ボディケア

表情筋研究家がすすめる“理想の顔”の作り方 「顔を動かす筋肉」を意識すればネガティブな感情から自由になれる

顔を動かすことが「自信」につながるワケ

私はいつも「顔を動かすと自分に自信がもてる」とお話ししています。なぜ顔を動かすことが自信につながるのか、疑問に思う方もいるかもしれませんので、もう少し掘り下げてご説明しましょう。

顔には左右合わせて50もの筋肉(表情筋)があります。

たとえば、あなたは「頬を持ち上げる筋肉はどれ?」と聞かれて「大頬骨筋!」と答えられますか? 普通はそんなこと、意識しないですよね(笑)

けれど、今どの筋肉をどのように使うべきかを理解し、コントロールできるようになると、モヤモヤとした迷いが消えます。

面接やスピーチなど緊張する場面でも「今、大頬骨筋がこわばっているから笑顔をつくりにくいんだな」と、冷静に状況を判断できます。そして「じゃあ、大頬骨筋を意識して口角をより上げよう」と、適切な解を導き出せるのです。

重要なポイントは、「そこに感情は介在しない」ということ。

「大事な場面で顔がこわばるなんて、私の心はなんて弱いんだろう」などと、ムダに性格を責めずにすみます。「性格が弱いからどうしようもない」などという、思考停止に陥ることもありません。というか、そういう発想自体、しなくなります。

「自分を責めるクセ」「悩みグセ」を取り払おう(Ph/photo AC)
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「クセを外す」コアフェイストレーニング

「ただの筋肉の動かし方の問題」だと、ありのままに受け止められるようになるのです。つまり「自分を責めるクセ」をなくせます。悩みグセを解消できます。この「クセ」を外すことこそ、コアフェイストレーニング(*編注/間々田氏が考案した体ごと表情筋を鍛えるメソッド)なのです。

表情筋の正しくないクセ、自分をネガティブに責める思考のクセ。表情もメンタルも「クセ」によって形づくられています。だからこそ、トレーニングによって生まれもった望ましくないクセを外し、新たに望ましいクセをつけていくことで、人は大きく変われるのです。

今の私はというと「今日の講演では右の口角ばかり上がっていたな」といった具合に日々の細かい変化に気づくので、あとは「左の口角挙筋も意識してトレーニングしよう」と結論できるまでになりました。

「なぜ今、こういう表情をしているのか」が手に取るようにわかれば「だったらこうすればいい」という解決策もわかり、あとはそれを実行するだけ。そこに性格やメンタルの強弱なんて関係ないことが実感できるでしょう。

自分をムダに責めなくなると、自信が生まれます。そして「なんだ、トレーニングしたら私も思いどおりに顔を動かせるんだ!」という驚きと自信のあとに「私もここまでできるんだ!」と、自分を認めて好きになる気持ちがわいてきます。そうして、性格まで前向きになれるのです。

ひとつ誤解しないでほしいのは、マイナスの感情を抱いてはダメ、という意味ではないということ。とっさにネガティブな感情にとらわれることは、人間誰しもあります。

コアフェイストレーニングの真髄は、そうなったとしてもすぐに内面をゼロにリセットできる、自分をニュートラルな位置へ戻せる、という点にあるのです。

◆教えてくれたのは:表情筋研究家・間々田佳子さん

表情筋研究家・間々田佳子さん
表情筋研究家・間々田佳子さん
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ままだよしこメソッド代表取締役。顔の学校「MYメソッドアカデミー」主宰。日本に「顔のヨガ」ブームを起こした第一人者。2020年、体全体を整えながら顔を鍛える「コアフェイストレーニング(R)」を考案。顔や表情の悩みを解決に導くメソッドとして、その普及と発展に努めている。各種メディアのほか、企業の研修やイベントなど幅広く活動し、講座受講者はのべ3万人超。著書は15冊・累計55万部を突破。2023年11月、『伝わる顔の動かし方 コミュニケーションは見た目が9割』(光文社)を出版。

『伝わる顔の動かし方』(光文社)

●【動画レッスン】むくみを改善!間々田佳子さんの「顔ヨガ」5選

●コミュニケーションの質を左右する“見た目” 大切なのは「もとの顔立ち」や「笑顔」ではなく「TPO顔」を作れるかどうか

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