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冬の味覚「百合根」をおいしく味わうために 選ぶときのポイントと長持ちさせる保存の方法

百合根のアップ
冬が旬の百合根を食卓に取り入れてみて(Ph/イメージマート)
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きんとんや茶碗蒸しなどに使われる冬が旬の「百合根」。「百合根は花びらのように重なり合っていることから、歳を重ねる、あるいは和合(仲が良いこと)に通じるとされ、吉祥や無病息災の象徴とされる野菜です」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。普段の食卓にはあまりなじみのない野菜ですが、買うときのポイントや保存の仕方を知って、縁起のよい百合根を食卓に取り入れてみましょう。

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おいしい百合根の見分け方 パック詰めよりも丸い状態のままを

たくさんの鱗片(りんぺん)が重なっている形から、百合の字が当てられたといわれる百合根。オニユリやコオニユリなど、ユリ科の球植物の球根で、玉ねぎやにんにく、らっきょうの仲間である鱗茎(りんけい)に分類されます。もっちりとした食感と、ほろ苦い味わいがクセになる冬の味覚です。

オニユリ
百合根はユリ科の球植物の球根(Ph/イメージマート)
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見た目は白く締まりのある百合根が新鮮

百合根は全体的に白く、ふっくらとまん丸のものがよいです。鱗片に大きくハリと締まりがあるものを選びましょう。身が固く、持ったときに重く感じるものはみずみずしく新鮮です。また、紫がかっているものは苦味が強い傾向にあります。また、変色や黒ずみが多いものや傷があるもの、しなびているものも新鮮ではないので避けてください。

パック詰めはできるだけ避けるべき

鱗片をバラバラにしてパック詰めされた百合根も販売されています。パック詰めのものは使いやすくはありますが、より新鮮でおいしいものを求めるならば、おがくずと一緒に丸い状態のまま保存されている百合根を買うことをおすすめします。

百合根の冷蔵&冷凍保存 冷凍は下処理の方法も

百合根はやり方次第で、1~2か月程度の保存ができます。冷凍も可能なので試してみてくださいね。繊細な鱗片を傷つけないように取り扱うことがポイントです。

冷蔵の際はおがくずがなければラップでOK

売り場の百合根
購入時におがくずに入っているものはそのまま保管を(Ph/イメージマート)
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購入時におがくずが入っている百合根は、そのままおがくずの中に埋めて野菜室に置けば、1か月程度保存ができます。おがくずで百合根が完全に隠れるくらいの状態がベストです。もしおがくずがない場合は、ラップで密閉してから野菜室に入れておきましょう。

百合根は乾燥に弱いので、おがくずが乾燥してきたら、霧吹きなどで軽く湿らせるといいですよ。ただし、百合根自体は水に濡れると傷んでしまうので、注意しましょう。もし百合根が濡れてしまったときは、できるだけ早めに使い切ってください。

下処理をすれば冷凍で2か月保存可能

百合根の量が多くて食べきれないときは、冷凍保存もOKです。

鱗片を1枚ずつばらし、沸騰したお湯にさっと入れて1分ほど固茹ですれば、下処理は完了です。しっかりと水気を切ってから冷まし、保存用袋に入れて冷凍庫に入れましょう。1~2か月程度保存ができますよ。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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