エンタメ・韓流

日本配信から2年、『愛の不時着』がNetflix人気ランキングから落ちない理由

感情をぶんぶん振り回されて、気分爽快!

近年、意識的に涙を流す「涙活(るいかつ)」の“デトックス効果”に注目が集まっていますが、何度見ても同じところで同じ熱量で泣けるこの作品は、まさにその涙活に最適な作品といえます。朝鮮半島における南北関係のファンタジーとリアリティの入り混じった、ありそうで絶対にありえない世界の居心地のよさもそれに一役買っています。

そもそも韓国ドラマの特徴でもあるのですが、1話の中に号泣シーンとほっこり笑えるシーン、胸キュンシーンなどが絶妙に配分されています。特に本作では、爆笑やほんわかのすぐ直後に、ドン底に突き落とされるような悲しくつらい展開が待っているので、その振り幅の大きさで感情をぶんぶん振り回されて、泣き笑いした後のすがすがしい爽快感はやみつきになってしまいます。

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最終話に毎回号泣

好きなシーンも泣けるシーンも人それぞれ異なりますが、私が一番泣けたのは最終16話。軍事境界線をはさんだ緊迫感の中での、セリとジョンヒョクの別れのシーンを挙げたいと思います(以下、ネタバレを含みます)。

ジョンヒョクらが北朝鮮へ送還されると聞き、病床から駆け付けるセリ。セリが護送車に追いついたときには、すでにジョンヒョクたちは軍事境界線を越えていました。ところがジョンヒョクに手錠がかけられた瞬間、病の体で走り出すセリ。「走るな!」と叫ぶジョンヒョクも公安の制止を振り切って再び境界線を越え、セリの元へ駆け寄り抱きしめます。

「会いたいと心から願えば、会いたい人に会えるかと聞いたろ? きっと会える。サランハオ(愛してる)」

北朝鮮の軍人であるジョンヒョクの愛の言葉は、私たち日本人に耳馴染みのある「サランヘヨ」ではなく北朝鮮で使われる「サランハオ」(※時代劇でも使われることがあります)。この2人の切ない禁断関係を再確認させられる言葉だと思うと、さらに泣けてきます。

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