャープ『プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-PX100』)
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PM2.5を始め、菌やカビ、花粉、ニオイなど空気中のさまざまな問題を一挙に軽減してくれる空気清浄機。今では空気清浄機能に加えて除湿や加湿、はたまた暖房機能まで加わり“一台〇役”もの役目を果たすモデルもあります。年々付加機能が多様化する空気清浄機、一体どんなものを選んだらよいのでしょうか。家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。

付加機能が多いモデルが増加中!加湿、除湿、暖房も

まずは、空気清浄機の本来の役割からおさらいを。

「空気清浄機というのは、空気中に浮遊するPM2.5や花粉、ハウスダストなどの微粒子や、室内に発生するニオイ、さらにはタバコの煙のガス成分を取り除くことを主な目的としています。加えて近年はニオイ対策として、脱臭フィルターやイオンを利用するもの、花粉対策として花粉を捕集しやすい気流を作ったり花粉を不活化したり分解する機能を搭載したモデルも出ています」(田中さん・以下同)

一方で、今は加湿や除湿、暖房までできるモデルも増加中。複数台を部屋に置けないから付加機能付きにして一台で済ませたいというニーズが根強くあるからです。

何のために空気清浄機を買うのかを明確に

「ただし、これらはあくまで付加機能。使いこなせるのであればもちろん便利ですが、中には、あれこれ搭載しすぎて使いこなせない、お手入れが面倒、すべての機能が中途半端だった、と後悔する人も。

例えば加湿機能つき空気清浄機の中には、加湿機能と併用することで、空気清浄機能が落ちるものもあります。逆にいくら性能が良くても、加湿器のお手入れを怠ったせいで、空気をきれいにしながら加湿器から発生する雑菌をばらまいてしまうことも。さらにいえば、空気清浄機専用モデルの方が、適用床面積が大きくなる傾向にあります」

結局のところ、付加機能のあるモデルを選ぶか、空気清浄に特化したモデルを選ぶかは、「まずは何のために空気清浄機を買おうとしているのか明確にすること」と、田中さんは言います。

自分の中で優先順位を定め、空気清浄機能の高さを求めるなら空気清浄機能に特化したモデルを。そこまで空気清浄の性能を求めないなら、それぞれの性能をしっかり見極めたうえで、付加機能が充実したモデルを選ぶといいかもしれません。

空気清浄機能を求める人の選び方の基準とは?

では、空気清浄機能を求める人は、何を基準に選んだらよいのでしょうか。

「まず確認したい点が、どれくらいの大きさの微粒子をどれだけ集塵できるのか。その見分け方の一つは、フィルターの性能です。ホコリや花粉、ハウスダストを集塵するのはフィルターの役割ですが、日本の空気清浄機の多くは『HEPAフィルター』といい、0.3μmまでの微粒子を99.97%まで除去するとされているフィルターを採用しています。

これでも一般的な微粒子対策には十分なのですが、メーカーによってはイオン技術を使ってさらなる空気浄化を目指したり、海外製の中には静電気の力を利用して0.03μm、中には0.001μmまで集塵できるとするものもあります。0.1μm以下というと、ウイルスレベルの世界になるため、徹底的に空気をきれいにしたいと考える人は、これらの数字もチェックしましょう」

「適用畳数」の正解とは?

もうひとつ気になるポイントが、適用畳数。空気清浄機を置く部屋の畳数と同様の数字にした方がいいのでしょうか?

「答えはNO。適用床面積とされているのは『5本のタバコを吸ったときに相当する空気の汚れを30分できれいにできる広さ』であり、浄化スピードの速さの目安です。一般的には、実際の床面積の2~3倍の適用床面積を選ぶことが推奨されています。例えば10畳の部屋で使う場合、20~30畳程度の適用畳数を選ぶのが正解です」

さて、田中さんが注目する、空気清浄の性能が高いモデルとは?