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桃は冷やした方が甘くなる理由 野菜ソムリエプロがおいしい食べ方をレクチャー

桃2個とカットした桃
桃の種類やおいしい食べ方を野菜ソムリエプロがレクチャー(Ph/photoAC)
写真7枚

夏に旬を迎える桃は、おいしいだけでなく栄養もたっぷりと詰まっているそう。そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんに桃の栄養価に関する話題やおすすめの食べ方など、プロならではの目線で語っていただきました。

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桃の種類と旬の違いとは?

桃の種類は、大きく分けるとよく知られる白桃系と白鳳(はくほう)系に黄桃を加えた3つにわけられます。旬の時期は白鳳系から始まって次に白桃系、黄桃系となっていきます。

種類豊富な桃
桃の種類ごとの特徴を紹介(Ph/photoAC)
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白鳳系は甘みが強く、肉質がやわらかめで多汁です。日持ちはあまりしません。白桃系は果肉の色が白く、肉質がややかためでしまっていて日持ちがよいという傾向があります。大体時期が遅く出てくる品種ほど、大玉で糖度が高く日持ちのする桃が多いです。黄桃系は、スッキリとした甘さで少しかための食感が特徴。果肉にツヤがありみずみずしさがあります。

黄桃
黄桃にはβ-カロテンが豊富(Ph/photoAC)
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栄養価も白鳳系・白桃系と黄桃系では少し違いがあります。黄桃の色味はβ-カロテンによるところが大きく、日本食品標準成分表によるとまったく含まれていない白桃に対して、黄桃には140μgも含まれています。白鳳系・白桃系と黄桃を比較すると黄桃の方が、炭水化物が多くカロリーも高いです。一方、ビタミンCは白桃8mg、黄桃6mgと白桃の方が多く含まれています。(日本食品標準成分表2020年版(八訂)より)

食物繊維をはじめとする桃の栄養価

さらに、β-カロテンやビタミンC以外にも、桃にはさまざまな栄養素が含まれています。これから紹介するのは3種類ともに共通して含まれているものです。

食物繊維、カリウムなどが豊富

整腸作用があり、便秘予防に効果的とされる食物繊維。特に完熟した桃には、水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれています。食物繊維は脂質や糖と結合して、便と一緒に体外へ排出されるので、腸内環境を改善することにより便秘解消にもってこいです。

カットして盛り付けた桃
桃はカリウム、ナイアシン、ポリフェノールなどを含んでいる(Ph/photoAC)
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そして、余分な塩分を排出することで血圧を調整する作用や、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きのあるカリウムが豊富。カリウムはむくみの解消もなる栄養素です。ほかにも冷え性や二日酔いに効果的なナイアシンや、抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれています。

桃は冷やして食べるとより甘くなる?

糖質の中でも特に甘みが強く、また冷やすことによって甘みを強く感じるフルクトース(果糖)を多く含んでいます。そのため食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やしてから食べると、常温のものより甘みが感じられます。

またフルクトースや食物繊維を多く含んでいるので消化、吸収のスピードが遅くなり、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

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