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「秋の羽織りもの」の着こなし方、おしゃれとダサいの境界線は? 流行りのショートジャケットからカーディガン、ストールまで

ベージュのカーディガンを着て下にしましまのカットソーを着た女性の上半身
秋に大活躍の羽織ものと着こなし方をスタイリストが指南(Ph/イマージマート)
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肌寒さを感じる秋は、羽織ものが重宝する時期。若い女性の間ではショート丈のジャケットやカーディガンなどが人気ですが、アラフィフにおすすめは? 秋に大活躍の羽織ものと着こなし方をパーソナルスタイリストの杉山律子さんに教えてもらいました。

流行りのショート丈アウター、アラフィフが選ぶなら腰骨までの丈はマスト

今年の秋はショート丈のアウターがトレンドで、若い女性にはウエストが見えるくらい短いものも人気ですが、大人女性が取り入れるならどれくらいの丈がいいのでしょうか。

オレンジのカーディガンを着た女性の顎から下上半身
丈が極端に短くなったデザインが流行っているが、アラフィフは短くても腰骨くらいの丈のものがベター(Ph/イマージマート)
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「今年はテーラードジャケットやGジャンなどのアウター全般で、丈が極端に短くなったデザインをよく見かけます。若い女性だとかわいいのですが、アラフィフの場合、お尻周りをカバーしたいと思う人が多いのでショート丈といっても腰骨くらいの長さはあったほうがいいですね。それはくらいの丈があれば着こなしもしやすいです。

また、ジャケットやGジャンなどは肌寒い時期に重宝するアイテムですが、Gジャンはかなりカジュアル度の高いアイテムなので大人女性向きではありません」(杉山さん・以下同)

ざっくりカーディガンはチュニック風に、ツインニットは肩がけにして

ジャケットよりも気軽に使える羽織りものといえばカーディガンですが、今秋はざっくりとしたオーバーサイズのものもよく見かけます。体型を気にせず着られそうな反面、もっさりだらしなく見えてしまうという危険も。

「ざっくりとしたカーディガンも実は大人女性には難しいアイテム。ルーズな印象になりがちで、ルーズさをおしゃれに見せるにはかなりの着こなし力が必要なんです。大人女性が簡単に着こなすコツとしては、ボタンを下3つくらいだけ閉め、胸元にVラインを作ってチュニック風に着るのがおすすめ。オーバーサイズでもキレイめに見せることができます。

また、定番の丸首ツインニットはきちんとした印象もあり、大人女性が手を出しやすいイメージですが、ツインニットのカーディガンに袖を通して着ること自体、実はハードルが高いんです。おしゃれに見せるなら、袖を通さずに肩にかけましょう。またはストールのような扱いで肩にかけて袖を結んで着るのがおすすめです」

上半身の主張が強いカーディガンはボトムスと足元はスッキリまとめる

ざっくりとしたカーディガンをチュニック風に着る場合、合わせるボトムスは? ツインニットは何に合わせる?

ブルーのざっくりニットカーディガンに白のインナーと白のスカートと黒のロングブーツはいた女性のイメージイラスト
ざっくりカーディガンは胸元にVライン、ボトムと靴はきれいめを合わせてすっきり着こなすと上品(イラスト/飛鳥幸子)
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「カーディガンがオーバーサイズなので、ワイドパンツはバランスが悪くなります。タイトスカートやテーパードパンツなどの細身のボトムスと合わせましょう。ツインニットの場合は、フレアのロングスカートでもワイドパンツでも合いますよ。

カーディガンの場合、上半身がざっくりとしていたり、カーディガンを肩がけしていたりと上半身に主張があるので、足元はスッキリコンパクトにまとめるのがポイントです。ニットがカジュアルだからといって、足元が大きく見えるスニーカーを履くのはNGで、つま先の尖ったポインテッドのデザインを選びましょう。

特にロングブーツが便利です。細身のパンツならブーツインすればスッキリまとまります。スカートの場合でも、裾がかぶる長さのロングブーツを履くと、靴とスカートに分断が生まれないのでスッキリします。靴+肌(タイツや靴下)+ボトムという具合に、中途半端に横に分断される数が多くなるとコーデがごちゃつく原因になります」

秋はストールも活躍。ポンチョ風に使うのもおしゃれ

「大判のストールは、カーディガンでは袖を通しにくいトップスの上からでも羽織れるので1枚あると便利です。首に巻いて使う人が多いですが、肩から掛けてローブカーディガンのように使ったり、片側を長めに垂らして長い方を反対の肩に持ってきてブローチで止めてポンチョ風に使うのもおしゃれです。160cm×70cm程度の大きさが使いやすいですよ」

肌寒いときにさっと羽織れるアイテムは便利ですが、ひとつ間違えると生活感がにじみ出たり、ラフになり過ぎてしまうことも。杉山さんのアドバイスを参考に、トレンドを上手に取り入れておしゃれの秋を楽しみましょう。

◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

パーソナルスタイリストの杉山律子さん
パーソナルスタイリストの杉山律子さん(Ph/黒石あみ)
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一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719

取材・文/青山貴子

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