家事・ライフ

薄井シンシアさんがキャリアブレイク中のアラフォー主婦2人と鼎談 「生き方は1つじゃない」「周りに流されず好きな道を選ぶべき」

今後は子育てと仕事を「私が」納得いく形で

――ちょっと中長期的に、皆さんが今後やってみたいことは何ですか?

優季さん:身近な人たちに、こういう生き方があると知ってもらうことで、子供も親もハッピーな時間が過ごせるようになったらいいなと思いますね。子供と一緒にいる時間をたっぷり取って、でもその後で、また仕事にちゃんと戻れることを示したいというか。

シンシアさん:目標はありますか? 仕事復帰から何年でいくら稼ぐとか。

大戸菜野、薄井シンシア、松本優季
子育てと仕事を「私が」納得いく形で実践する3人
写真10枚

優季さん:お金を稼ぐ目標は卒業しましたが(笑い)、ただ今度はもう雇用されるのではなくフリーで、と思っています。子育てと両立しながら、自分が納得いく働き方をしたいので。どんな形のビジネスモデルになるか、まだ分からないですが、(歯科衛生士として働いていたので)歯科業界の古い体質を変えて、より働きやすい業界になるように、経営者の方々に働きかけたり、そういうこともしたいです。

例えば、時短勤務や残業ができないスタッフも大事なメンバーとして尊重する意識、文化を根付かせたりですとか。

菜野さん:私は今の生活が気に入っているので、子供が「ママもういいや」となるまでは(笑い)、この生活を延命する方法をなんとか考えたいと思っています。だから、仕事をするなら子育てにもメリットがある形を選びたいですね。例えばアメリカに渡れば、子供も海外経験が積めるかなとか。そうでないなら、きっぱり割り切って、子育てに時間を十分使えるような仕事、子育てに必要なお金が得られる仕事を探したいです。

私、会社を辞めたらみんなに「いいね」って言われたんですよ。「じゃ、今はお休みなんだ」とか。だけど「そういうあなたはどんな人生を生きたいの?」と聞いてみると黙っちゃう。みんな、どう生きたいか自分で考えて、思った通りにやったほうがいいですよね。そういうことは、ちょこちょこ発信しようかなと思っています。

シンシアさん:お2人とも、頼もしいですね。私は若い頃からずっと世の中の流れと逆を行っていたから、私って変なのかなと思ったりもしたんですよ。いつもボコボコに批判されるし(笑い)。でも、なかなか理解されないけど、私と同じ選択をする人が少しずつ増えてきた。その人たちのおかげもあって私は、私って変なわけじゃなくて、ただ先を行っていただけかもよと思えるようになりました。

だから、そういう人たちを今度は私がサポートしたい。今きっと不安だろうけど大丈夫だよ、私は大丈夫になった(子供が巣立ってキャリアを再開した)未来をちゃんと見てきているんだからねって。菜野さんや優季さんの5年後、10年後がどうなるか、本当に楽しみです。報告してね!

菜野さん:もちろんです。今日は楽しかったです。ありがとうございました。

優季さん:直にお目にかかってお話できて、うれしかったです。ありがとうございました。

◆薄井シンシアさん

薄井シンシア
薄井シンシアさん
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1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う大学のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラ社に入社し、オリンピックホスピタリティー担当就任するも五輪延期により失職。2021年5月から2022年7月までLOF Hotel Management 日本法人社長を務める。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia

撮影/黒石あみ 構成/赤坂麻実

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