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「卵巣がん疑い」で手術した65歳オバ記者、検査漬けの日々で感じた病院にある”イライラの種”

ステージ2の胃がんだった義父は病院を“拒絶”

そういえば4年前に亡くなった義父は、ステージ2の胃がんのとわかったとたん「オレは手術はしない」とキッパリ。医師と家族が口々に手術をすすめたけれど、どうしても首をタテに振らないの。「オレの知り合いはがんで手術したらみんな死んだ」というのがその理由。

オバ記者
4年前に亡くなった義父
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てか、無教養人の義父の医学知識は「病は気から」のみ。誰かが病気で入院すると「意気地がねぇから病気になるんだ」とののしっていたの。だから「オレが大丈夫といったら大丈夫」と頑張っていたんだけれど、日に日に食事が喉を通りにくくなる。そんなある日、やっと手術を前提に検査をしてもらおうかという気になって、予約をとって孫といっしょに地元の総合病院に赴いたんだけどね。

短気な義父は、待ち時間ががまんできない。何度か看護師に「まだか」と聞いたあげく、とうとう待合室いっぱいに響く声で「ふざけんじゃねぇ! いつまで待たせんだっ。ああいい、もういい。オレは死んだってかまわねぇから!」と怒鳴ったのだそうな。その直後、義父は待てなかった自分を後悔してしょげ返っていて、その8か月後、他界した。

そんなあれこれを思い出したりして、エコー、CT検査、PET検査、乳がん検診、大腸がん検診、子宮体がん検査、緑内障検査などなどをこなして、ようやく入院したときは正直、ほっとしたもんね。

医師と看護師が病室に来るのが新鮮だった入院生活

入院してから手術まで土日をはさんで4日間。結局、「卵巣がんの疑い」の”疑い”が晴れないまま手術をするのは不安だったけれど、「腹部の奥深くある卵巣は腹部を開いて見ないとわからない」と言われたら納得するしかない。

オバ記者
お守り代わりにしていた愛猫・三四郎のTシャツ
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それでも検査漬けの日々、待ち時間の日々を思えば、なんでもいいから悪いところは切ってちょうだいという気になるんだよね。それに入院したら、私が病院に行くのではなく、医師と看護師が私の病室に来てくれるのも、生まれて初めて入院した私には新鮮だった。

オバ記者
手術を終えた後のオバ記者
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で、手術では、12cmに肥大した左の卵巣と正常な右の卵巣、それから子宮を全部摘出するのに6時間かかって、今のところの診断は「境界悪性腫瘍」だけど、それも手術中に大急ぎで細胞検査をした結果。最終的な診断はまだ下されず、引き続き「卵巣がんの疑い」の私。まだ歩くと傷口が鈍く痛んで、すぐに疲れてしまうのよね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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【319】65歳オバ記者「卵巣がん疑い」に 検査から告知、手術直前までをレポート

 

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