エンタメ・韓流

“スピーチのプロ”魚住りえさんが指南 出会いの「1秒で心をつかむ」ワザ

魚住りえ
魚住りえさんが指南する1秒で心をつかむコツとは?
写真6枚

およそ30年にわたるアナウンスメント技術を活かした「魚住式スピーチメソッド」を詰め込んだ著書『1秒で心をつかめ。一瞬で人を動かし、100%好かれる声・表情・話し方』(SBクリエイティブ)を今年9月に出版した、フリーアナウンサーの魚住りえさん(49歳)。日本テレビを退社後、ボイスデザイナー・スピーチデザイナーとして活躍するスピーチのプロです。そんな魚住さんに、出会いの時、「1秒で心をつかむコツ」を聞きました。

キーワードは「攻めの1秒」「受けの1秒」

円滑なコミュニケーションを取るには、出合い頭の1秒がポイントだという。

「人に“素敵だな”“失礼かも”と感じさせるのは、1秒にも満たないあいづちや態度で充分です。しかも、一度定着した印象は半年以上変わらないことが、心理学の研究でわかっています」(魚住さん・以下同)

攻めの1秒、受けの1秒とは?(Ph/GettyImages)
写真6枚

キーワードになるのが、「攻めの1秒」「受けの1秒」だ。

「“攻め”というのは、自分から積極的に相手に仕掛けるという意味で、しゃべり始めのトーンやテンションを高くするだけで好印象になります。相手の話を聞く時が“受け”で、あいづちや返事の前に少しだけ間を置くと、“しっかり話を聞いてくれた”という安心感や信頼感につながるんです」

マスクをしていても笑顔を意識

印象をよくするには、ちょっとしたコツを知っているかどうかによって決まる。もちろん、話す際には笑顔は欠かせない。しかしコロナ禍の現在、対面ではマスクを外せず顔が隠れてしまう。

マスクをしている女性
マスク生活ではついつい笑顔を忘れがち(Ph/GettyImages)
写真6枚

「マスクをしていても笑顔かどうかはわかります。口元が見えないからと無表情はNGです。油断していると怖い顔になっているかも。目が笑っていないと、なにを考えているのかわからないミステリアスな雰囲気になってしまいます。口角を上げると、自然と目尻も下がり、優しいまなざしになります。

また、表情を動かさずにいると頬の筋肉が落ちるので、ほうれい線が垂れてきます。マスクをしていてもトレーニングをしているつもりで口角を上げると、頬のラインもスッキリしますよ」

聞き取りづらい声も印象がダウンしてしまう。マスクで声がくぐもってしまう場合は、声量を上げる。しっかり話そうと思うと口も開き、声がクリアになる。

「マスクの際には、アイメイクも大事です。見逃しがちなのが眉毛で、私は以前より眉毛を太く書くようになりました。マスクで顔の下が隠れるので、上半分で表現するしかありません。笑った時に山なりのラインになるように、より笑顔に見えるように眉毛も工夫しています」

出会った瞬間に好印象を与える服装とは

対面の印象は、姿勢も肝心。自然に背筋が伸びるように、魚住さんは普段からストレッチをしているという。

「私は猫背になりがちなので、夜にストレッチポールの上に寝て肩甲骨を開いたりして、首や背中を整えてから寝ます。体のケアをすると心のケアにもなります。気持ちが安定していると、いい声や言い話し方にもつながります」

出会った瞬間に好印象を与える「色」もある。服装も意識したい。

魚住りえさん
服装もポイントだという
写真6枚

「服装を変えると印象も変わります。やる気や好意をアピールしたい日には、ピンク、オレンジ、白などの明るい色、誠実さは紺、安らぎは緑などでコーディネートするといいですよ。女性の場合は、スカートとパンツでも印象が違いますね。

私の場合は、ほとんどパンツを選びません。私は身長が低いので、足が長く見えるようにAラインのスカートにして、アクセサリーや柄を首元に持ってくることで、相手の目線を下げないようにしています。ニットもポテッと見える気がするので選びません。自分に自信を持てる服装で人と会うことが、印象をよくできるコツかもしれません」

“いい声”を出すための方法

見た目だけでなく、声質でも好印象を与えられる。

「お腹から声を出すと、誰でもいい声が出ます。常にお腹を引っ込めながら声を出すように意識していると、いい声がキープできるようになりますよ。家で発声の練習するときには、ポーンと口から山なりのボールを出すイメージで、大きな声で本を音読、朗読するといいですね。自分のいい声ってこれなんだ、とわかってくると思います」

女性の口元
声質でも好印象を与えられる(Ph/AFLO)
写真6枚

瞬時に人を惹きつける好印象の芸能人は?

魚住さんに、惹きつける力がすごいと感じた芸能人を尋ねると、長年番組を共にしていた所ジョージさんと、もう1人の名が挙がった。

「テリー伊藤さんはオーラがあります。それは服装からも感じます。誠実さが求められる番組ではブルー系、柔らかさを演出するときにはどこかにグリーンが入っています。お似合いになる服をお召しになっているので、とても印象がいいです」

◆フリーアナウンサー・魚住りえさん

魚住りえさん
フリーアナウンサー・魚住りえさん
写真6枚

1972年3月2日生まれ。大阪府出身。高校3年生のときに出場したNHK全国高校放送コンテストで、約5000人の中から朗読部門3位に入賞。1995年に日本テレビにアナウンサーとして入社。2004年にフリーに転身し、テレビ、ラジオ、講演など幅広く活躍。2011年からは「魚住式スピーチメソッド」を立ち上げ、話し方を磨くための指導も行っている。2021年9月に出版した著書『1秒で心をつかめ。一瞬で人を動かし、100%好かれる声・表情・話し方』では、瞬時に人を惹きつける声の磨き方、抑揚のつけ方、表情などについて解説。https://www.rie-speech.jp/

取材・文/小山内麗香

●魚住りえさん、日テレをやめて「スピーチのプロ」として人気を確立できたワケ

●フジ西山喜久恵アナ「思ったことは迷わず即やる」中尾ミエの水泳チームにも参加

関連キーワード