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65歳オバ記者、考え始めた「終活」 きっかけは母の死、大病、そして心臓の“異変”

近所の銭湯で突然の発作

先日も近所の銭湯で80代のおばあちゃんに話しかけられて話し込んでたら、つい長くなったのね。湯上がりに左側の背中が重たくなって、そのうち息苦しくなって動けなくなったの。

幸い、私の行きつけの銭湯は大きな休憩所があるのでそこで水をがぶ飲みしながら様子をみていたら、良くもならない代わり好転もしない。そうなって初めて「これ、ヤバいわ」と警戒警報が鳴って薬を口の中に放り込んだわけ。逆に言えばそうならないと「薬!」とならないんだよね。ちょっと息苦しい、くらいなら階段を登っただけでもそうなるもの。

発作にまだ慣れていないこともあるけどよくいう“正常値バイアス”っていうやつ? どこかで「今のは心房細動の発作ではない」と自分で思いたいわけ。ちょっと休めばいつもの通りになる、なんでもないと思いたいわけよ。

オバ記者
具合が悪くなっても発作じゃないと信じたい
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でもなぁ。それもいつまでも続くもんじゃないよなぁ、と、朝、夢うつつの中で思うわけよ。若いときはそれなりに“男出入り”があって、40代から50代は男の代わりに訳ありの女が転がり込んできて、19年いっしょにいたオス猫もいたけど基本はお気楽なひとり暮らし。寝てよし、起きてよし。ご飯を食べてよし、食べなくてもよし。こんな明け暮れもいつまでも続くものじゃないんだよね。当たり前だけど。

「身辺整理」を考え始めた

そんな来し方行く末をグダグダ考えていたら、なんだか急に、身辺整理をはじめるなら早いほうがいいかもと思えてきた。

オバ記者
昨年の今頃。母ちゃんがいなくなってから2週間経った日、桜を見つめていた
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で、何をするか。むっくり起き上がってベッドの周辺に散らばっている洋服や本を片づけていたら、終活の最初の一歩は“捨て活”か? と思ったけれどこれは洗濯ものを拾い上げて何枚かのセーターを畳んだらイヤになった。

で、まあ、身辺整理は徐々にやるとして、私にはもうひとつすごく気がかりなことがあるの。それは私が急に亡くなったときの身の始末なんだよね。夜中に心臓発作や脳梗塞を起こしたときに救急車を呼べるかどうか。そこからして運まかせだけど、問題はその後よ。

オバ記者
もし自分が亡くなったら…不安が募る
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亡くなったらどうするか。両親と年子の弟が他界した今、頼れる親族は末の弟夫婦しかいないけれど、金銭的な迷惑だけは何があってもかけられないし、かけたくないんだわ。が、私の貯金残高は3か月分の生活費だけ。さあ、待ったなし、どうする!

とにかく出来ることから始めようと、私は洗面所で冷たい水を顔に浴びせて、鏡に映ったもうすぐ66才になる自分の顔をキッと睨みつけたのでした。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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