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「ポイント10%還元」と「10%割引」どっちがお得?ポイントカードの“本当のお得度”

なぜポイントカードはお得に見えるのか?

とはいえ、それでもお得に思えてしまうのがポイントカードの魔力。なぜお得に見えるのでしょうか。橋本さんは、こう分析します。

スマホ上のポイントカード
人はポイントが貯まるにつれ手放しがたい大切なものに見えてくる(Ph/photoAC)
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「一般的なネット販売や航空会社などのポイントサービスを例に、説明しましょう。

まず、ポイントを貯める楽しみがある。ポイントの収集状況に応じてランクが上がり、優遇措置を受けられる。そして会員限定の割引やキャンペーンなどのメリットがある。こうした魅力があると、ユーザーは、ポイントカードそのものがステータスや得をするチャンスに置き換えられるようになります。

さらに、ユーザーの心の中に、自分が保有するモノに対して高い価値や愛着を感じ、手放したくないという感情が生まれます。この心理は、お金やモノなどの形あるものだけでなく、身につけたスキル、自分の評価など目に見えないものに対しても働きます。積み上がっていくポイントの数値が、まるで自分自身の努力を示す点数であるかのように錯覚することも。また、一度手に入れたステータスや、会員限定のキャンペーンに参加する権利も、手放しがたい大切なものに見えてきます」

とはいえ、こうした魅力のためにポイントカードを作ることが、すなわち金銭的に得とは限りません。その理由は冒頭に述べた通り。ポイントが貯まるにつれ高まる期待感や達成感、重要顧客の待遇でくすぐられるプライドといった「心理的メリット」と、割引で確実に得する「金銭的メリット」。

どちらを取るか、今の自分にはどちらが必要か。はたまた、ポイントカードの管理にかかる時間や財布のスペース、ポイントカードのアプリを保有することでスマートフォンのメモリが足りなくなるといったデメリットを、どう考えるか。ポイントカードを作る際には、メリットとデメリットを天秤にかけてみる必要がありそうです。

◆教えてくれたのは:マーケティング&ブランディング・コンサルタント・橋本之克さん

マーケティング&ブランディング・コンサルタント・橋本之克さん
マーケティング&ブランディング・コンサルタント・橋本之克さん
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昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京工業大学工学部社会工学科卒業後、大手広告代理店、日本総合研究所での勤務を経て、現在は行動経済学を活用したマーケティングやブランディング戦略のコンサルタント、企業研修や講演の講師、著述家として活動中。著書に、『9割の買い物は不要である 行動経済学でわかる「得する人・損する人」』などがある。

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