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プロが教えるさくらんぼの栄養や豆知識|アメリカンチェリーは品種ではない?

ストライプの布の上に広げたさくらんぼ
初夏の味覚・さくらんぼはおいしいだけではなく、色々な栄養を摂ることもできる(Ph/photoAC)
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旬の食べ物には、栄養がたっぷりと詰まっているもの。初夏の季節に出回るさくらんぼにはたくさんの栄養があると、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。どんな栄養素を摂ることができるのか、詳しく話をうかがいました。

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小さい実に栄養が詰まったさくらんぼ

酸味成分のリンゴ酸や甘味成分のブドウ糖が含まれ、甘くてほんのりとした酸味があるさくらんぼ。実はおいしいだけでなく、体にいい栄養がふんだんに詰まっています。

鉄分含有量の多さがさくらんぼの特徴

果物の中でも、貧血に効果がある鉄分の含有量が多いさくらんぼ。鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなるのですが、さくらんぼにはビタミンCも含まれているため、鉄の吸収率が自然と高くなります。

また、天然の甘味料とされているソルビトールも含まれています。食物繊維が多いことから便秘の改善が期待できるほか、虫歯の予防効果も期待できますよ。

木皿に入ったさくらんぼ
鉄分とビタミンCを同時に摂ることができるさくらんぼ(Ph/photoAC)
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美肌やアンチエイジングにも

さらに、さくらんぼはβ-カロテンやビタミンC、カリウムもバランスよく含まれているので、疲労回復や美肌作用、高血圧予防が期待できます。

果肉の赤い色には抗酸化作用の強いアントシアニンが含まれています。これは、老化防止や美肌に効果があるといわれるポリフェノールの一種です。このように、女性にとってうれしい栄養素もたっぷり摂れるんですよ。

アメリカンチェリーとさくらんぼの違いは?

さくらんぼと同じく、初夏ごろが旬のアメリカンチェリー。さくらんぼよりも酸味が少なく、パリッとした皮や、弾力のある実の食感がおいしいですよね。粒が大きく、色が濃いのも特徴的です。そんなアメリカンチェリーの豆知識を紹介します。

皿に入ったアメリカンチェリー
アメリカンチェリーとさくらんぼの違いとは?(Ph/photoAC)
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“アメリカンチェリー”は品種名ではない

アメリカンチェリーとは、アメリカなどの海外から輸入されるさくらんぼ全般の総称で、品種名ではないんです。日本では主に、ピングやレーニアといった品種が出回ります。

保存期間や保存の仕方はさくらんぼとほぼ変わりません。買ってきたら、なるべく早めにいただきましょう。色が濃くて粒が大きく、熟しているものを選ぶといいですよ。

見た目はそっくりだけど、食感・味・栄養に違いアリ

アメリカンチェリーの食感はさくらんぼに比べて少しかためで、酸味が少なく甘みが強いのが特徴です。栄養価の違いを挙げると、アメリカンチェリーはさくらんぼよりアントシアニンが多く含まれているので、抗酸化作用やアンチエイジングに期待がもてます。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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