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《春の七草を味わう》根までおいしく食べたいセリ 買うときのポイントや極旨レシピを野菜ソムリエプロが伝授

セリ
春の七草の1つであるセリ(Ph/photoAC)
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春の七草として知られるセリは、冬から早春にかけて旬を迎えます。「“競り勝つ”ことから縁起物とされている野菜で、旬の今がおいしいセリ。選ぶべきポイントを知っておけば、よりよいものを買うことができます」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。プロ目線でのセリの選び方や保存の方法について、さらに体にやさしい栄養も詳しく解説してくれました。

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セリの目利き&正しい保存の方法

互いに競り合うように伸びるのがセリの名の由来です。中でもおいしいものの選び方と、正しい保存の方法からお話しします。

緑の葉の色&節の太さで選ぶ

セリを選ぶときは、まず葉からチェックしましょう。ハリがあってみずみずしく、鮮やかな緑色のものが新鮮です。黄色や黒色になっていたり、葉先がしなびていたりするものは、鮮度が落ちている証拠なので避けてください。

茎もよく見てみましょう。太めのほうがシャキッとして食感がよい傾向にあります。さらに、持ったときにくたっと曲がってしまうようなものは鮮度がよくありません。ピンと立つものを選んでください。

セリを手に持っている
購入するときは葉や茎をチェック(Ph/photoAC)
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また、茎には節がなくきれいなものがよいです。大きな節があると、硬かったり苦味があったりします。さらに、長く横においてあったセリは、茎が曲がって葉っぱが起き上がっていますので、そういったものは避けてください。

ちなみに、セリは根まで味わうことができる食材ですが、根元の土が気になる場合は、調理の前に歯ブラシや爪楊枝を使って土をかき出し、よく洗い流せばきれいになります。

セリの根
きれいに洗ってセリの根まで味わって(Ph/photoAC)
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冷蔵は根元を濡らして保存!冷凍もOK

セリは、冷蔵保存なら2〜3日保存ができます。水で濡らした新聞紙またはキッチンペーパーで根元を包んでから、ビニール袋やポリ袋に入れて口を閉じます。そして、野菜室に入れるときは、できるだけ立てて保存しましょう。前述した通り、横にして保存すると茎が曲がって傷みやすくなるので、できるだけ立てて保存するのがおすすめです。

使い切れないセリは、冷凍すれば1か月程度保存することができます。茎がしんなりとする程度にさっと茹でてから冷まして水気をきり、使いやすい大きさにカットしてから保存袋へ。小分けにしてラップで包んでおくと、使い勝手がよくなります。

使うときは、加熱調理していただきます。煮物やパスタ、ラーメンなどのトッピングに使うと風味が増しておいしいです。

体や肌の健康、リラックス効果も!セリの栄養

セリは春の七草に数えられるだけあって、栄養豊富で体にやさしい野菜です。どんな栄養が含まれているのか、詳しく解説します。

セリ
セリに含まれる栄養素を解説(Ph/photoAC)
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体や肌にやさしいセリの栄養を解説

セリはカリウムをたっぷり含んでいます。摂りすぎた塩分を排出する働きがあるカリウムは、むくみの予防や解消に役立ちます。また、肝臓の解毒を助け、血液の凝固を促すビタミンKも含まれています。

さらに、セリにはβ-カロテンも豊富です。これは体内でビタミンAに変換されて作用し、肌のターンオーバーを促したり、シミの予防や改善効果を高めたりといったことが期待できる栄養素です。ビタミンAとしての機能以外にも、抗酸化作用があります。脂溶性ビタミンのβ-カロテンは油を使った料理だと吸収率がアップしますので、効率よく摂るには炒め物や天ぷらにするといいですよ。

セリの天ぷら
セリは天ぷらにして食べるのもおすすめ(Ph/photoAC)
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独特の香りにはリラックス効果あり!

セリの独特の香りには、オイゲノールというリラックス効果のある成分が含まれています。リラックス効果だけでなく、口臭を消す効果もあります。

そのほか、貧血予防効果のある鉄と、風邪予防効果のあるビタミンCも豊富です。鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収がよくなるので、体調を崩しやすい冬場におすすめの野菜といえますね。

加えて、腸活に有効な食物繊維、血流を促進し、リラックス効果もあるピラジン、細胞の生成を助ける働きがある葉酸、骨や歯の形成をサポートするリン、エネルギー生産に不可欠な酵素を補助するパントテン酸など、さまざまな栄養素が含まれています。

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