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「境界悪性腫瘍」65歳オバ記者が手術後4か月の検診をレポート 待ち時間に考えたのはすい臓がんで亡くなった親友のこと

「明日はきっといい日だ」というメールを残したF子

そんな時に思い出すのが、小学校からの友だち、F子のこと。昨年のお盆明け、区の検診で私の卵巣が12cmに腫れているとわかった直後、電話で「私、すい臓がんだって。ステージ? 聞いたけど医師は『う~ん』と首をかしげるんだよね」と爆弾発言。

F子とは美術館にもよく行った
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それから「作戦会議」と称して2回会い、それぞれが入院したあともお互いを励ますメールをしたり電話をかけたり。なのに私の退院した10日後にあっさりこの世を去るって、こんなのアリ?

彼女とは海外旅行も2度行っているし、都内の美術館、植物園、デパート、レストラン、日帰り温泉。F子が上京してから約30年の間、ありとあらゆるところに一緒に行っているから、どこに行っても顔が浮かぶんだよ。

オバ記者
親友F子の事を思い出しながら西九州新幹線と記念撮影した時の一枚
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「担当医は『いますぐ深刻な状態になることはない』って言うんだよね」と言う彼女に、「医師はいい加減なことは言わないよ。大丈夫。よくなるよ」と私。

大学病院の談話室から見た風景と共に、彼女の声が突然よみがえってきて、そうなると体の動きがピタリと止まっちゃう。F子、「明日はきっといい日だ」というメールを残したけど、最晩年は何を考えていたのかな。

待ち時間、1時間を過ぎてようやく呼び出し機が震えだして、さらに診察室の前で待つこと約10分。

「はい、血液検査の数値は悪くないです。エコーも問題ないですね。次はまた3か月後に検診を受けていただき、そのときになにもなければ次は半年に一度の検診でよくなります」

オバ記者
術後の検診は問題なし!
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E女医のテキパキとした声を聞いているうちに、目の前に立ち込めていた雲がスーッと晴れたよう。そうだよね。F子の分も頑張って前期高齢者として生きないとね。ガンバ、私!

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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