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郷ひろみ、山口百恵、近藤真彦、TOKIOほか…鉄道開業150年に聴きたい、懐かしの名曲たち

『あずさ2号』でデビューした狩人(写真は1978年、Ph/SHOGAKUKAN)
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「あずさ2号」はもう走っていないけれど

列車の旅はあまりテンションを上げたくない。ゆっくりしたい──。そんな方にピッタリなのが狩人の『あずさ2号』(1977年)である。「あずさ2号」は新宿−松本(長野県)を走るJR中央線特急。ダイヤ改正などにより現在「あずさ2号」は存在しないらしいのだが、歌はみんなの胸に残るもの。妄想の世界で、多くの失恋ウーマンを乗せ走っている。きっと!

考えることが多過ぎて頭がいっぱい、現実を忘れ、なにも考えず電車で揺られたい方。私も今そのモードなので、原由子さんの『花咲く旅路』で一緒にボーッとしませんか。1990年、JR東海のCMで流れていた歌なのだが、穏やかなメロディと「日本を休もう」というキャッチコピーにぴったりだった。

何も考えない日もあってええんやで……。そんな気分になる一曲である。

これまた余談なのだが、リラックスといえば煙草、という人もまだいらっしゃるだろう。この間、中島美嘉さん主演の映画『NANA』を観たのだが、主人公NANAが新幹線の座席でぷかぷか煙草を吹かしていてビックリした。この映画が上映されたのは2005年。こんなに最近まで喫煙OKだったのか!

調べてみると、初めて禁煙車が登場したのが1976年。ここから全国の鉄道会社禁煙車が続々と導入されていったが、JR東日本管内の新幹線、特急列車が全て禁煙となったのが2007年3月のダイヤ改正時。全鉄道車両から喫煙席が消えたのは2020年4月1日以降、とまだまだ最近だ。時代の移り変わりの早さはビックリする。

旅は続くよどこまでも

さて、余談であっちこっち遠回りしたが、それも旅の醍醐味である。

ラストは個人的に「おおっ!」と嬉しかった曲で旅を締めさせていただきたい。2021年のJR東日本のCM「行くぜ、東北。」にGO-BANG’Sの1989年の大ヒット曲『あいにきて I・NEED・YOU!』が起用されていた。これは今聴いても新鮮! 新幹線の中で幼馴染とばったり出会い「ちょっとちょっと、相変わらずステキじゃん!」とキャッキャした感覚に陥った。

妄想とはいえ、旅は本当に心を揺らす。人生の線路はまだまだ続くので、ここで一度、中島みゆきさんの『ホームにて』で解散いたしましょう。故郷行きのきっぷをどうぞ。

もちろん、旅に出たくなればいつでも駅へ。列車は、栄光まで運んでくれるはず。

まだ発車気分じゃないなら、遠くで汽笛を聞きながら、ゆっくり待てばOK。

できればまた、鉄道開業記念の10月にまだまだたくさんある名曲を持ちより、一緒に心の旅を!

ピ—ッ、ガタンゴトン……。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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