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66歳オバ記者、医師がやっていた「もの忘れ防止ワザ」で忘れものが減った&思わぬ効果

オバ記者
「物忘れ」を克服することはできるのか
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ライター歴30年を超えるベテランのオバ記者こと野原広子(66歳)。昨年10月、「卵巣がん」の疑いで手術、入院を経験。その後、境界悪性腫瘍と診断された。それから半年、体調はすこぶるいいというが気になることもいくつか。そのひとつが「物忘れ」。しないためにやってみたこととは?

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玄関出たところで“忘れ物!”がたびたび

人間は2種類。出がけにバタバタする人とそうでない人と。で、私は間違いなくバタバタ派だ。どのくらいバタバタするかというと、一回で家を出られる日はほぼなくて、たいがいは玄関を出たところで「あっ、携帯忘れた!」「財布がないっ!」「名刺入れ、置いてきた」が始まる。

オバ記者
昔からすんなりと家を出たためしがない
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それなら序の口で、駅の改札で忘れ物に気づいたり。最悪なのは電車に乗ってからの「あっ!!」よ。落ち着け、落ち着け。時計を見たら珍しく時間に余裕がある。「よしっ、家に取りに戻ろう」と、決心して家に戻る途中でバッグをまさぐったら、「うそっ!」。なんとさっきまでなかった名刺入れがなぜかある! 「ばかばかばか」。自分の頭を殴りたくなるようなひとり芝居を66歳の今日までいったい何十回繰り返してきたか。

ここのところ「年のせいか忘れ物が増えてきた」という友だちが増えてきたけど、私の場合、物心ついてからずーっとだもんなぁ。その失敗がだんだん頻繁になってきただけで、この性分に絶望していたら「野原広子」はやっていられんのですよ。

医師がやっていた“忘れないためのワザ”

そんな私が昨年秋に婦人科系の病気で大学病院に入院した。その前に1か月かけてあれやこれやと検査をしたけど、予約していた時間に診察が始まることはなくて、やたら待たされた。本を読もうにも身が入らず、結局ぼーっとあたりを見渡して時間をつぶすしかなかったんだけどね。ある日、気が付いたの。若い医師はちょっとの時間も惜しむように院内を走り回っている。走りながら手の甲にボールペンで何か書いているんだわ。何とそこにはメンディングテープがビッシリと貼りつけてあったのよ。

オバ記者
昨年、卵巣がんの疑いで手術を受けたオバ記者
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なるほどねぇ。頭のいい人は考えることが違うわ。忘れそうなことをメンディングテープに書いて、解決したら手からはがして捨てる。解決しないことは手からはがして手帳にペタペタ貼りつけておく。いわゆる”見える化”ってやつね。

さっそくやってみたら、これ、思ったより効果があったんだわ。私の場合、手に貼るのがうっとうしい時はパソコンやスマホに貼ったんだけど、“見える化”の効果で忘れものはすっかりなくなった、なんてことはないのよ。でも前よりずっと減ったのは確か。でもそれ以上に効果があがったのは、メモを始めたら、勢いづいて明日することまで書き出し、それがおっくうじゃなくなったの。先日はとうとう明日着ていく洋服を前夜にそろえたんだから!

オバ記者
“見える可”効果で忘れ物が減っただけじゃなく、次の日の準備まで出来るように(Ph/イメージマート)
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まあ、人によっては「そんなの当たり前じゃん」って話だろうけど、出がけにバタバタ人生を66年も続けてきた私。この変化はわれながら誇らしくて、ひとり夜中に、ハンガーにかかった明日着ていく服を見て笑っちゃったもんね。何でもそうだけど対処のしようがあるとホッとするよね。

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