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「体によい脂質」とは?1年で24kg減量した専門家はどんな食べ物で取り入れているのか

酸化した脂質にはビタミンB2で“対抗”

現代の食生活では、過酸化脂質は少なからず体に存在してしまいますが、“対抗”するのに役に立つのがビタミンB2です。

過酸化物質は体内に蓄積すると、老化や動脈硬化などを進行させてしまう有害物質です。食べ物からビタミンB2を意識して摂取するように努めると、この過酸化脂質を分解させることができるのです。

一方で体やダイエットによくないと言われる飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸に比べて体に蓄積されやすい脂質ですが、酸化しにくいというメリットがあります。

女性のお腹
飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸に比べて体に蓄積されやすい脂質ですが、酸化しにくいというメリットも(Ph/イメージマート)
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普段から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のメリットとデメリットを頭の片隅においておくだけでも摂取する食べ物が変わってくるはずです。

脂質との上手な付き合い方とは?

以上を踏まえてどんな食べ物をどう取り入れていくのがいいのでしょうか。

私はアマニ油やえごま油は酸化してしまう前に使いきれないのでほとんど調理には使わず、酸化しにくく飽和脂肪酸のバランスのよいカメリナオイル(アブラナ科の植物カメリナサティバの種子から精製したオイル)を使用しています。また、ナッツ類はできるだけ真空状態にして冷暗室で保存し、魚類はできるだけ生のものを食べるように意識しています。

厚生労働省のガイドラインでは、脂質の摂取カロリーは総摂取カロリーの20〜30%が推奨されています。総摂取カロリーは成人女性の場合は1400〜2000kcal、男性の場合は1800~2400kcal程度が目安とされているので(農林水産省推奨)、女性は350〜500kcal、男性は500~600kcal(男女とも総摂取カロリーの25%で計算)が目安になります。

ダイエット中、「よい脂質」のナッツ類はついつい食べすぎがちですが、10粒計算でアーモンドは約60kcal、ヘーゼルナッツは約110kcal、くるみは約270kcal、カシューナッツは約90kcalあります。そしてナッツ類はオメガ6の含有量が多く、炎症作用もあります。どんな脂質でもカロリーオーバーにならないように注意しながら、その特性をしっかり理解したうえで上手に取り入れましょう。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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