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【65歳オバ記者 介護のリアル】母ちゃんが不慣れなリモート通話で一度だけ大喜びした出来事

「校長の母と呼ばれたい」と言っていた母ちゃん

翌春、弟は無事に公立中学の校長になってね。で、秋のある日曜日、自宅に戻って医師も驚くV字回復した母ちゃんを連れて、弟の赴任している中学校までドライブしたの。弟が校門の前に車を止めたら、「そうが。ここで校長してんのが」と車の窓に顔を寄せて校舎を見渡していたっけ。

オバ記者の母親と弟
「校長の母と呼ばれたい」と言っていたという
写真8枚

これは後から聞いたことだけど、母ちゃんはずいぶん前から近所の友だちに「校長の母と呼ばれたい」と言っていたらしいよ(笑い)。

ちょうどその頃、私もイラストレーター・有田リリコさんとの共著、『で、やせたの?』を出版。母ちゃんはデイサービスに私のカラー写真いっぱいの本を持っていって、「おらじの娘だ」と自慢していたみたい。

今頃、母ちゃん、鼻をぴくぴくさせて、“冥土の土産“を自慢しているかしら(笑い)。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
写真8枚

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【298】四十九日を終えて母ちゃんの「死」が「ストンと腑に落ちた」瞬間

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