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やるとやらないで暖房効率に大きな差! 冬がくる前にやるべき「エアコンのお手入れ」を家電ライターが指南

首にマフラーを巻いた女性が部屋の中でエアコンをつけている
冬が来る前にやるべき「エアコンのお手入れ」。するとしないでは暖房効率や電気代に差が出る?(Ph/イメージマート)
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早いもので来月はもう師走。冬の暖房シーズンに突入します。家電ライターの田中真紀子さんは、「暖房を使い始める前にやるべきことがある」と言います。その内容は? 詳しく教えてもらいました。

天気のいい日に試運転をする

田中さんは、暖房をつけ始める前に、お手入れや暖房運転の「試運転」をすることをすすめています。

エアコンがあるリビング
家庭用壁掛けエアコンにおいて、冷暖房運転中に給気換気・排気換気ができる機能を最初に搭載したのがダイキン
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「エアコンは夏季の冷房運転中、内部に結露が発生しています。室内機の中の熱交換器(フィン)で暖かい空気を冷却する際、暖気と冷気の気温差が原因で結露が生じてしまうのです。自動お手入れ機能がついているエアコンなどで、運転後に送風や内部クリーンで乾燥しているならいいですが、何もしないでいると内部の結露からカビや雑菌が発生している可能性があります。

それを放置していると、久しぶりにエアコンで暖房運転を使ったときに、内部のカビが撒き散らされ、カビ臭さが部屋中に放出されてしまうのです。

そこで、暖房運転をそのシーズンで初めて使用する前に、天気のいい日を選んで窓を開けて、送風運転を長めに行うことをおすすめします。送風運転で、内部に溜まったカビや雑菌を外に放出するためです。もし送風運転をしても、エアコンから出る風に内部のカビや雑菌によるカビ臭さがが残っている場合はエアコンクリーニングを依頼したほうが安心です」(田中さん・以下同)

1年間フィルター掃除をサボると電気代が約25%UP

試運転を始める前に、次の準備をするべきだと、田中さん。

エアコンのフィルター部分
冬でももちろんフィルターの掃除は必須(Ph/イメージマート)
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「まずは、フィルターのお手入れ。ご存知のようにフィルターにホコリが積もってしまうと、室内機で吸い込める空気の量が減ってしまうため、暖房効率が下がります。ダイキンによると、フィルターを1年間掃除しないと、約25%も電気代が上がってしまい、無駄につながる場合もあるそうです」

室外機周りに落ち葉や物がないか

続いて、室外機の周りもチェック。

「暖房運転時も室外機から空気を取り込みます。しかし周りが落ち葉や物などで覆われていると、空気が効率的に取り込めなくなってしまい、結果的に消費電力が増えてしまいます。エアコンの使い始めの際は、改めて室外機まわりも整理しましょう」

以上のようにフィルターと室外機周辺のお手入れを行ったうえで、暖房モードで設定温度を最高温度にして、10分ほど試運転を。

「この際、ちゃんと温風が出ているか、異音や異臭がしないか確認しましょう。気になることがあれば、メーカーの窓口やエアコンクリーニング業者など、専門家に相談するのがおすすめです。

ちなみにわが家の場合、冷房運転時は内部クリーン機能を活用していたので、運転をオフにするたびに内部乾燥していました。また夏が終わり『そろそろ冷房運転も最後かな』と思ったタイミングで、熱交換器洗浄機能が搭載されているエアコンは稼働させ、搭載されていないものは、送風運転を1時間ほど行っておきました。おかげで暖房の使い始めに、エアコンから異臭を感じることはありませんでした」

暖房シーズン中にやるべきお手入れ

もちろん、暖房を使い始めてからもお手入れは必須。

「冷房運転、暖房運転にかかわらず、エアコン使用中は2週間に1回程度、フィルターのお手入れを行いましょう。室内の空気を吸い込み、室内機内部で熱のやり取りをしてから、部屋に吹き戻すというエアコンの構造を考えても、お手入れをしっかりやることで冷暖房効率に大きな影響を与えます。

やるべきことは、基本的にはフィルターを外して、ホコリを掃除機で吸い取るだけでOK。油汚れが気になる場合は、中性洗剤で洗い、しっかり乾かしてから取り付けます。あわせて吹き出し口のホコリも掃除機で取り除いておきましょう。

ちなみに暖房運転では結露が起きにくいため、暖房運転後に送風運転などを行う必要はありません」

最後に、エアコン内部の清潔機能を搭載し、さらにこれからのシーズンにうれしい加湿機能付きエアコンを田中さんに紹介してもらいました。

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