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結局、扇風機は部屋のどこに置くのがベストなのか? 条件によって変わってくる“置く場所”を家電ライターが解説

3DCGで描かれた扇風機のイラスト
扇風機はどこにどう置くと最大限に涼めるのか(Ph/イメージマート)
写真6枚

蒸し暑い日が増えてきました。電気代節約のためにも、エアコンに頼らず扇風機を使っている人もいるのではないでしょうか。家電ライターの田中真紀子さんによると、扇風機は置く場所と風向きを意識することで、涼しさが変わってくるそう。どこにどう置くと最大限に涼めるのでしょうか。窓を閉めて扇風機を使う場合、窓を開けて使う場合、エアコンと併用する場合と、条件ごとに扇風機のベストポジションを教えてもらいました。

条件別・扇風機のベストポジション

まず前提として、扇風機を使う際に窓を開けるか閉めるかは、外気温と室温の関係で判断すべき、と田中さん。

外気温が高い時は窓を閉め切って扇風機の風に直接当たる

「外気温が室温より高い場合は、窓を開けると逆に熱風が室内にはいり込んでしまいます。このようなときは窓を開けずに、遮熱カーテンを閉めて扇風機をまわしたほうが涼しく過ごせます」(田中さん・以下同)

その上で、もっとも涼しく感じられる使い方は、扇風機の風に直接当たること。

「暑いと汗をかくのは、その汗が蒸発することで熱が奪われ、体温が冷やされるため。しかし体のまわりは水蒸気を含む薄い空気の層で覆われており、蒸発がうまくいきません。そのため扇風機などの風を当てると空気の層が吹き飛ばされ、蒸発が促され、涼しさを感じるのです。ただし気温が35℃を超えると、扇風機によって体温に近い風が体に吹き付けるため、かえって体温を上げてしまいます。特に汗が出にくい人は体温がこもりやすいため注意しましょう」

室温より外気温が低いときは窓を開け、窓のそばに置いて部屋側に送風

では外気温が室温より低い場合は、扇風機をどう使うといいのでしょうか。

窓際に置かれた扇風機
早朝や夜などは室温より外気温のほうが低い場合は、扇風機を窓のそばに置き、部屋側に向けて風を送る(Ph/イメージマート)
写真6枚

「早朝や夜などは室温より外気温のほうが低い場合も多いため、外気を室内に取り込むように扇風機を窓のそばに置き、部屋側に向けて風を送りましょう。逆に室内に熱気がこもっていると感じたら、扇風機を窓の対角線上に置き、窓側に風を送るようにすると、熱気を窓から追い出せます」

エアコンと併用する場合

真夏は、扇風機1台だけでは暑さがひかず、エアコンの併用が欠かせません。その場合は、2つの方法があります。

「ひとつはサーキュレーターのように使う方法。エアコンで冷やされた空気は低い場所に溜まりやすいため、部屋の中でも場所によって温度ムラが起こりやすくなります。この温度ムラを解消させるために、サーキュレーターが活躍するわけですが、扇風機でも代用できます。

近年増えている、風を遠くまで送ることができる扇風機や、上下左右に90度、あるいは180度など立体的な首振りができる扇風機をお持ちの場合は、サーキュレーター代わりに活用しましょう。扇風機の置き場所の基本は、エアコンの風下となる場所に向かい合わせに置き、首は天井に向けます。こうすることで天井に溜まりがちな暖気を拡散しつつ、空気の循環を促します。

もうひとつは、エアコンで部屋を冷やしつつ、扇風機の風を体に当てるパターン。前述のように扇風機の風に当たると体温が下がるため、エアコンの設定温度以上の涼しさを体感できます」

より涼むためのひと工夫も知っておくと便利

さらに、次の工夫でより涼しく過ごすことも可能に。

「気加熱を利用すると、より扇風機の風が涼しく感じられます。例えば窓を開けて使用する場合は、ベランダや家の前に打ち水をしておくといいでしょう。また、濡らしたタオルを絞って首にかけておく方法もあります。扇風機の前、または真後ろに、水を凍らせたペットボトルを置いておくと、ひんやりした風が送り出され、気持ちよく感じます」

注意すべきは、どんな日でも扇風機1台で過ごせるわけではないこと。

「いずれの場合も、室温が30℃を超えてくると熱中症の危険が高まります。熱中症リスクは湿度が高いとさらに上がりますので、環境省が発表する『暑さ指数(WBGT)』(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php)を参考にしながら、扇風機だけでなくエアコンも併用するようにしてください」

以上を踏まえ、田中さんがおすすめの扇風機を2点、挙げてもらいました。

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