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「卵巣がん疑い」65歳オバ記者、ついに最終診断の日 医師が告げると「ひざから崩れ落ちそうになった」

食事の時間が楽しみになったが…

9月30日から10月11日までの12日間の入院で、途中、手術前に絶食をして、最終日は朝食だけだから全22食。実は私、全部写真を撮ったの。

オバ記者
女性外科は食事制限がなくて手術前は一般食
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入院当日、最初の食事はカレーランチで普通の家庭のカレーのようにじゃがいもが入っていて、普通においしい。これで期待値が上がった私はそれから食事時間がとても楽しみになったの。

オバ記者
こちらも普通食。どれを食べてもおいしい
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感心したのは1日1800kcalなのにご飯ががっつり盛りなんだよね。看護師さんが「食事はどのくらい食べましたか?」と毎回、聞きに来るんだけど、カーテン越しに声だけ聞こえる同室の人は「ご飯を残しました」と言っていたもの。もっとも私はパーフェクト!! 一回もなにひとつ残さず平らげたわよ。

手術前に絶食をして、手術後もガスが出るまでは絶食。ガスが出るか出ないかは、手術後の回復のバロメーターだから、ずっと下腹部の調子が気になるんだよね。「どういうことかはわからないけど、ふだん快食快便の人に限ってガスの出るのが遅いんですよね」と、これは同室の人に看護師さんが話していたことだ。

一度もメニューが重複しなかったことに感動

快食快便といったら私のこと。案の定、手術後1日は当たり前だとしても2日、3日の朝が明けてもいっこうにお腹が張る気配がない。その間、同室の人に運ばれてくる食事のにおいがあまりに香ばしくて、いっそのことガスが出たとうそついちゃおうかと思ったほどよ。

後のことを考えてどうににか思いとどまったけれどね。やっと3日目の午後にポワンと力のないガスが出たときは、ほんと、ホッとしたわ。

オバ記者
ようやくガスが出て食事が…
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ガスさえ出れば、食事が出る。といっても米粒のないおかゆと果物のジュースなんだけどね。それでも「よし、大丈夫だ」と体中に希望がみなぎったわよ。

栄養を入れていた点滴が外れて身軽なことったらない。相変わらずご飯はおいしい、のもある。それより一度もメニューが重複しなかったことに感心したわよ。

とはいえ、食事のアラも見えてきたの。病院食だから仕方がないんだけど、どの料理も冷めていて、うすらあたたかいんだよね。

オバ記者
病院食は美味しかっただけじゃなく、味付けやメニュー内容と学びも多かった
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フーフーしてお味噌汁を飲みたい。アツアツ、炊き立てのご飯を食べたいと、まあ、こんなことを考えだしたら退院間近なんだけどね。

それでも家に帰って自炊をしたら、病院の塩気の足りない野菜の煮物を体が欲しがったんだよね。あと、よく出たすまし汁も私の自炊メニューになったし、出汁を利かせるのもそう。

つらかった手術だったけど、病院食は私の宝にしたいと思っているんだ。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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