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「バブル時代の恋愛をもう一度」――恋愛症候群の50代女性が“危ない相手”の罠にハマらないためには?

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「バブル時代の恋愛をもう一度」――恋愛症候群の50代女性が“危ない相手”の罠にハマらないためには?(Ph/イメージマート)
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「人生100年時代」といわれるなか、50代の恋愛は珍しくありません。恋愛コラムニストの夏目かをるさんは「50代の恋愛症候群が増えている」と話します。恋愛症候群とは、恋愛したいという願望が高ぶり、実際に婚活アプリで相手を探すなど行動を起こしている状態のこと。そんな女性の中にはバブル時代を忘れられずひたすら恋愛を追い求め、男性につけこまれるケースも。危ない相手の“罠”にはまらないための方法を夏目さんに聞きました。

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アラフィフ世代に見られるバブル時代の恋愛を引きずっているケース

私が取材してきたアラフィフ女性には、バブル時代の恋愛を引きずっている人が少なくありません。そのため、過去のキラキラした自分に戻った気分でうっかりと危ない相手に惑わされるなどの“罠”にはまってしまうケースもあるのです。

恋愛相談を始めとして、異業種交流会やパーティーなどで知り合ったアラフィフ世代の女性たちに話を聞くと、同年代の歌手・華原朋美さんに自分自身を重ねる傾向が見えてきます。

かつて「現代のシンデレラ」と称された華原さんは、蜜月だった小室哲哉プロデューサーと破局すると、度重なるお騒がせ行動が原因で事務所から解雇されるなど、一時は再起不能と言われました。愛する人と別れてから転落する華原さんに、同年代の多くの女性たちの心が揺さぶられたのは、“若かったころ、昔のカレと輝いていた私”を思い出したからでしょう。

歌姫として奇跡のカムバックをし、さらにシングルマザーとして奮闘後に、再婚した夫から「絶対幸せにするから」と言われた華原さんに、まるで自分のことのようにキュンキュンする女性もいたのです。

ところが再婚後も、夫にまつわる不祥事報道に翻弄される華原さん。そんな姿に重なるように、恋愛が行き詰まってしまうアラフィフ女性も存在します。

恋愛の挫折から深まる孤独に 現実を受け入れられたきっかけは?

ある会社の営業主任を務める陽子さん(仮名・53歳)は、これまで努力してきた甲斐があってクライアントから一定の評価を獲得し、社内でも安定した地位を築いています。

ブランド品が大好きで、フェラガモのバックを愛用する陽子さんはおひとりさまを満喫しているように見えますが、実は誰にもいえない夢があるのです。

それはハイスペックな男性と偶然に出会い、お互いに惹かれ合い、愛し合って結婚することです。

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バブル時代にちやほやされた頃の輝いていた自分をもう一度取り戻したいという願望が…(Ph/イメージマート)
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現実離れしたこのメルヘンチックな陽子さんの恋愛観は、バブル時代にちやほやされた頃の輝いていた自分をもう一度取り戻したいという願望の表れです。

ところが現実は厳しいもの。夢見るアラフィフの陽子さんは40代になると次第に恋愛から遠ざかっていきます。この数年は男性と触れ合ったことがないという陽子さんの孤独につけ込むように、独身パーティーで知り合った10歳年下のイケメンから商業目的のビジネスをもちかけられたのです。

断り切れなくなって、ついタワマンバーティーや合コンで知り合った高収入の参加者にすすめようとしたときに、陽子さんの目的に気づいた幹事らから出入り禁止を宣告。人脈を始め多くのものを失った陽子さん。孤独が一層深まっていきました。

その後しばらく放心していましたが、やがて地方のクライアントから頼まれて、地方活性化のボランティアの手伝いをしているうちに、地域の人たちから感謝されるようになったそうです。

「求められる場があれば、それでよいという心境になりました」

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まるで憑き物が落ちたように(Ph/イメージマート)
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まるで憑き物が落ちたように、陽子さんは目の前にある現実を受け入れられるようになったといいます。それだけ深い孤独と絶望、さらに将来に対する不安にさいなまれていたということでしょう。

将来は営業スキルを活かして、地方活性のビジネスに着手したいという陽子さん。そのため今から準備中です。