ヘアケア

ブラッシングで白髪予防!? 薄毛防止までできる目からウロコのテクニック

大人女性にとって、白髪ケアは避けては通れない切実な問題。毛髪診断士の資格も持つ美容ジャーナリストの伊熊奈美さんの著書『いい白髪ケア、やばい白髪ケア 頭皮がしみる、かゆいは危険信号!』(小学館)には、そんな大人女性の悩みを解決してくれる、正しい白髪ケアの情報がたっぷり載っています。

伊熊さんが、あまり知られていないブラッシングのうれしい効果を解説してくれました。

頭皮マッサージで白髪予防も育毛も、代謝アップまで!

ブラッシングというと、なんとなく髪が傷むというイメージを持っている人も多いようです。でも実は、ブラッシングによる頭皮マッサージには、白髪ケアだけでなく美容効果が満載だと伊熊さんは言います。

ヘアブラシと植物の葉っぱ
Ph/Getty Images
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ブラッシングが頭皮マッサージになる!

「日本には古くからクシの文化があるように、髪をとかすことは日本女性の美容の原点です。もつれた髪を無理やり引っ張ったら確かに傷みますが、スタイリング剤などがなかった時代は、頭皮の皮脂を毛先までなじませることで、ツヤを保っていました。ブラッシングのメリットは髪だけでなく、頭皮マッサージにもなることです。

頭皮マッサージとは、頭皮の筋肉を動かして血流を促すことで、ブラッシングにも同じ効果が見込めます。頭皮下にある、側頭筋・後頭筋・前頭筋という3つの筋肉に働きかけると、筋肉の上を走る太い血管の血流が促されます。すると、筋肉のない頭頂の毛細血管の隅々にまで血流を行き渡らせることができます。髪は『余血』、血のめぐりは髪の命綱。白髪予防にも育毛にも効果的です。

マッサージというとつい力んでしまい、頭皮に余計な負担を与えたり、傷つけたりすることもあります。ブラッシングなら、必要なのは質のよいやわらかなブラシ一本。頭皮全体を適度に刺激すれば、代謝も上がって肩こりだって楽になります」(伊熊さん・以下同)

頭皮下にある3つの筋肉を表したイラスト
頭皮下にある3つの筋肉。左から前頭筋、側頭筋、後頭筋
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マッサージ効果を得るためのブラッシング4つのコツ

より頭皮マッサージに匹敵する効果を得るためには、ブラッシングの際に気をつけることが4つあるそうです。

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【1】朝と夜の1日2回

「もちろん、それ以外の時間でもやりたくなったらいつでも! デスク、お風呂場の中、リビングと数か所にブラシを置いておくのがおすすめです」

【2】朝は、目覚めてすぐ

「朝目覚めたら、すぐのブラッシングがおすすめ。ブラシのピン一本一本が頭皮に触れていくごとに、ボーッとした頭がシャキッと目覚めます」

【3】夜は、髪を洗う前のタイミング

「頭皮の汚れを浮き上がらせるので、シャンプー前は絶好のタイミング。髪の絡まりを解き、洗う前の準備にもなります」

【4】とかす方向は、基本下から上!

ヘアブラッシングは下から上へを表したイラスト
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「まず頭頂の真ん中にブラシを置いて、軽く前後左右に揺らします。体全体の不調を整える『百会(ひゃくえ)』というツボを刺激して全体を緩めたら、お辞儀をしてポニーテールを作るように下から上へと、全方向から頭頂に向かってとかします。特に、耳上からの方向は副交感神経を刺激します。

効かせる場所はあくまで頭皮なので、髪が長かったら毛先までブラシを通さなくてOK。いつも重力で下向きになっている毛穴を緩めて、血流を逆流させるように意識して。最後は姿勢を戻し、頭頂部全体にバッテンを描くように右の前から左側の後ろへ、左の前から右側の後ろへと斜めに動かして終了。頭がポカポカになります」

伊熊さんの著書『いい白髪ケア、やばい白髪ケア 頭皮がしみる、かゆいは危険信号!』には、他にもおしゃれなグレイヘアのための頭皮ケアや、正しいシャンプーテクニック、「ヘナ」についての解説など、大人女性の美髪の秘訣がたくさん。

教えてくれたのは:美容ジャーナリスト・伊熊奈美さん

美容ジャーナリストの伊熊奈美さん
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1972年静岡県浜松市生まれ。日本毛髪科学協会毛髪診断士・認定講師、国際毛髪皮膚科学研究所毛髪技能士の資格も保持する。地元タウン誌の編集記者、女性誌編集部の美容担当などを経て独立。以来20年以上、「女性のリアルな生活に活かせること」をモットーに、スキンケア、ヘアメイクなど、見た目づくりから医療分野まで幅広く企画・取材。http://hairista.jp/

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