家事・ライフ

専業主婦から社長になった薄井シンシアさんがこれから働きたい専業主婦に伝えたいこと

みんながいいと思う生き方より自分の生き方

他にもありますが、『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』(KADOKAWA)という拙著がありますので、もっと知りたいという人は手に取ってみてください。

これは本の宣伝がしたいから言うのではなくて、本をもっとみんな読むといいのになと思います。SNSで気の合う人たちやお気に入りのメディアに接している時間を今より少し減らして、その分を自分1人で勉強したりものを考えたりするのに回してみると、自分というものがしっかりしてくると思うからです。

何にでも“今の主流”を決めては、それに乗っていないと焦ったり、乗っていない誰かをバカにしたりする風潮に、私は違和感があります。「好きを仕事に」とか「いまどき転職もしたことがないなんて」とか「ワーク・イン・ライフ」とか、人それぞれの事情や考えがあって当然のことにまで“常識”をつくってしまうのはおかしいですよね。

子どもが生まれたり、離婚したり、親の介護が必要になったり、人生にはいろんなことがある。タイミングによっては「好きを仕事に」も「ワーク・イン・ライフ」も人をみじめにさせる呪いの言葉になります。

それに“今の世の中で是とされていること”に乗っかって、自分の人生に関わる決断をしてしまうと、その先で嫌な事、つらい事があったときに、やっぱりどこか他人のせい、社会のせいという気分になってしまう。当然、他人や社会は変えられないので、「もやもやする」と言って、フォロワーにグチを聞いてもらうことになります。

もやもやしていないで、そろそろ自分を持ちませんか。自分を真ん中に置いて、さまざまな物や事に直接向き合って考えてみる。転職って今の私にとっていいことか、働くって今の私にとって本当に必要なことか、リモートワークって私が求める働き方か。“みんな”を経由しないで答えが出せるようになったら、今よりポジティブに働きに出られるし、今よりポジティブに専業主婦を続けることもできるはずです。

◆LOF Hotel Management 日本法人社長・薄井シンシアさん

薄井シンシアさん
LOF Hotel Management 日本法人社長・薄井シンシアさん
写真5枚

1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う大学のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラ社に入社し、オリンピックホスピタリティー担当就任するも五輪延期により失職。2021年5月から現職。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia

撮影/黒石あみ 構成/赤坂麻実、編集部

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