不調改善

春むくみの対策には大豆ごはんやししゃもの南蛮漬けを!管理栄養士が解説

豆ご飯の定食
「大豆+ご飯」がむくみ対策におすすめの理由とは?
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塩分には気を付けているし、お酒も飲んでいないのにむくみが気になることはありませんか? 漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんによると、それは春特有のむくみかもしれないそうです。そこで、春にむくみが起こりやすい理由と対策におすすめの食べ物、効果が期待できる漢方薬について教えてもらいました。

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急なむくみ症状は春のせいかも?

塩分の摂りすぎなど食べ物の影響だけでなく、気候の変化でもむくみは起こります。春の気候とむくみにはどのような関係があるでしょうか。

青空と桜
春の気候とむくみの関係とは?
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なぜ春はむくみやすいの?

そもそもむくみとは、血流の滞りから血管やリンパ管の外へ染み出した体液が、皮下細胞のすき間で余分に溜まっている状態を指します。

春は1週間の中で寒い日と暖かい日が繰り返されます。また、1日の中でも寒暖差が大きいのが特徴です。冬服から春服に一気に切り替えて肌寒さを感じたまま過ごしていると、体が冷えて血行が悪化し、むくみやすくなります。

トレンチコートを着た女性
気温差が激しい春は自律神経の乱れに注意
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また、気候の変化に順応できずにストレスを感じて、自律神経のバランスが崩れると、血流が滞りやすくなり、むくみにつながります。

むくみを放置するとさらに血流が悪化する悪循環に

水は重力の影響を受けて下に溜まりやすいため、むくみはひざ下から足先にかけて多く起こります。自律神経のバランスが乱れ、全身の水分代謝機能が低下している場合は、顔やまぶた、全身にむくみの症状が出る場合もあります。

脚のむくみは一晩、顔やまぶたのむくみは起床後数時間で解消されることがほとんどです。ただし、時間が経過しても変化が見られない慢性的なむくみは、放っておくとさらなる血流の悪化につながるので、早めに対処しましょう。

春むくみは食生活で内側から改善!

気候の変化などが原因の春むくみを食生活で改善するポイントは、「熱を生む」「血行を促す」「自律神経のバランスを整える」の3点です。

大豆ごはん

大豆
大豆に多く含まれるマグネシウムは炭水化物を熱に変える際に役立つ(Ph/AFLO)
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熱を生み出すには、効率的なエネルギー源になる炭水化物を多く含む米を主食にするのがおすすめです。

さらに、合わせて摂りたいのが大豆です。大豆に多く含まれるマグネシウムは炭水化物を熱に変える際に必要な栄養素で、一緒に摂ると冷え予防にも効果的です。また、漢方医学で米はストレスを和らげる、大豆は血流を促すとされていて、むくみ対策にぴったりな組み合わせといえます。

大豆ごはんを炊くのが難しい場合は、納豆ご飯でもOKです。

ほうれん草

ほうれん草の束
マグネシウムとビタミンEを含むほうれん草
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ほうれん草にもエネルギー代謝に欠かせないマグネシウムが含まれています。加えて、血管拡張作用をもつビタミンEを多く含むため、血流改善に期待ができます。

漢方医学でもほうれん草は血(けつ)の巡りをよくするとされているので、むくみ解消には積極的に取り入れたい食材です。定番のおひたしやバターソテーもいいですし、スープや味噌汁にすると水に溶けやすい栄養素も余さず摂ることができます。

ししゃも

ししゃもの南蛮漬け
カルシウム豊富なししゃもはお酢と一緒にとるのが◎
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ししゃもは骨ごと食べられるので、カルシウムを多く摂ることができる魚です。カルシウムは神経の情報伝達に関わる栄養素で自律神経のバランスを整え、外界の変化にもブレない体作りに役立ちます。また、漢方医学でししゃもは血行を促す食材として扱われています。

そのまま焼いて食べてもおいしいのですが、素揚げしてから南蛮漬けにして食べると、酢がカルシウムの吸収を助けるため、効率的に栄養素を摂取できます。