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犬や猫が春にかかりやすい健康トラブルは? マダニやストレスに注意

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犬や猫が春にかかりやすい健康トラブルは?(Ph/イメージマート)
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日に日に暖かくなってきました。花粉症に悩ませられる人も多いですが、犬や猫は春、注意すべき病気はあるのでしょうか? 今回は、犬や猫の健康リスクのうち、季節性があって春に高まるものを獣医師の山本昌彦さんに挙げてもらいました。

春先からマダニやノミが活発に

犬や猫にとって、春になるとリスクが高まる病気や健康トラブルといえば、何でしょうか。山本さんが真っ先に挙げたのは、マダニやノミに関する疾患でした。

「マダニやノミは日本全国どこにでもいて、犬や猫が草むらなどに入ると、毛にくっついてきて潜り込み、皮膚に噛みついて吸血します。血を吸われるとかゆみや腫れが出て皮膚炎になったり、一度に大量のマダニやノミに寄生されると貧血になったりすることがあります」(山本さん・以下同)

人に感染する病気も媒介

さらに恐ろしいのが、マダニやノミに感染している寄生虫が、吸血の際に犬や猫の体内に入り込んでくることです。ライム病や日本紅斑熱、Q熱(コクシエラ症)、ダニ媒介性脳炎、重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)瓜実条虫など、人に感染する病気も媒介します。

「マダニやノミは、冬季は活動量が低下しますが、気温13~15℃ぐらいを境に、活発化して積極的に吸血や繁殖を始めます。冬が終わったばかりの春先には、飼い主さんも予防を失念することがあるかと思いますが、できれば通年で予防していただきたいです」

動物病院で予防薬を処方してもらって、定期的に予防するのがベスト。また、春夏は犬の散歩から帰ったら入念にブラッシングをしながらノミ、ダニがいないかチェックできるとなお安心です。猫は今では室内飼いがほとんどだと思いますが、“外から帰ったらチェック”を習慣づけたいですね。また、犬や猫が外に行かなくても、例えば飼い主さんのズボンの裾にくっついて家に入ってくることなどもあるので、同じようにチェックするとよいです。

犬は花粉アレルギーにも対策を

さて、今年は花粉の飛散量が例年に比べて特に多いと話題です。東京でいえば3月中はスギ花粉、4月にはヒノキ花粉が大量に飛び散ることが予想されています。今年ついに花粉症デビューしてしまったという声も聞こえてきますが、犬や猫の場合も花粉症に苦しむことがあるのでしょうか。

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犬や猫の場合も花粉症に苦しむことも?(Ph/イメージマート)
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「犬や猫も、花粉にアレルギーのある子がいるにはいますが、人間の花粉症のように鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状に見舞われることはあまり多くないと思います。鼻水やくしゃみなどの呼吸器症状よりも皮膚症状の発現が多いです。皮膚がガサガサしてかゆがったり発疹が出たりする症状が中心ですね。このような花粉アレルギーは、主に犬に見られます。猫では非常にまれですね」

犬の花粉アレルギーは散歩帰りのブラッシングで対策

犬の花粉アレルギーも散歩帰りのブラッシングで対策できるといいます。

「要はアレルギーの原因物質を除去すればいいので、ブラッシングしたり、体をタオルで軽く拭いたりすると効果的です。犬のいる場所に空気清浄機を置くのもいいですね。ヒトの花粉症と対策が通じますが、飼い主さんが帰宅した際には服に付着している花粉を落としてから家の中に入るのも大事です。

花粉由来のものに限らず、アレルギー性皮膚炎もアトピー性皮膚炎も冬より春夏のほうが、症状が重くなりやすいことが多いです。アレルギー症状が見られた場合には、アレルギー検査で愛犬、愛猫が何にアレルギーを持っているか調べておいて、アレルゲンを遠ざけてあげることが大切です」

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