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エアコン、扇風機、冷風扇…どう使い分ける?メリットやデメリット、最新事情を家電ライターが解説

ドウシシャ『Kamomefan』が置いてあるキッチン
エアコン、扇風機、冷風扇…使い分けのポイントは?(写真はドウシシャの『Kamomefan』)
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汗ばむ陽気の日も増えてきたこの時期。エアコンの冷房機能を使い始めている人もいるのではないでしょうか。近年、夏の暑さを快適に和らげてくれる家電は多様化し、それぞれ進化しています。どのような選択肢があり、どう選ぶとよいのか。家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。

「代表的なものは、やはりエアコンの冷房機能。低温の風を送り込むため、室温自体を下げて過ごしやすい環境をつくってくれます。また昔ながらの扇風機も、部屋自体は涼しくできないものの風に当たることで涼感を得られますので、今でも夏の定番として愛用されています。

ほか、扇風機から出る風の温度を気化熱によって下げる冷風扇、室温より温度が低い風を送り出すポータブルエアコンなど、室温より涼しい風を送り込んでくれる冷風家電も増えています」(田中さん・以下同)

エアコンや扇風機以外にも選択肢が増えてきた夏の涼風家電。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

室温を効率的に下げるエアコン

まずは、おなじみのエアコンから。

「ご存知のようにエアコンは、室内の空気を吸い込み、室内機内で熱を奪って温度を下げ、室内に戻します。室温を効率的に下げられるのは今のところエアコンだけで、暑い日も快適に過ごせるだけでなく、熱中症対策や熱帯夜の快眠など健康を維持するためにも取り入れたい家電です。ただし、簡単には導入できず、室内機と室外機を設置するスペースや設置工事が必要に。他の冷風家電に比べると価格や電気代が高いといったデメリットもあります」

今は、換気をしてくれるエアコン、除湿だけでなく加湿機能もあるエアコンなど、便利な付加機能を搭載したエアコンも増えています。

昔ながらの扇風機は“風の質”に注目

「扇風機は、羽を回転させることで風をつくり、送り出す家電です。風が吹くと涼しく感じるのは、体表の水分が蒸発して熱が奪われるため。電源がある場所ならどこでも使えるほか、最近はバッテリーを搭載したコードレスタイプも増えてきました。従来は数千円で購入できましたが、最近は消費電力を抑え、風量のコントロールがきめこまかくできるDCモーターを搭載したタイプが増え、高機能化にともない価格も高くなってきています。

ただし、近年“風の質”が進化し、風に当たり続けても心地よさが感じられるようになっています」

ドウシシャ『Kamomefan』やソファが置いてある部屋
風の質にこだわって開発される扇風機が増えている。ドウシシャの『Kamomefan』もそのひとつ
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風の質にこだわって開発される扇風機が増えているのは、自然の風により近い風が好まれているから。

「肌当たりが柔らかい風なら不快感も少なく、体温も下げすぎないため、寝ているときに使うこともできます。例えばシャープのリビングファンには、アサギマダラ蝶という、海を渡り数千キロも旅をする蝶が羽ばたく羽根のうねりを応用した羽『トリプル・ネイチャーウイング』を採用。風の当たりすぎによる冷えやだるさを低減します。またドウシシャの『Kamomefan』も、かもめの羽をヒントに、包み込むような優しい風を生み出します」

シャープ『プラズマクラスター扇風機 ハイポジション・リビングファンPJ-P3DG』
シャープ『プラズマクラスター扇風機 ハイポジション・リビングファンPJ-P3DG』
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ドウシシャ『Kamomefan』
ドウシシャ『Kamomefan』
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『Kamomefan』詳細はコチラ

即、涼しさを感じられる冷風扇

すぐにひんやりした風を感じたい人におすすめなのが、冷風扇。前述のように、冷風扇は扇風機から出る風の温度を気化熱によって下げてくれます。

「冷風扇は、扇風機の風を送り出す際、水を通すことで、温度が低い風を送り出してくれるので、当たった瞬間、ひんやり気持ちよさを感じられます。ただし部屋自体の温度を下げられるわけではなく、水と使うことで湿度も上がり、かえって蒸し暑さを感じるという声も」