フード

完全菜食主義の「ヴィーガン」、続けた場合の健康面でのリスクを医師が指摘

ヴィーガンのメリットは植物性たんぱく質中心の生活

ここまでヴィーガンのデメリットを紹介しましたが、メリットもあると森さんは話します。

健康面では植物性たんぱく質に軍配

筋肉や髪のもととなるたんぱく質は、赤身肉などから摂取できる動物性たんぱく質と、大豆製品や白米、ナッツなどから摂取できる植物性たんぱく質の2つに分かれます。実はこの2種類のたんぱく質は、健康への影響の観点ではヴィーガンの人がよく食べる植物性に軍配が上がるそうです。

大豆と豚肉
動物性と植物性のたんぱく質では植物性に軍配が上がる(Ph/photoAC)
写真4枚

「動物性たんぱく質の摂取のし過ぎで死亡率が上昇したが、植物性では死亡率が低下したというデータも存在します。体を構成するたんぱく質を補うためには、植物性のものを積極的に摂ることがよいのです」

ヴィーガン生活を続けるなら注意点は?

ヴィーガン生活には、このようにメリットもデメリットもあります。しかしビタミンDや鉄分のように、摂取が難しい成分もあるので、予防医学的な観点では長期的に続けると健康を損なうリスクのほうが大きいそうです。

ヴィーガンを続けるならば、上記のような摂取しにくい栄養には人一倍注意を払うべきだと、森さんは注意を呼びかけています。

◆教えてくれたのは:産業医、内科医・森勇磨さん

Preventive Room代表。神戸大学医学部医学科卒業。2020年2月より「予防医学ch/医師監修」をスタートし、登録者は53万人を超える。上場企業、株式会社リコーの専属産業医として予防医学の実践を経験後、独立。Preventive Room株式会社を立ち上げ、書籍やYouTubeでの情報発信のほかオンライン診療に完全対応した「ウチカラクリニック」を開設している。https://www.youtube.com/channel/UCN1w0Esm19bl7kMh5O23y-w

●抗生物質は万能ではない? 医師が指摘する「のみすぎると起こる悪影響」

●ダイエットの専門家がすすめる食材は「ゆで卵」!たんぱく質の摂り方を間違えるとダイエットには逆効果に