不調改善

「ハイボールに唐揚げ」でも問題ない?血糖値対策にに役立つ食事について医師が解説

缶からグラスに注がれる冷たく冷えたハイボール
血糖値を気にする上で避けがちな「お酒」と「揚げ物」のコンビ、ハイボールと唐揚げならアリな理由とは?(Ph/イメージマート)
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健康を意識しだすと無視できないのが「血糖値」。食事内容を我慢しているという人の中には、本音は揚げ物も食べたいという人も多いはず。万病のもとである「活性酸素」研究の第一人者で、『「血糖値がどんどん下がる」にいいこと超大全』(宝島社)を上梓した医師の板倉弘重さんに、血糖値を下げるのに役立つ意外な食事を教えてもらいました。

お酒も揚げ物も“絶対悪”ではない、血糖値対策に役立つ意外なコンビ

血糖値を気にしていると避けなければいけないのが「お酒」と「揚げ物」のコンビ。ところが、板倉さんによると、血糖値を下げるのに役立つ組み合わせもあるのだとか。

「飲酒が日々のストレス解消や気分転換としての意味を持ち、明日へのモチベーションになっているという人からすると、極端に飲酒を制限することはかえって負担になってしまうこともあります。ただ、そもそも高血糖の対策に関して見れば、お酒は問題ないものなのです。

なかでもおすすめは蒸留酒。焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカなどは糖質がゼロの飲み物です。醸造酒であるワインも糖質は微量なので、そこまで気にする必要はありません。とはいえ、他の健康面から適量を心がけることは必要です」(板倉さん・以下同)

おつまみは「たんぱく質」と「脂」を摂取することを心がける

お酒は適量であれば問題ないということですが、おつまみに揚げ物は問題ないのでしょうか。

唐揚げとカットレモンとパセリがのった皿
おつまみではたんぱく質と脂質を摂るべき(Ph/イメージマート)
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「おつまみは、たんぱく質と脂を摂取することを心がけましょう。たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に重要なもの。そして、脂質はホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもありますし、ビタミンDなど脂溶性ビタミンの吸収を促すなど、重要な役割を担っています。

なので、驚く人もいると思いますが、具体的にはハイボール片手に唐揚げなんて飲み方も実は血糖値の対策としては推奨すべきものだと言えます。どちらも大量に食べてOKというわけではなく、もちろん適量は忘れずに」

唐揚げを食べるなら、単品ではなく「唐揚げ定食」を

食事をする際に「定食」となるとボリュームがあるから、健康を考えて避けているという人もいるかもしれませんが、これも間違った先入観だと板倉さんは言います。

お盆に唐揚げ、ごはん、煮物、サラダ、汁物がのっている
唐揚げを食べるなら単品ではなく定食がおすすめ(Ph/イメージマート)
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「定食は、血糖値の観点から見れば、決して悪い食べ方とは言えません。例えば、唐揚げを『定食』として注文します。その場合、主菜の他にも付け合せや小鉢、さらにはみそ汁もついてきます。ボリュームはありますが、主菜とともに野菜を摂取することが可能なので、結果として食後の血糖値上昇を緩やかにすることができます。もし脂質や糖質をより意識するのであれば、唐揚げの衣を少し落としたり、ご飯を残すなどして調整するのもいいでしょう。

むしろ、丼ものや単品のみの注文の仕方は、糖質過多になるリスクがあることも覚えておきましょう」

炭水化物×炭水化物の「ポテサラサンド」は要注意

なんとなく野菜が挟まっているサンドイッチはカロリーからしてもヘルシー寄りに見えますが、中には注意が必要なサンドイッチもあるそうです。

「一見ヘルシーなサンドイッチでも中に挟まれた具材には注意が必要です。具材がポテトサラダの場合、炭水化物であるパンに、同じく炭水化物であるじゃがいものサラダが挟まれているので、ダブルで炭水化物を摂ることになり、炭水化物の過剰摂取になりかねません。サンドイッチを選ぶのであればレタスやきゅうり、トマトなど野菜がたくさん挟んであるサンドイッチを選ぶのがおすすめです」

◆教えてくれたのは:医師:板倉弘重さん

医学博士。現在、同研究所名誉所員、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、茨城キリスト教大学教授、品川イーストワンメディカルクリニック院長を兼任。万病のもとである「活性酸素」研究の第一人者で、赤ワインやココアなどの抗酸化作用を明らかにしたことでも有名。2022年9月、『「血糖値がどんどん下がる」にいいこと超大全』(宝島社)を出版。

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