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「卵巣がんの疑い」で手術した65歳オバ記者、身に沁みた友人からの心配と「胸が締め付けられる」末期がんの幼なじみの死

末期のすい臓がんで亡くなった友人のこと

その翌々日はひとりで上野の国立西洋美術館へ。気になっていた『ピカソとその時代』を見に行ったのよ。

オバ記者
ひとりで『ピカソとその時代』を見に上野まで
写真8枚

ひとりで美術館にくるのは、30年ぶりだ。美術館、博物館、植物園を誘うと絶対に断らない幼なじみのF子といっしょだったのよ。そのF子は私と同時期に不調を訴えて入院したけどすい臓がんの末期で、私が退院した9日後にあっさり他界しちゃった。

私は入院中、ずっと彼女とLINEのやりとりをしてLINE電話で話していただけに、気持ちがついていかなくて、泣くに泣けない。胸にどすんと重たい荷物を抱えている感じ。ピカソの面白不思議な絵を見ていたら彼女の顔ばかり浮かんできてね。少しずつ遠くから胸が締め付けられるような心持ちになってきたの。もう一歩で悲しくなれそうでなれないんだけどね。

親の死より友の死のほうが、ずっと重たいのは、自分と重なるから? 私を心配して電話やメール、LINEをくれた勘違い友だちたちも、きっと同じ思いをしたことがあるんだなと、あらためて思ったのでした。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
写真8枚

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【326】「卵巣がんの疑い」で手術を経験した65歳オバ記者、退院後に救われたがんになった友人からの言葉

【325】「個室に移りたい」と訴えた時に看護師がピシャリと言った言葉

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